信長の野望 嵐世記 パワーアップキット

●Preview#12:信長の野望 嵐世記 パワーアップキット

Text by 朝倉 哲也

プレビュー第三弾:パワーアップキットの新追加シナリオとは!?

 Previewsコーナーでは,「第一弾:ミッションチャレンジモードとは?」「第二弾:歴史イベントエディタとは?」と,2回に渡って「信長の野望 嵐世記 パワーアップキット」(以下,パワーアップキット)によって追加される新フィーチャーをお届けしてきた。今回はその第三弾として,パワーアップキットの導入によって追加される,新シナリオ5本についてお届けしよう。なお,石高や名声などの数値は,製品版では予告なく変更されている可能性もあるので,あらかじめ承知してほしい。

 パワーアップキット導入によって追加される新シナリオは,

  • 1546年 1月 信長元服
  • 1560年 5月 桶狭間合戦
  • 1573年 4月 信玄死す
  • 1585年 6月 四国征伐
  • 1599年 3月 関ヶ原前夜
 の5本で,戦国時代の前半期から最後期までをカバーする内容となっている。以下,各シナリオを簡単に見ていこう。

 

== 1546年 1月 信長元服 ==

 「駿河・遠江を領する今川義元が,三河の松平家を傘下に置き,尾張へ進出し始めた。美濃の斎藤道三も虎視眈々と尾張を狙い,国内でも守護代・織田信友が守護・斯波義統を奉じて対抗するなど,織田信秀を取り巻く状況は楽なものではなかった。そんな中,1546年那古屋城において信秀の嫡男・吉法師改め三郎信長の元服の儀式が行われた……」

 戦国時代もたけなわ,日本全国には様々な大小名が割拠しており,目立った大勢力というものはいまだ存在していない。戦国を彩る名将達が,プレイを続けるうちに続々と登場してくるのが,このシナリオの最大の魅力だろう。

有力大名
今川義元 領国:駿河・遠江・三河,名声:205,石高:4581,武将:19人
長尾晴景 領国:南北越後,名声118,石高:5227,武将:23人
細川晴元 領国:讃岐・阿波,名声:303,石高:5750,武将:17人
大内義隆 領国:周防・長門・豊前,名声:310,石高:7076,武将:24人

 本シナリオでの最大名声は,将軍である足利義晴の312となっている。ちなみに織田家は信秀が当主で名声113,石高1189,武将7人。尾張の那古屋城のみを領する,弱小勢力の一つだ。

 

== 1560年 5月 桶狭間合戦 ==

 「織田家の家督を継いでから数年。織田信長は抵抗を続けていた実弟・信行や岩倉城主・織田信賢を討ち,尾張一国の統一を果たした。しかしそれもつかの間,駿河・遠江・三河を領する今川義元が1560年,将軍援護を名目として上洛の途についた。義元の軍勢4万に対し,信長の手勢はわずか4千。もはや織田家の命運は尽きたと誰もが考えた……」

 戦国時代を代表する奇襲戦の一つ,桶狭間の合戦直前から開始されるシナリオ。川中島では謙信と信玄が血みどろの合戦を繰り返し,関東では,北条氏三代目,名将の誉れも高い氏康がほぼ関東を掌中にした。中国地方では,一豪族に過ぎなかった毛利元就が大大名の大内氏を滅ぼし,山陰の雄である尼子氏もその命は胆石に迫っている。有名な戦国大名がほぼ顔をそろえる,華やかなシナリオの一つ。

有力大名
武田信玄 領国:甲斐・南信濃,名声:202,石高:4689,武将:22人
北条氏康 領国:相模・伊豆・武蔵,名声:222,石高:7094,武将:20人
今川義元 領国:駿河,遠江,三河,名声:205,石高:5136,武将:30人
毛利元就 領国:周防・長門・安芸・備後・豊前の一部,名声:186,石高:8250,武将:22人
長尾景虎 領国:南北越後,名声:226,石高:6047,武将:23人
大友義鎮 領国:豊後,名声:255,石高:6724,武将:23人

