― 連載 ―

 「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」(以下,SWG)は,壮大なスター・ウォーズの世界の中に飛び込み,そこでの生活を楽しめるMMORPGだ。SWGは,プレイヤーはほかの大勢のプレイヤー達と共に,スター・ウォーズの登場人物となったような気分が楽しめるのである。
 このSWGの完全日本語版が発売されるという情報が届いたのは,2004年8月のこと。開発はハイペースで進められ,11月17日からはβテストが行われる。この試験運用を経たのち,12月23日に正式サービスが開始される。
 本連載では,完全日本語版のスタートまでSWGを我慢している人達のために,SWGではどのような"スター・ウォーズ気分"が味わえるのかを紹介していこう。


 多くの魅力的な人物やドロイド,クリーチャー,兵器などの存在は,スター・ウォーズの魅力の一つだ。しかし青年期のアナキンとルークが並んでしゃべっていたら,誰でも興醒めしてしまうだろう。
 SWGでは,ルークやレイアが組する反乱同盟軍が,ヤヴィン4の戦いで(第1)デススターを破壊した時代を生きることになる。映画でいえば,第1作(エピソードIV:新たなる希望)と第2作(エピソードV:帝国の逆襲)の間の時期だ。


 ゲーム内の各要素は,すべてこのバックグラウンドに合わせて設定されている。とはいうもののエピソードIV,Vに出てきたものしか見られないわけでもない。エンドアに行けば,まだルーク達と出会う前のイウォーク達が見られるし,ナブーに行けばシードの宮殿を目にすることもできる。通商連合のメンバーとのいざこざに巻き込まれることもあるかもしれない。
 この時代は,帝国軍と反乱同盟軍の間の緊張状態が高まっている時期であり,ジェダイは極めて数が少なく,また命を狙われる存在であるということを覚えておくと,感情移入がしやすいだろう。


 この時代には,銀河帝国と反乱同盟軍は非常に激しく対立している。依然,優勢なのは帝国側。主要な町ではストームトルーパーによる検閲が行われ,空を見上げればスターデストロイヤーの船影が確認できる。反乱同盟は酒場の地下や秘密基地などで,ひっそりと活動を行う状態だ。
 映画の中では主人公の属する反乱同盟軍の活躍が目に付くが,実際の世界情勢はこのようになっている。映画では見られない現実を体感できることは,SWGの大きな魅力といえよう。

 この対立構造の中で自分がどのように振る舞うかは,プレイヤー自身が決められる。ただの一市民としてどちらにも荷担せず暮らすこともできるし,どちらかの勢力に加わり,戦乱の中に身を投じることも可能だ。軍に所属しなければ戦闘行為が行えないというわけではなく,手ごわい野生のクリーチャーや攻撃的な組織を相手に,戦闘のプロフェッショナルとして生きる道もある。

 軍に所属するメリットは,その勢力オリジナルのアイテムがもらえること。与えられるミッションをこなしてポイントを貯め,アイテムと交換する仕組みだ。反乱同盟軍であれば特別なバックパックや衣類,帝国軍であればストームトルーパーのアーマーなどが入手できる。
 また,帝国の場合は軍内部での地位を上げることで,強力なAT-STを護衛として借り受けることも可能になる。反面,軍属となると特定の条件下で敵対勢力のプレイヤーに攻撃されるなどのデメリットもある。


 スター・ウォーズ・サーガに登場する有名人物は,SWGの中にもNPCとして存在する。この世界のどこかでルークにレイア,ハン・ソロといった旧三部作の主要人物達が生きており,彼らには実際に会いに行ける。ほかには旧三部作すべてに登場したX-Wingパイロットのウェッジ,エピソードVIで第2デススターの破壊作戦に関わった反乱同盟軍の指導者モン・モスマなども用意されている。
 もっと通好みなところでは,エピソードIでポッドレースの応援をしていたアナキンの幼なじみキットスター(大人になっている),エピソードVで帝国軍が惑星ホスの反乱同盟軍秘密基地のシールドジェネレーターを破壊するとき,AT-AT部隊の指揮を執ったヴィアーズ将軍(この時代はまだ大佐)などにも会える。
 映画にとどまらず,小説やマンガで展開した拡張ストーリーの登場人物も存在する。この先ルークと共に冒険をくぐり抜け,やがて結婚することになるマラ・ジェイドなどだ。

 こういった有名キャラクターにすぐに会えるかといえば,そうではない。すぐに会える場所でくつろいでいる者もいるが,一般人がベイダー卿にお目通り願うには,当然それなりの手順が必要になる。また,帝国が血眼になって探している反乱同盟軍の重要人物は,人目に付かない場所に潜んでいるはずなので,出会うまでにそれなりの苦労が必要になるだろう。


 SWGでは,自分のキャラクターをジェダイにすることが可能だ。すべてのプレイヤーキャラクターはジェダイになれる可能性を持っている。
 ただし,フォースを感じ取り,パダワンとなり,そしてジェダイナイトの道へ足を踏み入れるには並大抵ではない努力が必要だ。日本サーバーに初のプレイヤージェダイが現れるのは,サービス開始から1年近くが経過してからではないかと筆者は推測している。

 プレイヤーキャラクターは,SWGの世界の中でさまざまな経験を積んでいくうちに,少しずつフォースの存在を感じ始める。その感覚が確かなものとなったとき,プレイヤーの前には謎の人物が現れ,ある依頼を置いて去っていくらしい。
 その後,身に降りかかる火の粉を払いつつ人々の声に耳を傾けていくと,一般の人々には習得できないスキルを身につけられるようになるという。そのスキルには「より上手に物をつくる能力」「よりうまく戦う能力」「より手際よく傷を治療する能力」など,今持っている能力をより高めるためのものが揃っている。レイアがそうであるように,ジェダイではなくともフォースを内面に感じることで,一般の人よりも少し優れた力を発揮できるようになるのだ。
 このまま優れた能力を持った市民として生きる道もアリだが,フォース関連のスキルを伸ばし,果てしないジェダイへの道へ足を踏み入れるという選択もある。もしジェダイになれたとしても,ある意味それは入り口に立っただけで,そこからまた次の修行が始まる。ジェダイは賞金稼ぎや帝国から狙われる存在であり,生き延びるにはさまざまな工夫や知恵が必要になるだろう。


 SWGではジェダイのレアリティが保たれており,数少ないジェダイの一人になれれば喜びは格別だろう。SWGにはさまざまな遊び方が用意されており,ジェダイになることだけが全プレイヤーの最終目標とならないように,この作品はデザインされているのである。


■■星原昭典(ライター)■■
「編集者を驚かせてやろう」として,いきなり膨大なテキストの原稿をあっという間に書き上げて送ってくるという,お茶目なライター。その作業スピードに驚くというより,「そんなことをわざわざするライターがいる」ということにビックリ仰天である。


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※スター・ウォーズ ギャラクシーズ完全日本語版βテストの模様は,エレクトロニック・アーツ株式会社の承認を得て掲載しています

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