韓国でオンラインゴルフゲームが大ヒット!
その仕掛け人に直撃インタビュー
【後編】
Pangyaの今後の予定 |
〜9月には空母をテーマにしたマップを追加〜 |
4G:
韓国では2004年5月に正式サービスが開始されてから約3か月経ちましたが,プレイヤーからはどんな声が聞こえてきますか?
Seo:
おかげさまで反応はいいですね。要望で多いのは,キャラクターや背景,マップの追加や,ギルドシステムなどコミュニティシステムの強化についてですね。あと,マナーの悪い人をなんとかしてほしいという要望もあります。
4G:
このあたりは徐々に改善されていくのでしょうか?
Seo:
もちろんです。随時アップデートしていきますよ。この8〜9月にも,いろいろとアップデートする予定です。例えば"Skinsモード"を近々追加しますが,これは実際のスキンズ・マッチのようなもので,簡単にいえば,1ホール単位で勝負可能なモードです。
ほかにもラダーチャネルや,フレンドシステム,ギルドシステムなどのコミュニケート関係を強化する予定です。10月にはプレイヤーキャラクター達が吹き出しで会話するチャットモードも実装しますよ。
あとちょっと順番が前後しましたが,9月にはマップを追加します。このマップ,なんと空母のマップなんですよ。
4G:
空母? それって船の中ですか? そんなわけないか。
Seo:
もちろん船の外ですよ。海の上にいくつか浮いている船から船にボールを打つんです(笑)。
4G:
池ポチャならぬ,海ポチャですね。
Seo:
あと今後も実際のゴルフ場と提携して,いろいろとやっていきたいですね。そのゴルフ場を題材にした追加マップはもちろん,イベントもできますしね。
4G:
これらのアップデートって,韓国での話ですよね。日本ではいつくらいに実装されますか?
Seo:
MMORPGとは違って,1か月〜1か月半のズレで十分アップデートできます。ただ優先順位がありまして,Pangyaの人気のある国から順に対応していくことになります。
4G:
というと,いろいろな国でのサービスが決まっているんでしょうか?
Seo:
今は台湾バージョンを開発中で,この8月中にクローズドβテストに入る予定ですよ。WCGにも,韓国,日本と,この台湾から選手が参加する予定になっています。
それ以外の国からも,いろいろと声がかかっています。実は昨年(2003年)に中国へ行ってPangyaを見せたときは,あまり評判が良くなかったんです。その当時は,中国では"MMORPG一色"だったんですよね。ところが最近では状況が変わってきて,興味のあるという話もいくつか聞いています。
あと,アメリカなど欧米諸国からも話が来ていますよ。
Seo氏自身の話 |
〜私がゲームを作りたいと思ったのは,
中学生くらいの頃に遊んだ「イースII」がきっかけなんです〜 |
4G:
Pangyaの開発にはどれくらいの人が携わっているのですか?
Seo:
今は15人ですね。2年半前は4人だったので,ずいぶんと増えましたね。ただ今後世界各国でサービスするにあたり,さらに倍くらいに増やしたいと思っています。
4G:
そうやってどんどんとPangyaが軌道に乗って,Seoさんの手を離れたら,次にはどんなゲームを作ってみたいですか?
Seo:
そうですねぇ。やはりパッケージゲームを作ってきた人間としては,感動的な,ストーリー性のあるタイトルを作りたいですね。例えば,PlayStation
2用ゲーム「ICO」みたいなものを,自分でも作ってみたいと思っています。
4G:
ICOは,世界中で評判良いですよね。Seoさんはほかにも日本のゲームを遊ぶんですか?
Seo:
実は,私がゲームを作りたいと思ったのは,中学生の頃に遊んだ「イースII」がきっかけなんです。あれに衝撃を受けて,ゲーム業界を志したんですよ。だから日本のゲームは,そこそこ詳しいですよ。
4G:
日本のゲーマー達については,どんなイメージがありますか?
Seo:
日本人は,PCは持っているけど,あまり使っていないと聞いています。PCの普及率から考えると,PCゲームをプレイしている人は少ないですよね。ただPCゲーマーが少ない分,好きな人はもの凄く好きというイメージがあります。あと,マナーの良い人が多いんじゃないでしょうか。
韓国のゲーマーは,個人で遊ぶのが好きです。MMORPGなどのオンラインゲームでも,みんなで協力するより,個人対個人で戦うほうを好みますね。日本のゲーマーは,逆にみんなで一緒にプレイすることを好むようです。なので,Pangyaでも日本向けに,みんなで一緒にプレイすると面白くなるシステムを準備しようと思っています。
何か要望/意見があれば,どんどん教えてほしいですね。韓国の人より日本人のほうが細かい部分を指摘してくれるので,開発側としても助かります。
4G:
なるほど,読者にもどんどんプレイしてもらって,ガンガン指摘してもらいましょう。それでは最後に,その日本の読者に向けてひと言お願いします。
Seo:
機会があれば,日本を始めとする全世界の人が楽しめるゲームにPangyaを育てていきたいと思っています。WGCがそのきっかけになれば嬉しいですね。
日本のゲーマーは,韓国の人よりもゴルフゲームに慣れています。そのため,「これはゴルフゲームじゃないんじゃないか?」なんて思う人もいるかもしれません。でも,Pangyaには本物のゴルフにはない面白さもあるので,そういう部分を楽しんでみてください。
4G:
ありがとうございました。
Seo氏は筆者と同世代ということもあり(筆者も中学生時代にイースIIを遊んだクチ),実に親近感の湧く人だった。アークトゥルスの例を引くまでもなく,日本のゲームを遊び込んできた彼が作るゲームは,おそらく日本人にも受け入れやすいものになっているだろう。
韓国では,2004年4月にオープンβテストが開始されてから,わずか3か月足らずで100万もの登録数を記録した本作。日本でのオープンβテストも8月13日開始と目前に迫っているが,果たしてどれだけの人が集まるのか,気になるところだ。
「Pangya」の情報一覧は,「こちら」でどうぞ。
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