 最大名声は,やはり剣豪将軍として名高い足利義輝の名声292,石高3218,武将10人となっている。織田家は信長が尾張一国を統一している。桶狭間のイベントが発生すると,今川義元が討死し,その嫡子である氏真が今川家当主となり,松平元康が独立することとなる。今川ファンには踏んだり蹴ったりのイベントである。

 

== 1573年 4月 信玄死す ==

 「征夷大将軍・足利義昭の暗躍によって敷かれた織田信長包囲網を打破すべく,東奔西走の日々を送る信長。しかし,盟友・徳川家康が三方ヶ原合戦で武田信玄に大敗を喫し,また義昭が公然と反旗を翻したことにより,信長は最大の危機を迎えていた。だがそこへ状況を一変させる知らせが舞い込んでくる。武田信玄が美濃の駒場で病死したという……」

 戦国時代最大の英雄の一人,武田信玄の死から始まるシナリオ。ゲームスタートとほぼ同時に,信玄の死のイベントが見られるだろう。東海地方に覇王・今川義元の姿はすでになく,代わって後年海道一と賞せられる徳川家康がその領国の大半を手中にしている。中国地方では山陰の尼子氏を滅ぼした巨人・毛利元就の孫である輝元が三矢の教えを守って領国を堅持し,九州では大友・島津・竜造寺の三強が覇権をかけていよいよぶつかろうとしている。東北地方はいまだ群雄割拠が続き,伊達家の独眼龍の登場を待っている形勢となっている。

有力大名
毛利輝元 領国:周防・長門・安芸・備後・出雲・石見・豊前の一部,名声:201 石高:9338,武将:33人
徳川家康 領国:三河・遠江,名声:89 石高:4541,武将:27人
武田勝頼 領国:甲斐・南信濃・北信濃の一部,名声:160,石高:9322,武将:32人
北条氏政 領国:相模・伊豆・武蔵,名声:252,石高:6862,武将:16人
上杉謙信 領国:南北越後・北信濃の一部 名声:258,石高:7795,武将:28人

 最大名声は織田信長の名声395,石高16166,武将79人と,他大名と比べ一桁違う大勢力となって君臨している。第六天魔王の降臨を阻止するのは至難の技だろう。

 

== 1585年 6月 四国征伐 ==

 「本能寺の変によって征伐の危難を脱した長宗我部元親は,阿波・讃岐に続いて1585年春,伊予の河野家を破り,念願の四国統一を果たす。一方,全国統一に邁進する羽柴秀吉は攻した元親の動きを快く思わず,讃岐と伊予の返上を命じるが,元親はこれを拒否。1585年6月,ついに四国征伐を決断,畿内・中国の諸大名に出陣を命じた……」

 第六天魔王"信長"の姿も今はなく,その覇業を受けついだ秀吉が日本の中央部をほぼ制覇し,もはや日本の主権を握るのは時間の問題となってきた頃のシナリオ。九州は島津,中国は毛利,四国は長宗我部が制覇し,近江以西はほぼ形勢が定まっているが,一転,東北地方はいまだ割拠の状態が続いて混沌とした状態となっている。東北の大名でプレイするなら,すばやく東北地方を制圧して一大勢力となっておかないと,西の大勢力と互角に戦うのはつらいだろう。なお伊達家の当主はお待ちかね,独眼竜・政宗だ。

有力大名
長宗我部元親 領国:伊予・土佐・讃岐・阿波, 名声:258, 石高:10146, 武将:22人
羽柴秀吉 領国:近畿・北陸・山陰・山陽一帯, 名声:970, 石高:56358, 武将:194人
毛利輝元 領国:周防・長門・安芸・備後・出雲・石見, 名声:124, 石高:10459, 武将:29人
島津義久 領国:薩摩・大隈・肥後・日向・肥前の一部, 名声:499, 石高:13180, 武将:43人
徳川家康 領国:駿河・遠江・三河・甲斐・南信濃の一部, 名声:308, 石高:9986, 武将:49人

