MMORPG「A3」クレジットカード認証を改訂し第三次追加募集を開始 - 2004/06/16 16:20


 ガンホー・オンライン・エンターテイメントが現在クローズドβテストを行っている「A3」は,R-18指定(18歳以上)を自主的に行っているMMORPG。この指定を行う理由としては,グラフィックス面,ゲームシステム面の2種類があり,R-18指定を行うことによっていままでのMMORPGとは大きく異なる高度なゲーム内の仮想社会を作りだせるというのがウリの一つとなっている。

 本作はクレジットカード認証による第一次クローズドβテスター,ネットカフェでの対面認証(身分証明書で18歳以上を確認)の年齢確認による第二次クローズドβテスターの募集が行われてきた。
 そして今回発表された第三次テスター募集(6月18日12時開始予定)は,これらに続くものとなる。応募方法は,Web上でのクレジットカード入力がない状態で行われ,同社がこだわりを持って制限してきた18歳以上という年齢認証は,同社のガンホーIDに登録された"年齢"で確認するという方法がとられる。
 MMORPGというジャンルでは,"無料ゲーム"としてのβテストを行うことがスタンダードとなっていて,それをプレイするためのID取得時に個人情報の入力を求められることも少なくない。"無料"期間だけ遊ぼうと思っている人ならば,このID取得時点での情報入力を適当に行うことも少なからずあり,今回の施策も実質的には"年齢認証なし"とも取れるだろう。

 この不確実な"年齢認証"にパスするとクライアントのダウンロードができるのだが,今回の募集では,無制限とはせずにプレイ環境を維持するのに必要な一定数が集まった時点で終了する。これを同社では"限定ダウンロード"と呼んでいるが,この部分の人数的な数値については,明確な答えをもらうことはできなかった。
 おそらくは"サーバーの同接状況"を見ながら,ということになるのだろうが,ある程度の指針はほしかった気もする。募集数の発表がない以上はある種無制限という解釈をされても仕方がなく,それは同社がいままでA3で打ち出してきた"クローズ環境によるプレミア感"からも外れてしまうからだ。
 現在の本作のコミュニティが落ち着いたもの(大人ならでは?)でプレイしやすくなっているのも,同社の当初からのプレミア感を出す施策というのは成功している部分だろう。いままでプレイしてきた既存のプレイヤーにとっては,ここでプレイヤーが増加することに対しては期待と不安が入り混じってしまう,というのが本音ではないだろうか。
 ちなみに,7月21日に発売予定の「A3 ヴァージンキット 限定版」に同梱される30日無料チケットでも,クレジットカード認証が行われなくなる。それが直接"課金時の年齢認証がなくなると"いう意味になるわけではないと思うが,正式サービス開始後のクレジットカード以外の支払い方法が用意される可能性が見えた,という感じだろうか。

 そんな既存プレイヤー陣に気を遣ってか,同社では「現在のプレイヤー」に対しての感謝イベント2種を同時に行う予定とのこと。

 その一つめは,「奇跡を呼ぶ情熱の雄叫び」イベント。
 イベント開催日に購入したロトチケットをゲームマスターに渡すと,装備品やシュー(成長させられるペット)の覚醒をしてくれる。これはキャラクターレベルに対応した装備品が配られるというわけではないので,ゲームマスターとの交渉次第では,より高額アイテムがもらえる可能性があるとのことだ。またプレスリリースには「この世界に対する『熱き想い』をゲームマスターに伝えてください。皆様の心の叫びに応えて、奇跡が起きるかもしれません。」とあるので,もしかしたら別なイベントが何か用意されているのかもしれない。そちらにも期待していよう。

 二つめは,「騎士の魂宿りし者たち」イベント。
 これは,レベル50以上で騎士団に所属していない人に対してのもので,本作の醍醐味の一つである騎士団同士での戦闘を体験してもらうというものだ。本作は比較的レベルがスムースに上昇していくので,プレイ時間があまり取れない人でもレベル50を達成している人は結構多いが,騎士団の結成は,レベル80以上,100万ウンズの費用など条件があるので,いつも仲間とプレイしていても騎士団に所属していない人が多いのも事実だ。イベント期間中とはいえ,騎士団を体験して共闘することによって,さらにコミュニティのつながりも強固なものとなるかもしれない。

 今までR-18でクローズドな環境を維持してきたA3にとって,今回の発表はまさに転換期。築き上げられてきたコミュニティがこれでどう変化するのかは未知数だが,R-18という部分については,完全にプレイヤーの良心にまかされた形となる。これが吉と出るか凶と出るか,それもすべてプレイヤー次第,ということなのだろうか。
 R-18とはいえ法的なものではなく,あくまでもガンホー側の施策で動いてきたA3。とはいえそれによってプレイヤーが絞られ,一定の層のプレイヤーにとっては過ごしやすい環境ができていたのも事実だ。クレジットカード必須,完全クローズドという当初の打ち上げはどこにいってしまったのか,せっかくならガンホーにはそれをキチンとした形で貫き通してほしかったようにも思う。
 しかしここは,逆に既存A3プレイヤーの団結力が問われるところでもある。なにかゲーム内で問題が起きても,「R-18らしい解決」に期待したい。

 年齢制限はクリアしていても,クレジットカードを持ってなかったり,近所にネットカフェがなかったりする人にとっては,βテストに参加できるチャンスが生まれたという意味では嬉しいことであるのは事実。"大人のMMORPG"が気になっていた人は,ぜひ応募してほしい。(Seal)

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