マイクロソフトがMacintosh版のゲームに注力宣言!
2004/07/24 20:02
 2004年7月23日,マイクロソフト協賛で開催された「J-WAVE CREATIVE & COOL SESSION powered by Microsoft Office for Macintosh」は,会場の地下1階ではマイクロソフト製品の紹介やタッチ&トライコーナーが体験でき,地下2階ではSHINICHI OSAWA(MONDO GROSSO),TOWA TEI,TOSHIO MATSUURA,坂口修一郎(Double Famous)といったDJ達のプレイが堪能できるというイベントだった。

 イベントでは最初に「Microsoft Office for Macintosh」の紹介が始まり(まあこのあたりは4Gamerにとってはあまり関係ないので割愛してしまおう),次にMacintosh版の「ヘイローコンバット エボルヴ」についての発表が行われた。マイクロソフトの プロダクトマネージャーの風間彩氏が簡単なゲームの紹介を行い,Macintosh版は米国のDestineer社が移植を担当しており,Windows版を完全再現しているだけではなく,Windows版との対戦もフォローしているとコメント。これは,Windows版/Macintosh版どちらのプレイヤーにとっても嬉しいニュースといえるだろう。またヘイロー世界大会で5位に輝いたSIGUMA氏によるエキシビジョンマッチなども行われ,会場からの飛び入り参加者なども登場して盛り上がった。さすが世界5位ということもあって,ゲームを解説しながらプレイしたにもかかわらず,エキシビジョンマッチは彼の独壇場。
 また発表会の途中では,「Microsoft Macintosh Game Collection」との言葉も飛び出した。Macintoshユーザーにとっては聞き捨てならない言葉だが,読んで字のごとく,今後マイクロソフトはMacintosh版のゲームにも注力していくとの内容だ。登場するタイトルについては,現段階では教えられないとのことであったが,"コレクション"というからには多くのタイトルが準備されていることを期待したい。
 ちなみに「Microsoft Macintosh Game Collection」が決定したのは二年前のことで,なんとマイクロソフトとアップルの飲み会の席で「なにか一緒にできたらいいですね」と何気なく言ってたことが実を結んだものだそうだ。アップルコンピュータのプロダクトマーケティングを担当する服部浩氏が「実はあのときにはフライトシミュレータって話をしていませんでしたっけ?」とコメントして,場内が笑いに包まれるシーンも。



 発表会のあとはタッチ&トライコーナーでMacintosh版ヘイローを楽しむプレイヤーの姿が見られ,結構な混雑ぶり。筆者もWindows版はプレイした経験があるが,プレイした感じでは違いがまったくないどころか,Macintoshのシネマディスプレイの全画面表示は大迫力。なかでも日本でも一台しかない30インチのシネマディスプレイを使った展示は,クラブイベントを目的に訪れた人さえも足を止めて見入っていた(しかしクラブイベントも兼ねているため,訪れる人々はFPS慣れしていないようで大苦戦)。



 イベントは朝まで続き,一通りの発表が終わったあとに,Macintosh版ヘイローの移植を行ったDestineer社のゼネラルマネージャーのAl Schilling(アル・シリング)氏と話す機会が持てた。以下,彼の言葉を要約してお伝えしよう。

■プロミュージシャンからゲーム業界へ
 実は私は,ゲーム業界に入る前はプロミュージシャンとして活動していました。このときにポスター作成のためにMacintoshに触れたことが,現在の私につながったのかもしれません。ミュージシャンとしての生活は忙しく,家族と離れて生活することが多かったので,北米ツアーを最後に,私は17年間のプロミュージシャンの生活に別れを告げ,1993年にMacSoftに入社しました。
 MacSoftはWindows版のゲームをMacintoshへと移植する会社で,有名なところでは「Quake」「CivilizationII」「Duke Nukem3D」「Unreal Tournament」などの移植を手がけています。1993年から数えると,150タイトルもの移植を行ってきました。なお2003年にMacSoft社はDestineer社に買収されています。
 今回,Macintosh版のヘイローを移植したわけですが,移植には8か月程度の期間がかかりました。実はWindows版の開発中にすでにMacintosh版の移植はスタートしていたので,早くリリースできたと思います。ちなみに苦労した点は,やはりグラフィックス周りの処理で,Pixel&Vertex Shaderの再現が一番大変でした。ATIやNVIDIAとも連絡を取って新しいドライバを用意してもらうなど,彼らと密に連絡をとりました。やはりゲームはグラフィックス関連の移植が大変ですね。とはいっても最近のMacintoshは,ビデオカードもよいものが搭載されているので,昔に比べると3Dゲームは作りやすくなっていると思います。

■今後の予定
 今回マイクロソフトと組むことになって,いい関係が築けたと思います。Macintoshでのオリジナルタイトルなども興味はありますが,やはりWindowsのタイトルの移植がメインになりそうです。まだタイトルは公表できませんけど,今後は「Microsoft Macintosh Game Collection」でも,タイトルをリリースするので期待していてください。先ほどの話ではないですが,フライトシミュレータなどは3Dの処理がヘビーなので,移植は大変そうですね(笑)
 Macintosh版のゲームはニッチな市場かもしれませんが,作品を出すことによって,少しでも多くの人にゲームの面白さが伝えられたらと思います。そうしたこともあってMacintosh版ヘイローは低スペックのマシンでも楽しんでもらえるように努力もしました。PowerBook G4でもプレイできるので,ノートユーザーなど,多くの人に楽しんでもらえると思います

 話ができたのはかなり短い時間であったが,彼のMacintoshユーザー/タイトルに対する愛情を感じることができた。彼自身もゲームはプレイするそうで,とくにFPSが好きであるそうだ。「Halo」はもちろん,「Unreal Tournament」なども結構遊んでいるらしい。
 なにはともあれ,ゲーム業界から見てもMacintoshのゲームが充実するのは嬉しいことだし,今回のヘイローのようにWindows版との対戦などをサポートしてくれるのであれば,どちらのユーザーにとっても歓迎すべきことだろう。2004年1月にヘイローの大会が開催されて,そこではPC版とXbox版の上位プレイヤーによるエキシビジョンマッチなども行われたが(「こちら」のNews参照),Macintosh版のゲームが充実してくれれば,PC版/Xbox版/Macintosh版の三つ巴の戦いなども行われるのかもしれない。「Microsoft Macintosh Game Collection」の今後の展開には,ぜひとも期待したいものだ。(Murayama)

■マイクロソフト ヘイロー コンバット エボルヴ Macintosh 版
発売日:2004年秋
価格:未定

動作環境
OS:日本語版 Macintosh OS X バージョン 10.3 以上 (最低 10.2.8 以上)
CPU:Power PC G4 / G5 1.25GHz以上
メモリ:512MB以上
ビデオメモリ 64MB以上

推奨ビデオカード
GeForce FX 5200 Ultra
Radeon 9000 Pro
Mobility Radeon 9700
Radeon 9600 XT

動作ビデオカード
GeForce FX Go5200以上
GeForce4 MX以上

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