2004/09/07 23:48 |
「EverQuest II」(以下,EQII)は,3D MMORPGの金字塔,現在のMMORPGジャンルの草分けとなった「EverQuest」の続編にあたる。EQIIは,バックストーリー上では前作の500年後という設定になっており,街はもちろんのこと,地形までも大きく変化している。つまり前作を骨の髄までプレイしつくしたという人でも,新鮮な気持ちでプレイできるのが魅力だ。 ちなみにアメリカ版もまだβテスト初期の段階なために,以下の情報は最終決定したものではないことをあらかじめお断りしておく(インタフェース周りなども,週単位で変わっているとのこと)。また,E3での同氏のインタビュー(「こちら」)も参照してほしい。
それにしてもEQIIの情報出ないね,と話をしていた,台風16号で大荒れの天気となっていたある日。スクウェア・エニックスを訪れていた当サイトは,フト思い立って日本の「EverQuest II」のプロデューサーであるSage Sundi氏に連絡,たまたま日本にいた氏をつかまえて話を聞くことができ,同時にこっそり動いているEQIIを見せてもらえた。 しかし,部屋に入るなりいきなり宣言されたのは"まだ情報は出しちゃダメよ"という先制パンチ(仕方ないけれど)。そしてそのあと見られたのは,なんと日本語が表示されているEQIIだった。しかも予想をちょっと(いい意味で)裏切られる形で仕上がりつつあるもの。あまりにも開発途中すぎるということもあるだろうが情報規制は厳しく,詳細情報は何一つ公開することは許されなかった。しかしあと数日でじわじわと情報公開されていくとのことなので,もう少しだけ待っていてほしい。現段階では,「日本語って,普通に字幕で下に表示されるのだとばかり思ってました」とだけ述べておきたい。
……でもなにか現段階で出せる情報はないかとお願いしたところ,公開OKになったのは,いわゆるEmote(感情表現)について。 EQIIは,その美しいグラフィックスがウリの一つとなっているが,MMORPGで必要不可欠といえるEmoteも豊富に用意されており,プレイヤー間のコミュニケーションを手助けしてくれる。
いまどきEmoteが用意されているMMORPGは目新しくもないが,EQIIのEmoteの数はなんと100種類以上。Dance(ダンス)のEmoteのように動作時間がやたらに長かったり(10秒くらい?),Wave(手を振る)やBow(お辞儀)だけでも数種類用意されていたりと,バラエティ豊富になっている。インタビュー時に見られたのはOgre(オーガ)だったので,基本的にどの動作でもどことなくコミカルではあったのだが,体中をむず痒がってかき回す動作やバイオリンを演奏する動作など,一体どんなシチュエーションで使うのか悩むEmoteもたくさんあった。 またこれに関連してか戦闘アクションも,E3時点よりはるかに派手に動き回り,エフェクトなどもガンガン出るようになっていたのが特筆すべき点だろう。戦闘状態になる抜刀アクション,剣や短剣を切り下ろすアクションなどモーションも大幅にリファインされており,ブラッシュアップは着実に詰めの段階に入っているようだ。個人的には,"攻撃が当たっている感じ"がまだまだ薄い気もしたが,それは先代EQも同じ。リリースまでには修正されるかもしれないが,微妙なところだ。 家システムや生産システムなども実際に見せてもらえたのだが,そちらも「現時点では一切公開NG」とのことなので,また次の機会に。どちらも結構良く出来ていたので,期待大。
実際に動いているβ版を前に説明をしてくれるSage Sundi氏。その圧倒的なグラフィックスは,いままで画面写真や「メーカー提供のスクリーンショット」「メーカー提供のムービー」でしか見られなかったわけだが,いま動いているβ版を見る限り,クオリティはほぼあのまま。さすがにマシンパワーは強烈に食うが,1年もすれば,まともに動く環境が整うのではないだろうか
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現物を見ながら話を聞けたので,マシンスペックについての情報も記しておこう。 EQIIは,その見た目から高スペックを要求するタイトルに思われているが,それはほぼ間違いない模様。Sundi氏によると3年後でも通用するグラフィックスで開発が行われているので,リリース時は高スペックが必要になるのは致し方ないとのこと。しかしオプション画面を見せてもらったところグラフィックス品質は数段階用意されており,最高クオリティにさえしなければ,いまの平均をやや上回る程度のマシンスペックでも,ある程度快適に動作するらしい。大幅なコーディングオプティマイズが入る前の初期β段階での話だし,製品版ではもう少し障壁が下がることに期待したい。 インタビュー時のマシンは,CPUがPentium4/3GHz,GPUがGeforce FX 5950,メモリ512MB,グラフィックス品質は上から3番めというスペック/設定だったが,ところどころ"引っかかる"感じとなっていた(ちなみに,現状最高スペックのマシンでも最高クオリティでは満足に動かないだろうという,自作派ユーザーにとっては挑戦的なゲームだ)。3番めとはいえ十分なクオリティだったので,あまり気にするところでもないかもしれないが。ちなみにSundi氏によると,ビデオカードもさることながらメインメモリが重要に思える,とのこと。EQII待機中のプレイヤー諸氏は,メインメモリをMaxにしておくとよいかもしれない。
編集部スタッフ3名で,しげしげと動いているEQIIを見ていたのだが,3人がほぼ同じく思ったのが「ゲームプレイの雰囲気が,World of Warcraftに結構似ている」という点。SOEとBlizzard,会社は違えど一流の開発者達は,やはり同じ方向を見据えて同じように進んでいくのだろうか。「コアプレイヤー仕様」であった先代EQからその姿を大きく変えたEQIIは,名前と世界観を引き継いだ別の作品になっているといっても過言ではないかもしれない。 日本語ローカライズの進行度を聞いたところ,「翻訳はテキストベースで約30%が終了し,全体の進行は25%くらい」という回答が得られた。情報こそまったく出てこないものの,それなりには進捗しているようだ。 また,あくまでもSundi氏の"希望"に過ぎないが,「SOEのStationの機能が日本語版でも問題なく使えるようにしたい」という話も聞くことができた。これが実現すれば,サーバー間キャラクター移動などがサポートされることになるので,アメリカ版をプレイしてから日本版にキャラクターを移して……というのも可能となるのかもしれない。むろん現状ではあくまでもSundi氏の希望に過ぎないし,キャラクター移動に関してもそこから導き出される一方的推測に過ぎないが,一プレイヤーとして,純粋に注目したい。
ともあれ,MMORPG界で大きな期待が寄せられているタイトルとして,十分なポテンシャルを持っていることを再確認できた今回の押しかけインタビュー。9月10日あたりから,日本語版について新しい情報が続々と公開される予定らしいので,期待して待っていよう。 また,東京ゲームショウに合わせてSOE本家から大物が来日するとの情報も得た。その人からもなにがしかの情報が得られると思うので,そちらもお楽しみに。(Seal)
→「EverQuest II」の情報一覧は「こちら」 →「EverQuest II 日本語版」プロデューサーSage Sundi氏インタビューは「こちら」 →「EverQuest II」のE3 2004でのゲームシステム概要は「こちら」 →「EverQuest II」のGC2004でのゲーム紹介は「こちら」
EverQuest is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in the United States and/or other countries. (c) 2004 Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved.
いままでのEQの世界観がどのように変わってるかを見るのも,古いプレイヤーにはちょっとした楽しみ。一番左の画面など,どこのものと書かれているわけではないが,"草原+象"という組み合わせからして,おそらくはSouth Karanaか
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