プロダクトマネージャーに聞いた,Gravity社最新作「Rose Online」の詳細
2004/07/20 21:02
 7月17日から18日にかけて,韓国はソウルのCOEX Pacific Hallで行われていたMMORPG「ラグナロクオンライン」のギルド戦世界大会「Ragnarok World Championship」の会場で,Gravity社の次回作,「Rose Online」がプレイアブルな状態で展示されていた
 Trigerr Soft社が開発中のRose Onlineは,すでに韓国ではクローズドβテストが始まっており,2004年9月初旬にはオープンβテストに移行される予定だが,現状,日本にはほとんど情報が入ってきていない。そこで会場にいた同作のプロダクトマネージャーであるJong, Sung-Woo氏を捕まえ,同作の詳細を教えてもらった



今回いろいろと話を聞かせてくれたJong, Sung-Woo氏
■七つの惑星が舞台の,超可愛い系ファンタジーMMORPG

 Rose Onlineという名前を初めて聞いたという人も多いだろう。それもそのはずで,本作はこれまで「SevenHearts」と呼ばれていて,最近タイトルが変更になったのだ(もっともSevenHeartsのほうも,日本では情報が少なく無名に近いが)。
 このタイトル変更はかなり急に行われたようで,Jong氏の名刺にも「SevenHearts Team」とプリントされていた。タイトル変更の理由は明言してもらえなかったが,頭文字を取ると「RO」となり,Gravity社を世界有数の会社に育て上げたラグナロクオンラインの頭文字と同じになるのは,偶然ではないだろう(そういえば,もう一つのGravity社がリリース予定のタイトル「Requiem」も「R」から始まる)。
 ただし会場で配られていた資料には,Rose Onlineの省略形は「R.O.S.E.」と表記されている。そもそも「Rose」の部分が,「Rush On Seven Episodes」の省略形なのである。

 つまり,旧題,新題ともに「Seven」(7)という数字が入っているわけだが,これは何を表すのか? 
 それは,舞台となる惑星(Junon,Luna,Ska,Eldeon,Kakia,Oro,Hebarn)の数を指している。これらの惑星には,それぞれ20のゾーンやダンジョンが存在するという。また惑星間には,戦争や貿易が行われているのである。
 惑星は,それぞれテーマが設けられている。順に,Magic,Adventure,Love,Festival,Legend,Gold,そしてFury(激情)だ。Jong氏によると,これらの惑星を創造した女神が,その心(Hearts)を七つに分けて惑星に注入したという設定だそうだ。

 そんな本作の特徴をJong氏に伺ってみると,「最大の特徴は,見ての通り,キャラクターやモンスター達がとっても可愛いことですね」。掲載した画像や,また先ほどUpしたムービー「こちら」を見てもらえれば分かると思うが,確かに,とにかく"可愛さ"にこだわったグラフィックスになっている。
 例えば,キャラクターが装備できるアイテムは,「滅茶苦茶」(Jong氏)多いようだ。なんでも1200種類以上あるそうで,ちょっと見せてもらっただけでも,日本風のハッピ姿にねじりはちまき姿など,確かにアイテムがユニークかつ豊富に用意されているのが分かった。また前述のムービー登場する空飛ぶ飛行船"Flight Generator"も,ちゃんとゲーム中に登場する模様。
 ちょっと困るのが,モンスターまで可愛いこと。TシャツにGパン姿のブタ,ヘルメットをかぶりつるはしを担いだ珍獣などなど,倒すのがためらわれるくらいだ。さすがに攻撃しても流血などの演出はなく,死亡時も魂のようなものが抜けるエフェクトで表現されていた。
 本作が,かなりカジュアルさを意識して作られているのは間違いない。


