2004/08/25 22:11 |
"生物工学で潜在能力が高まり,特殊なスキルを習得した主人公"と聞けば,Eidos社からの発売され,大反響を得た「Deus Ex:Invisible War」を連想するだろう。今回ヨーロッパで初めて公開された同社の「Snowblind」も,Deus Exと同様に生物工学を扱っており,派手なヘビーロックをバックに非常に速いペースで,ビルなどを破壊しながら進んでいくタイプの痛快なアクションゲームに仕上がっている。 ちなみに開発元のCrystal Dynamics社は, 最近では「Blood Omen 2:Legacy of Kain」などをリリースしている。長らくEidos Interactive社との提携でリリースしてきた同社だが,本作が初のミリタリー系アクションゲームとなる。
さて,本作において,プレイヤーは1人称および3人称視点でキャラクターを操作し,近未来のパレスチナや中国の内戦を食い止めるべく,世界を転戦する。 ミッション内容は,単に目の前の敵を撃ち殺していくだけの"Total War"と,ステルスを駆使したり策略を巡らせたりしつつ進んでいく"Intelligent Attack"の2種類。プレイヤーには,数人の「フレンドリー」と呼ばれる仲間が追随しており,チームとして協力しながら,立ちはだかる敵を一掃していく。
"生物工学でパワーアップした主人公の率いる4人のスワットメンバー"という設定や,ビジュアルの雰囲気が「Deus Ex:Invisible War」と酷似しているが,それもそのはず。実はSnowblindは,ION Storm社の「Flashエンジン」を使用して制作されており,ゲーム内容も,"Deus Exをアクション部分に特化させればどうなるか"というコンセプトで,ウォーレン・スペクター(Warren Spector)氏の了承を得て開発されているのである。
本作に登場する武器は24種類。武器はアップグレードでき,ショットガンなどは改造することで発射後に地雷となるを弾丸を撃てるようになる。なかでも,「フィレチェット」と呼ばれる百匹ほどの"蜂のような小型機器"を発射する兵器が一番カッコイイ。 この放たれた蜂は,誘導センサーによって敵に向かって突撃する。基本的には対象者が死ぬまで攻撃し続け,さらに敵がいれば方向を変えて飛行していくのだ。この群れをいくつも放っておけば,プレイヤーの目の前で勝手に敵がバタバタと料理されていくという寸法だ。
"改造"はプレイヤーキャラクターに対しても同様に行え,Deus Exさながらに生物工学によって特殊能力が得られる。今回のデモで紹介されたのは赤外線を使った透視能力で,壁の向こう側にいる人物をいち早く探知して,レイルレーザーで遭遇することなく射殺するシーンが見られた。そのほか,ナイトビジョンや体から電気を発動するパワーといったある意味基本的な(?)特殊能力もある。
さらに,本作でも,キャラクターの特殊能力として"バレットタイム"ライクな「SlowTime」というモードが存在する。SlowTime発動中は,敵のキャラクターはおろか,敵の放った弾丸よりも速く動け,手榴弾をキャッチして相手に投げ返すなどの芸当も可能。大量の手榴弾をまとめて投げつけ,おもむろにSlowTimeを解除して花火大会のような壮大な爆発を作り出すなんていうのもありだ。
また多くの建築物や橋などオブジェクトは,プレイヤーの火器で破壊することができる。事前に開発者によってスクリプト化されたイベントもあるが,プレイヤーはロケットランチャーで壁を破壊し,行き止まりだった場所に新たな道を作り出すなど,行動はある程度自由自在だ。
さて今回のデモはXbox版だったので,PC版におけるグラフィックスのクオリティは評価が難しい。しかし, 暗がりやネオンサインの光源処理が見事で,高解像度のテクスチャを駆使した作品なのは間違いない。さすがはDeus ExのFlashエンジンといったところだ。物理処理や音楽面でもソツはなく,デスマッチやチームデスマッチなど最大16人までの対戦ゲームを楽しめることになりそうだ。(奥谷海人)
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