Throne of Darkness

●Preview#15:Throne of Darkness

Text by 奥谷海人

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Diabloを日本風にした異色アクションRPG作品

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Leader
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Berserker
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Brick
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Archer
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Mage
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Ninja
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Swordsman
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クリックすると拡大します  「ここ」で速報した通り,Sierra StudiosのアクションRPG「Throne of Darkness」が,日本ではカプコンから発売されることが決定した。開発を手掛けるClick Entertainmentは,「Diablo」の第1作めの制作に加わったゲームデザイナーやプログラマーら数名によって創設されたチームであり,「アクションRPGにもっと斬新なアイデアを吹き込みたい」ということで開発が進められているのが,このThrone of Darknessなのである。
 画面写真を見ての通り,Throne of Darknessは日本の中世をテーマにした異色作品だ。リードデザイナーがサムライ映画好きで,故黒澤明監督の「七人の侍」や「蜘蛛ノ巣城」といった名作映画をベースにしたイメージで開発している。事実「蜘蛛ノ巣城」に至っては,英題が「Throne of Blood」と付けられていることから,このゲームがどれだけ黒澤映画に影響を受けているのかが分かるだろう。
 Throne of Darknessの舞台は"大和(Yamato)の国"。この国を治める大名,吉良綱吉(Kira Tsunayoshi)は,その放漫な暮らし振りから神々の怒りを買い,不治の病に陥ってしまう。そこで自分の山城に祈祷師を招き入れて永遠の生命を手に入れようとするのだが,この祈祷師が食わせ者で,闇神"魔王破壊鬼斬神"に吉良の心身を乗っ取らせてしまう。さらに,この城の警備をしていた兵士たちも次々と闇の力に乗っ取られ,闇将軍と化した吉良綱吉は,山の麓へ向って進軍を始めるのであった。それを知った吉良綱吉配下の大名(プレイヤー)は,自分の家臣たちである"7人のサムライ"を使い,闇将軍を討たんとする。それがこのゲームの目的なのだ。

"7人のサムライ"が繰り広げる下克上がテーマ

クリックすると拡大します  史実とはかけ離れたファンタジーに味付けされているが,これまでのRPGと言えば,ほとんどが「アーサー王物語」や「北欧神話」をベースにしていたことを考えれば,Throne of Darknessが相当異色な作品であるのは事実。実際,スケルトンや死霊系に混じってカッパや山鬼など30種類に及ぶ日本風なモンスターも登場し,ほかのアクションRPGとは違う雰囲気に仕上がっている。
 プレイヤーの役どころは,闇の力に乗っ取られた闇将軍(吉良綱吉)に反旗を翻した配下の大名という設定なので,実際にプレイヤーキャラクターを使ってプレイするのではない。プレイヤーが操作するのは,それぞれクラスの異なる7人のサムライなのだ。実際は,一度に最大4人までのパーティーを組んで戦うことになり,用途や状況に合わせてメンバーを交換していくという戦略的なプレイが求められる。
 4人のキャラクターをコントロールするため,プレイヤーには20種程度のコマンドが与えられており,一度に同じモンスターを攻撃させたり,別々のモンスターを攻撃させたりといった命令を出すこともできるし,フォーメーションを組んで進行したり,プレイヤーが直接コントロールしているキャラクター以外は,好き勝手に行動させることだって可能なのだ。このあたりは,アクションRPGとしてはなかなか斬新。
 キャラクタークラスは,アーマー値にボーナスが加わるリーダー(Leader),二刀流が使える前衛タイプの狂戦士(Berserker),大きな金棒を振りまわして戦う大漢(Brick),魔法や弓などの特技のほか,透明になるという特性を持つ忍者(Ninja),刀系の武器に特化した剣士(Swordsman),弓ばかりでなく長距離系の武器に秀でた弓兵(Archer),そして数々の魔法を操る術師(Mage)の7種類である。
 闇将軍の居城が山頂にあり,4人の大名が山麓に支城を持っているという設定で,その山麓に建てられた支城がスタート地点となる。すでに支城の本丸にも魔軍が進行しているため,まずプレイヤーはここから7人のサムライを脱出させ,森や洞窟などを抜けて将軍の城へと乗り込んでいくのである。テーマがテーマだけに全体的に暗い雰囲気のアートワークで,クオータービューのカメラ視点は Diabloからの継承を感じさせる。画面自体は16ビットカラーをサポートし,解像度は800×600ドットに固定される模様だ。派手な魔法効果を表示するために3Dグラフィックカードが必須となっており, "Transform&Lighting機能"にも対応している。

