Kimの韓国最新PCゲーム事情#26 | - 10/22 18:22 |
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Kimの韓国最新PCゲーム事情#26 「リネージュ」誕生以来,最大の危機(2002/10/22) Text by Kim Dong Wook特派員 韓国を代表するMMORPG「リネージュ」が,大変なことになっている。なんと"映像物等級委員会"(韓国内で流通するゲームの内容を審議する政府機関)から「18歳以上利用可」(つまり"18歳未満禁止")の判定を受けてしまったのだ。 リネージュの公式サイトの掲示板には,今回の判定でゲームを遊べなくなった18歳未満のリネージュファン達の不満が殺到している。 リネージュが18禁の判定を受けたことについて業界関係者達は,最近社会的な問題となっているPK(Player Killing:プレイヤーキャラクターに対する殺人)行為とゲームの中毒性に関する問題が深刻だと判断されたためと分析している。また,キャラクターが死ぬときにぶちまける"赤い血"も問題視されている。 もしNC Soft社が現在準備中の等級分類適用の撤回を求めた申し込みが受け入れられない場合,来年以降リネージュの売り上げの半分を占めるPC BANG(ゲームに特化したインターネットカフェ)での営業が出来ないことになる。リネージュはNC Soft社の売り上げの90%を占めているだけに,同社は多大な被害を受けることになるだろう。 これまで活発に海外への進出を行ってきたNC Soft社にとって,今回の判定の打撃はあまりにも大きすぎる。リネージュの18禁指定が,海外の市場進出にも良くない影響を与えることは確実だからだ。年間200億ウォン(約20億円)程のロイヤリティ収入の減収はもちろん,現在推進中の中国市場への進出もまた,中国政府の許可を得ることが難しくなってしまったわけである。 NC Soft社は等級分類について,リネージュは「12歳以上利用可」が妥当だと主張している。しかし今まで映像物等級委員会に関する再審で,内容の修正を行わずに等級が変更されたゲームの事例がないことを考えると,今回のリネージュの件に関しても,ゲーム内容の修正は免れない見込みだ。 今回の出来事が社会に与えた影響は大きいが,かといってゲーム内容を修正したらゲーム性が変質し,結果リネージュの生命が絶たれてしまいかねないと指摘する声も多い。韓国のIT産業をリードしてきたリネージュは,誕生以来最大の危機に陥っているのだ。 |