2004/07/20 19:14 |
エレクトロニック・アーツ社が開催したEA Camp 2004では,アメリカでは2003年に大ヒットを飛ばしたレーシングアクションゲーム「Need for Speed: Underground 2」(以下,Underground 2)も公開された。本作は2004年5月のE3で制作発表が行われ,6月にはアメリカの男性誌などのグラビアで人気を誇るセクシー女優,ブルック・バーク(Brooke Burke)をイメージキャラクターとして起用することを発表している。しかし実際にプレイアブルなバージョンがお目見えしたのは今回が初めてのことで,会場ではPlayStation 2版とPC版が一緒に展示されていた。
今回Underground 2で最大の新要素は,ゲームシステムそのものがオープンエンドになったこと。まるで「Grand Theft AutoIII」のように市街地を自由に走り回ることが可能になっているのだ。マップ上にはサーキット,ストリートX,ドリフト技術などを見せびらかすためのショーケースがあり,プレイヤーは任意でミッションを受けたり,街中を走り回っているライバルを見つけて勝負を挑むことで,ちょっとした小遣い稼ぎをしたりできる。 選択できるプレイヤーカーは,前作同様トヨタ,三菱,スバルなど馴染みのものが多く,新車種にも期待したいところ。開発者の話によると,プレイヤーはレースに勝利することで賞金を貯め,パーツ屋,ペイントショップ,ガレージなどでチューンナップを楽しめるようになっているとのこと。しかもチューンナップのパターンは多彩で,前作同様にさまざまなパーツメーカーの協賛を得ているそうである。またスポイラーやスカート,ヘッドライトの種類や形状,リム,ネオン,オーディオ,シザードア(上部開口式)などボディのカスタムも可能で,同じ車でも半無限のバラエティが楽しめるのだ。
ゲームスタイルとしてサーキット型が本来のNeed for Speedであるが,今回新しく追加されたストリートX型のゲームモードは新鮮で面白い。街の公道を舞台に徘徊しているライバルとレースを行うというもので,自分が先行して300フィート以上の差をつければ勝利となる。しかもコースは決まっておらず,先行する車は好き勝手に逃げてよいのだ。レースでは自分の車の特性に合った道を選んで走ることが勝利へのカギとなるだろう。ちなみに,このゲームシステムはコンソール機種用でもオンライン化することから考案されたもののようで,"自由度の高さを意識させるイタチごっこ"は本作の看板の一つになるだろう。 またUnderground 2のグラフィックスはE3で公開されていたムービーのものよりも洗練されたようで,ソフトに膨らむネオンサインやキャッツアイのグローライト効果も確認できる。基本的には以前と同様に夜ばかりのマップのようだが,全体的には都市光源が増えて明るくなったような印象も受けた。さずがハリウッドのVFX専門家を使って制作しているだけあり,まるで「60セコンド」のようなカッコ良さが健在だ。 街はロサンジェルスやマイアミ,ニューヨーク,東京,ロンドンなどの良い部分を合わせて作ったような感じで,近代的な高層ビルが立ち並ぶ通りが相変わらず雨で濡れたあとのような独特の作風だ。郊外や大きな都市公園なども描かれており,木の枝が風にそよぐなどの描写が前作の無機質なイメージを払拭している。
警察とのカーチェイスが楽しめる「Need for Speed:Hot Pursuit」シリーズもそうだったが,オープンエンドなフィールドで爆走する「Need for Speed: Underground 2」は,レースゲームの新しい境地を開拓しそうな勢いである。発売は2004年の11月頃の予定で,PC版も同時リリースになるという。(文/写真・奥谷海人) (C) 2004 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved.
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