下段は,会場で実際にプレイして撮影した画像


■可愛いだけじゃない! Rose Onlineの詳細

 もちろん,可愛いだけのゲームではない。舞台となる惑星が複数あるのにも,ちゃんとワケがあるのだ。
 韓国産MMORPGには,よく"攻城戦"という要素がある。文字通り城の奪い合いができるわけだが,本作の場合は,もっとスケールが大きい。先述したように,惑星間での戦争があるのだ(もっとも普通の攻城戦もあるようだが)。具体的な数字は聞かせてもらえなかったが,かなりの数のキャラクターが参加しての大規模な戦闘が行われるという。
 また惑星間には必ずしも戦いだけがあるわけではなく,同盟を結び交易を行うことも可能だ。惑星によって蓄積されている資源の量が違い,少なくなった資源は値段が高騰してしまうという。そこで貿易を行い,惑星内の経済を良好な状態に保つ……といったプレイヤー達による経済システムが構築される。

 画像やムービーでは,なにやら巨大なロボットみたいなものと,車のようなものが見られる。ロボットのほうは,"Castle Gear"。これは攻城戦用に作られた兵器で,キャラクターが乗り込み操縦することで,凄まじいパワーを発揮するという。
 車のほうは"Cart"と呼ばれている。このCartもCastle Gearも,それぞれ四つ程度のパーツの組み合わせで構成されている。そう,パーツを交換することで,これらの能力をUpさせることができるのだ(Jong氏はチューニングシステムと表現していた)。
 また本作には,ほかにもさまざまな搭乗可能なマシンが存在するようだ。

 さらには,地位の高いNPCによって率いられたユニオン(例えるなら,"ギルド"の大規模なもの)に加入することで,政治的な権力などを得られるといったシステムや,プレイヤー達の行動によって変化/発展していくクエストシステムなど,本作の特徴はまだまだ挙げられる。可愛いだけじゃないでしょう? ……と,Jong氏。

下段は,会場で実際にプレイして撮影した画像


■一応基本的なところも

 Jong氏は本作の売り込みに熱心で,本作の特徴ばかりを話していた(まぁそれが仕事だろう)。とはいえ,やはり基本的な情報も気になるところ。順番が前後してしまったが,最後に種族やクラスについても聞いてみた。
 まず種族について。プレイヤーキャラクターとして選択できるのは,人間のみ。ただし今後追加する予定とのことだ。

 クラスは,現段階で4タイプ12種類(ビジター除く)用意されている。ただしどのキャラクターも最初は"ビジター"で,レベル10まで成長すると,1次職に転職できる。レベル70で,さらに2次職に転職可能になる。

●1次職 → 転職可能な2次職
 ソルジャー → ナイト,チャンプ
 魔法使い → クレリック,ウィザード
 弓使い → スカウト,レンジャー
 鍛冶屋 → ブルジョア,アーチスト

 いうまでもなく,"鍛冶屋"の系統は,生産が可能である。生産ファン,ご安心を。



 なお本作は,韓国ではすでに同時接続2万人を数えたというから驚きだ(クローズドβテストなのに!)。本作の日本でのサービスについてガンホー・オンライン・エンターテイメントの広報に確認したところ,今のところは具体的なことは何もいえないとのこと。
 ただ同社とGravity社は, 「独占包括永続提携」を結んでいる。ほぼ確実に,ガンホーでサービスされることになるんじゃないだろうか。続報が楽しみなタイトルである。(Iwahama)

「Rose Online」のムービーは,「こちら」

© 2004 PUBLISHED BY GRAVITY CORPORATION. & DEVELOPED BY TRIGGER SOFT ALL RIGHTS RESERVED.

日本のメディア陣でGravity社を訪問したときにもRose Onlineについての話があったが,Jong氏に聞いたことと大半がカブってしまったので,割愛。ちなみにGravity社の1階はカプラセンターと呼ばれており,PCやイベントステージ(写真左)が無料で一般に公開されている。RO SHOP(写真右)もあり,ここは(当然)世界で一番新製品の入荷が早いとか



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http://www.4gamer.net/news/history/2004.07/20040720210234detail.html