Pool of Radiance:Ruins of Myth Drannor

●Preview#23: Pool of Radiance:Ruins of Myth Drannor =page 2=

Text by 奥谷海人

バランスの取れた最新ルールが堪能できる強み

クリックすると拡大します  さて,PoRの実際のゲーム内容だが,テーブルトークを意識したさまざまな仕掛けがなされている。中でも異色なのが"ゲームマスターの声がゲーム中にたびたび登場すること"で,新しいダンジョンへ潜入したりドアを開けたりするたびに,その状況をボイスによって事細かに教えてくれるのだ。
 メインストーリーに加えて,小さなクエストはいくつも用意されており,シングルプレイヤーモードなら100時間は遊べるだろうとのことだ。もっとも,メインストーリーが終了してもゲームを続行することはでき,終わらせていないクエストに挑戦したり,ダンジョンに再び潜っていくなどして楽しむこともできる。これは,PoRにダンジョンをランダム生成するプログラムがあるためで,ダンジョンの形状や難度は,プレイヤーのレベルに合わせて随時変更させることを可能だ。
 キャラクタークラスはD&D第3エディションのルールに合わせられている。新しく加わったバーバリアン,モンク,ソーサラーの3クラスと,パラディン,クレリック,ファイター,レンジャー,そしてローグで合計8種類となっており,種族に関わらず最大16レベルまで成長するように統一されている。
 第3エディションでユニークなのは,マルチクラスキャラクターの製作に制限がなくなったことで,プレイヤーの好みで複数のクラスを自由に選択できる。例を挙げると,ファイターで始めたキャラクターがレベル2になる十分な経験を積んでも,PoRでは自動的にレベル2のファイターにアップグレードされるのではない。プレイヤー自身が,逐一その分のレベルをファイターもしくはほかのクラスに振り分けていくのだ。一つのクラスでは16レベルにまでしか育たないが,マルチクラスキャラクターでは合計で32レベルが与えられることになる。つまり,16レベル以上のプレイヤーキャラクターは,ほとんどが2クラス以上のマルチクラスになるということで,16/8/8や12/12/4/4なんていうレベル配分だってアリなわけだ。
 細かいルール面での追加ではフィーツ(Feats)という機能が新鮮で,レベルが上がるに連れて新しい才能が加わったり,すでに持っている才能が強化されたりということが起きるようになっている。キャラクター種族にはハーフオークが加わったのに加え,100種類以上のスペルが用意されている。特にソーサラークラスはユニークで,ウィザードのようにスペルを覚える必要はなく,レベルごとに特定のスペルのセットが与えられる。その変わり,クレリックはスペルを発動するたびに暫しの休憩をしなければいけないというペナルティがある(ちなみにPoRではウィザードクラスは登場しない)。

着込んだ防具の効果音にまで行き渡った開発者の細かい芸

クリックすると拡大します  インタフェースはオーソドックスで,インベントリーやキャラクターのステータス,スペルなどは,RPGのファンならすぐに馴染むことができるだろう。ペーパードールは,ゲーム中の3Dキャラクターモデルがそのまま使用されている。地味ながらPoRらしい細かい作り込みが見られ,ハーフオークなら8フィート,人間なら6フィート,ハーフリングなら3フィートというように,身長差もきっちりと表現されているのだ。各種族に合わせて男女のモデルが4種類程度用意されている模様で,種族に合わせてアイテムの大きさも自動的に調節されている,という驚くほどの細かさだ。武装したアイテムは,チェインメイルなら"ジャリジャリ",レザーメイルなら"シュルシュル"というような,違った音が出るようになっているのだ。  全体的にインタフェースの使い勝手は良く,ペーパードールを開かなくてもポップアップ型の小さなウィンドウで瞬時に武器やスペルを選択できるのは嬉しいところ。また画面上には,次のターンまでの時間の経過が一目で分かるように,キャラクターごとのタイマーが表示されるようにもなっている。

 PoRに登場するモンスターは30種類程度になるといわれており,ミス・ドラノーの世界観に照らし合わせてスケルトンやゾンビ,グールなどのアンデッド系モンスターのほか,ドラゴンやゴーレム,ナーガ,ガーゴイルなども登場する。また,ミイラ型のドラゴンともいえる容姿を持ったドラゴンリーチや,かなり強力なスペルで武装したドロウと呼ばれるダークエルフ種族とも1戦を交えなければならないだろう。さらには,不死身の体になることでミス・ドラナーの街を守ることを選んだ元エルフ族の族長,マイロデン・シルバーブレードといったD&Dでは有名なNPCたちも登場することが判明している。
 マルチプレイヤーモードは,ダンジョン生成プログラムを活用して,プレイヤー同士で6人までのパーティを組んで楽しむことになる。PK(プレイヤーキリング)はサポートされていないが,アクションやアイテム探しに重点が置かれたディアブロ型のゲームになりそうだ。ただし,かなり複雑なアニメーション効果が満載されているので,グラフィックスカードはそれなりのものが必須となるだろう(とはいえGeForce2MX程度でも大丈夫だとは思うが)。リリース時期は定かでないものの,日本でもメディアクエストが日本語化して販売することは決定している。期待して待っていることにしよう。

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