2004/11/05 15:10 |
3Feelプロデューサー
Bang, Jung Hwan(バン ジョン ファン)氏
30歳。コンピューター関連業界で働いていた数年前,ビジネスの勉強のために渡米。アメリカの某IT企業でオンラインコンテンツ企画業務に携わったのちに韓国に戻り,3Feelの開発プロデューサーという重責を引き受けたという
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Kimの韓国最新PCゲーム事情 特別編
セックスをテーマとしたオンラインゲーム「3Feel」開発者インタビュー(2004/11/5)
Text by Kim Dong Wook特派員
※この記事には,一部未成年にとって好ましくないと思われる性的な表現が含まれています。18歳以上の方で,かつそのような表現を不快に思わない方のみご覧ください。
毎日毎日,競争が激しくなっていくオンラインゲーム業界。ファンタジー,現代物,武侠,SFなど,絶えず新しいテーマを掘り起こしてはオンラインゲームの素材として使われていたが,ほぼ出尽くした感のある今となっては,目にするオンラインゲームはどれも似たようなテーマを持っているように思える。 そんな中,誰もが一度は想像したものの,実際には試みられなかったというテーマ――おそらく人間の本来備えた欲望を一番正直に表すテーマ――が,セックスである。
韓国の小さな開発会社であるCM-NET社が,社会的なさまざまな障壁/規制を乗り越え,海外市場をターゲットにしてセックスをテーマにしたオンラインゲームを開発中というNews(「こちら」)は,この6月に4Gamerでも報道したが,今では全世界的にオンラインゲーム業界の大きな話題となってしまっている。 それ以降,長らく新しい情報が入ってこなかったこの「3Feel」は,果たしてどんなゲームなんだろうか? 4Gamerは,世界中のメディアの中で初めて,同作のプロデューサーへのインタビューに成功した。プロデューサーが語る3Feelの今を,自分の目で確かめてほしい。
■セックスオンラインゲームとは,一体どんなゲームなのか?
4Gamer: こんにちは,本日はよろしくお願いします。3Feelに関しては,4Gamerでも記事にしましたが,かなり話題となっています。誰もが関心を持っている"セックス"という素材を使ってオンラインゲームを作るというのだから,話題になったのは当然でしょう。しかしその後,なかなか新しい情報が公開されず,やきもきしている人も多いようです。
Bang氏: そうですね,そろそろ詳しく話してもいいころかもしれません。まずゲームの進行についてですが,基本的には,誰でも簡単に楽しめるように設計しています。これまでオンラインゲームを遊んだ人にもプレイしてほしいですからね。 既存のカジュアルオンラインゲーム,もしくはアバターを利用したチャットサイトのように,ルームを作成したり,ロビーでチャットして気に入った相手の作ったルームに入ったりして,ゲームをプレイすることになります。
4Gamer: なるほど,そういうシステムですか。では,その後のゲームの流れはどうなるんですか?
Bang氏: ルームを作成するときは,自分の気に入る空間,つまり一般的なゲームでいうマップを選択します。マップといってももちろん広い空間ではなく,そこはやはりルーム(部屋)という言葉のほうが分かりやすいでしょうね。カップルはそのマップ内を歩いたりしながら,相手とチャットを楽しみます。その後は,現実でのデートと同様に,愛撫の段階へつながっていきます。 そして本格的な"セックス"が始まり,カップルはクライマックスに到達するようになるのです。
4Gamer: 段階的なことは理解できたのですが,細かいところでイメージできていません。例えば愛撫をするというのは,具体的にはどういうことなんでしょうか。相手の身体のあちらこちらを,無条件にタッチするわけですか?
Bang氏: いや,そういうわけではありません。ゲームを開始する前に自分のキャラクターを作成する必要がありますが,そのとき,現実の自分が"感じやすい"体の部位を,指定しなければなりません。それによって,ゲーム中に相手が自分の設定した部位を愛撫してくれれば,キャラクターの興奮度が上昇します。またプレイヤーも,おそらく等しい感覚を得られるのでは……というわけです。
4Gamer: ほかにも何か,キャラクターに設定できる項目はありますか?
Bang氏: 現時点ではすべてを公開できませんが,例えば好きな体位を選択可能です。これも相手とのセックス時に,自分の好み通りの体位であるほうが好感度や満足度などの数値が上がりやすいわけです。
4Gamer: なるほど,大体どのようなゲームなのか分かってきました。ところで先日公開された女性キャラクターの顔グラフィックス(画像参照)を見ると,かなり詳細に作られているようですが,ゲーム内でのセックスの表現も,すべて3Dグラフィックスで表現するのでしょうか?
Bang氏: ハイポリゴンによる3Dグラフィックスを利用しているため,リアルさはあるものの,セックスシーンにおいては,ときどき,……うまく表現できないのですが,なんだか気まずい映像になってしまうことがあります。そのため我々は,クライマックスの瞬間など,特定の状況を演出する場合にはウインドウを出して,そこで2Dアニメーション風のイメージを出すようにする予定です。
4Gamer: しかし2Dアニメーション風のイメージでは,リアルなセックスを求めるプレイヤーには不評になりませんか?
Bang氏: 我々はそうは思いません。いくつかの難解な体位では,3Dグラフィックスでは直感的に分かりにくいし,緻密な描写が難しいと判断しました。そこへ誰もが見慣れた2Dアニメーションを組み合わせることで,その表現を分かりやすく伝えられるのです。
4Gamer: 成人向けのアニメーション的なものが挿入されるというわけですね。
Bang氏: 現時点までで,各キャラクターごとに40種類以上の2Dアニメーションによるシーンを作成しました。2Dグラフィックスは,キャラクターの表情,体の特定部分の拡大,感情の表現,そして今後の展開への期待感を表現するのにも使用しています。
■メインとなるセックスシーンについて
4Gamer: さて,キモであるセックスシーンについてもう少し具体的に教えてください。プレイヤーは何をすれば良いのでしょうか?