 最大名声はいわずもがなの羽柴秀吉だ。第二位が島津義久で,第三位が佐竹義重となっているのはちょっと意外。本能寺の変のシナリオより,このシナリオの秀吉のほうが領国数が多い。したがって手っ取り早くエンディングが見たいなら,このシナリオで秀吉を選択し,脅迫&引き抜きを多用していくのが最も近道

 

== 1599年 3月 関ヶ原前夜 ==

 「豊臣秀吉の死により,6歳の嫡子・秀頼が後を継いだ。しかし,その後見たるべき両者,徳川家康を筆頭とする武断派と,石田三成を筆頭とする文治派との対立は,激化の一途をたどっていった。そのさなか,1599年3月,豊臣政権の重鎮として武断派,文治派双方ににらみを利かせていた前田利家が,秀吉の後を追うようにこの世を去った……」

 戦国最大の巨星秀吉が没し,日本が家康派と三成派に大きく二つに分かれた。両者を諌めるべき,豊臣政権の重鎮・前田利家も今はなく,激突は火を見るよりも明らかな形勢となっている。プレイヤーは苦節数十年の家康となって天下をもぎ取るか,秀頼となって豊臣政権を脅かす狸親父・家康の首を狙うか。あるいは九州で虎視眈々と両者の戦いを見守る黒田如水,遅れてきた戦国の雄,独眼竜・伊達政宗となって,日本に新たな時代を開くのか,それはプレイヤーの采配一つにかかっている。

有力大名
徳川家康 領国:相模・伊豆・武蔵・上野・下総・上総・安房, 名声:1481, 石高:21497, 武将:75人
豊臣秀頼 領国:播磨・摂津・河内・山城・大和・越前・若狭・その他, 名声:1390, 石高:28985, 武将:74人
毛利輝元 領国:周防・長門・安芸・備後・出雲・石見・その他,名声:158,石高:12345,武将:17人
伊達政宗 領国:陸前・磐城の一部, 名声:119, 石高:8182, 武将:16人

 最大名声は徳川家康,第二位は豊臣秀頼となっており,この二人が石高や武将の数などでも図抜けている。とはいうものの当主の能力に天と地ほどの違いがあるので,豊臣秀頼が不利な点は否めないだろう。
 なお,これだけ名声に差があると,弱小勢力を脅迫で自勢力に取り込むことのできる確率がかなり上がる。家康・秀頼を選択した場合は積極的に脅迫コマンドを使っていこう。また他家からの武将引き抜きも活用しよう。逆に家康・秀頼以外の大名家を選択した場合は,配下の武将がどんどん引き抜かれてしまう危険性があるので注意が必要だろう。

 

 以上,パワーアップキットで追加される5本のシナリオをざっと見てきたわけだが,どうもこれ以外にも隠しシナリオが存在しているようだ。その隠しシナリオは,プレビュー第一回で紹介した「ミッションチャレンジモード」のクリア賞品として登場するらしい。
 この隠しシナリオについての詳細はまったく不明。ただ,「ミッションチャレンジモード」の賞品に新武将の追加があって,そこで追加される武将というのが北条早雲太田道灌など戦国時代の最初期に登場する武将であることから,この時代のシナリオではないかということが予想される(もちろん,この予想は筆者の予想に過ぎないのだが)。なんにせよ,楽しみなフィーチャーの一つではあるだろう。
 あらゆる点で「信長の野望 嵐世記」をパワーアップする「信長の野望 嵐世記 パワーアップキット」,発売は8月3日と目前だ。信長ファンなら買うしかないでしょう!

 

Preview#10:パワーアップキットの歴史イベントエディタとは!?

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