プレイヤー固有のアイテムを精製するユニークなシステム

クリックすると拡大します  Throne of Darknessに登場するマジックには,"水","炎","土",そして"電"の4系統が存在する。面白いのは,本陣となるプレイヤーの本丸に神棚があり,それぞれスサノオ(水),アマテラス(炎),オオクニヌシ(土),ライデン(電)の神を奉ってあるという点。戦闘で収穫した特殊アイテムをここに"お供え"することによって,新しいマジックを授かるのである。お供え用のアイテムは神によって別々のものになるようで,魔法は一つにつき4段階のレベルにまで成長する。また,二つの系統が同時期にレベルアップした場合などは,コンボスペルと呼ばれる特殊魔法がランダムに発生することもあるらしい。
 アイテムは,刀や槍,兜といったいかにもな日本的なものばかりで,モンスターを倒したり,宝箱や座敷に飾っているものを獲得することで入手できる。もっとも,モンスターから得たマジックアイテムの中には,闇の力によって汚染されたものもあるため,神棚で浄化してもらう必要もあるようだ。そのほかの武器としては,短刀,脇差,大小,金棒,薙刀,弓に加え,手裏剣や兜割なども登場する。
 さらにユニークなのが,本陣で奉公している鍛冶屋に頼んで,いくつものアイテムを合成することもできるというシステムだ。例えば,カッパを倒すことで入手したカッパの爪を3本の刀と掛け合わせ,"カッパデストロイヤー"と呼ばれる特殊アイテムを精製する。これにより,このアイテムを持つキャラクターがカッパに対して耐久性ができるというようなことも起こり得るわけだ。さらに,マジックアイテムをレベルアップしたりもできるようで,組み合わせによっては相当なパターンの武器や防具ができあがるだろう。もちろん,これらのユニークアイテムには,プレイヤーの好きな名前を付けることもできるのだ。
 ランダム性が強いとはいえ,決められたパターンでしかアイテムが存在しなかったDiabloとはまったく異なる(そして魅力的な)点だといえるだろう。組み合わせによってはとてつもないアイテムなどもできるのかもしれない。

35人までをサポートした,注目のマルチプレイヤーモード

 Throne of DarknessがDiabloと最も異なる部分が,このゲームが誇るユニークなマルチプレイヤーモードである。ベースとなるのは,アクションゲームでいう"King of the Hillモード"だ。
 プレイヤーは,シングルプレイヤーモードのように1人で7人のサムライキャラクターを操ってもいいし,1人1人を担当することも可能だ。つまりは,4家7人の28人に合わせ,闇大名のサムライ7人で,合計では35人までのマルチプレイヤーモードがサポートされるのである。"カウンターストライク"のようなタクティカルなゲームプレイが予想されるが,闇大名を倒したチームは,すぐさま闇の力に乗っ取られてしまい,その後は自分が倒されるまで闇将軍として君臨することになる。
 さらに,King of the Hillを基点にして例えば4チームが合同で闇将軍を攻撃したり,2チームに別れて闇将軍を打倒する時間を競い合ったりというゲームモードも考案されている。闇将軍にはモンスターもいるため,ただでさえ攻略するのに時間がかかりそうだが,プレイヤーを飽きさせないような配慮の数々が楽しみだ。
 カプコンからの発売は2001年9月。"超大作"ではないものの,ちょっと期待のRPGだ。

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