Bang氏: インタフェースに"バー"があり,そこには常に左右に動いているハートアイコンがあります。このハートがバーの中央に来たときに,キーを押すかマウスクリックするんですよ。周期的な動きの中で,そのポイントを的確に押していくことで,行為がスムースに進むわけです。 ゴルフゲームのショット用のバーを思い浮かべてもらえば分かりやすいかもしれませんね。
4Gamer: 3Feelが"上手"なプレイヤーなら,タイミング良くクリックすることで,うまく相手に満足感を与えられる,ということですね。では次の質問です。3Feelには,何か特別な外部デバイスが必要だと聞いたことがあるのですが。
Bang氏: ええ,外部デバイスには対応していますが,必要というわけではありません。例えば,サイバーセックスにもっと没入するための補助道具として,バイブレータやWebカメラを用意しています。
4Gamer: うわ。それはまたずいぶん直球勝負のアプローチですね。
Bang氏: すでに販売されている,男性用および女性用のUSB接続バイブレータに対応していて,ゲームのプレイ中に,自分の体でもキャラクターの感じている興奮を味わえるようになっています。ちなみに我が社は,このバイブレータの動きをオンラインゲームと連動させる技術で,全世界で特許を出願しています。
4Gamer: さらにWebカメラもある,と。
Bang氏: はい。先ほども話したようにWebカメラがなくてもゲームをプレイできますが,相手の顔や特定の部位を見ることで,より大きな満足感を得られるはずだと思います。
4Gamer: いろいろとユニークなシステムを用意してるんですね。ところで,3Feelのゲームエンジンは何を使っていますか?
Bang氏: 現在韓国でサービス中のとある人気MMORPGのエンジンを,3Feel用に改良して使用しています。ただ対外的なイメージもあるので,そのMMORPGのタイトルは明らかにできません。
4Gamer: 確かにそれはあるかもしれませんね。まぁ,すでに稼働中で人気を得ているMMORPGのエンジンを使っているのであれば,十分安心できますね。
■そのほか気になる部分を一問一答
4Gamer: 少し時間が押してきたので,ここからは一問一答形式でいきます。少し話が戻りますが,ルームで選択できる空間について教えてください。
Bang氏: 一般的なゲームでいうところのマップ,つまりカップル用の空間は,現在ホテルのBeach Pool,林の中のベンチ,地下鉄の電車内の3種類を用意していて,今後もプレイヤー達の要望を聞きながら,雰囲気のある空間を継続的に追加していくつもりです。
4Gamer: では,キャラクターについて教えてください。
Bang氏: 現時点では,個性溢れる8人のキャラクターを用意しています。内訳は,男性キャラクターが3人で,女性キャラクターが5人ですね。また服装はキャラクターごとに3,4種類ずつあり,そのほかに指輪やイヤリング,ネックレスなどのアクセサリや,下着があります。 とくに女性用ランジェリーに関しては,世界の有名デザイナーによる作品に勝るとも劣らない,非常に素晴らしい下着をたくさん用意していますよ。
4Gamer: 指輪などのアクセサリまで用意してあることからも,グラフィクスの緻密さが分かりますね。
Bang氏: グラフィックスは,とくに注意を払っている部分ですね。以前の記事(「こちら」)でも書いてもらったように,有名なポルノ俳優の動作をモーションキャプチャして使っているほどです(下の画像参照)。体位や愛撫などのモーションを200種類以上作成していて,よりリアルな愛撫表現のために指の動きまでも細かくキャプチャしていますよ。
4Gamer: 3Feelのビジネスモデルはどうなっていますか?
4Gamer: サービスする地域ごとに違い,現地のパートナー会社と協議しなければならない部分ですが,基本的には会員への定額課金や,アクセサリなどの販売を通じた課金,そしてマップ上での広告収入といったものを考えています。 また,ゲームプレイ後に自動的に作成されるムービーファイルによる,2次受益モデルも可能ですし,バイブレータの販売も可能でしょう。 サービスする地域の状況に合わせてさまざまなビジネスモデルを構築できるように,ゲーム自体も設計しているんですよ。
4Gamer: サービススケジュールと,ローカライズについて教えてください。
Bang氏: この11月中に初期バージョンを仕上げる予定で,2004年末から2005年初頭にかけて,オファーがあった世界中の会社と現地サービスの協議と契約を行う計画です。 それぞれの地域で,最も円滑にサービスを行えるパートナー会社を見つけることが重要だと考えています。各国ごとに文化が違うため,簡単に行えるようにローカライズシステムを最適化しているので,2005年中にはさまざまな地域でサービスが行われているでしょう。
4Gamer: では最後に,4Gamerの読者に対してひと言コメントをお願いします。
Bang氏: "成人向け"の文化を隠し,規制しようとばかりする韓国に比べて,日本には開放的な環境があり,非常にうらやましいです。3Feelはオンラインゲームの黎明期といえる日本でも,新しい成人向けの文化として根付くことと,オンラインゲームの市場拡大ができるように努力していきます。ぜひご期待ください。
4Gamer: ありがとうございました。期待していますね。
モーションキャプチャの模様
※俳優の顔部分は加工しています
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→「3Feel」の記事一覧は,「こちら」
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