タイトル
ジャンル
開発元
販売元
実勢価格
発売日
PC版発売日
DRIV3R(北米版)
:アクション(ドライビング)
:Reflections Interactive
ATARI
:5800円(税込)
:2004年6月21日
:2004年9月20日
※日本国内では未発売
※日本語版Xboxで動作可
※Xbox Live対応


 今回から突如スタートすることになった新コラム,「ハンドリングXbox」。PCゲーマーが気になる新作タイトルを国内,海外問わず毎週1本ピックアップしては,ギタギタのバラバラの木っ端微塵に解剖していくぞ。問題は,国内での発売タイトルが1か月に4本もない月が結構多いということが,まぁなんとかなってくれるといいなぁ。
 レビュワーはこの人。10分に1回は襲い来る人生の危機を,すべて己のドラテク1本で乗り切ってきたと豪語する編集部一のドライバー,Gueed。彼が今回挑戦するのは,全世界1200万本以上のセールスを記録するATARIの「DRIVER」シリーズ最新作だ。このバケモノ級タイトルを,Gueedは一体どのようにハンドリングしようというのか?


 筆者の一日は,ドラテクに始まりドラテクに終わるといっても過言ではない。そんなこんなで始まったXbox連載の記念すべき第1回は,6月21日にATARIから発売された,ちょっぴりクライム感のあるハードボイルドドライブゲーム「DRIV3R」をハンドリングしてみたい。

HDRレンダリングを利かせたシーンが印象強い本作のグラフィックスだが,クルマの破壊状況を処理する物理エンジンにも注目。ボディの強度がやたら弱かったりとやや演出過剰気味だが,ビジュアルの効果は絶大だ
 本作「DRIV3R」("ドライバー"と発音する)の舞台は,フロリダ州南端に位置するアメリカの代表的なリゾート地"マイアミ"。プレイヤーは,国際的な自動車窃盗団「South Beach」に潜入捜査を行う,FBIのエージェントTanner,通称"The Driver"に扮して,表向きは組織のために結構な悪事を働きつつ,最終的には組織の摘発を目指すことになる。
 操作は一人称および三人称視点で行われる。キャラクターは歩いたり車を運転したり,銃撃戦に精を出したり,組織の構成員や本来味方のはずのパトカーと,激しくカーチェイスまで行うことになる。いろいろな影響からか,マイアミってのは実に悪そうな土地である。

 さて,ストーリーモードを開始して数十分で,激しい既視感に襲われる。本作はグラフィックスやキャラクターの移動方法,路上を歩く人々を無差別に攻撃できるクライム性,車やバイクといった多くの乗り物の活躍といった具合に,コンセプトからゲームシステムまで,実にあのGTAにソックリ仰天! ちなみにDRIV3Rの主な要素は以下の通り。

  • 舞台がリゾート地
  • とっても悪い人達が主な登場人物
  • 収録音楽やアフレコは現実の著名な曲&有名人
  • 乗り物が頻繁に登場する(強奪も可能)
  • ストーリーとは無関係の場所へ寄り道可能
  • 銃撃戦が結構アバウト(ただ難度はこちらがやや高め)
  • 町並みを忠実に再現していて,クルマで流しているだけでも楽しい
  • クルマを壊しているだけで楽しい
  • 一般人を撃っているだけで楽しい
  • 警官を撃つともっと楽しい
……となってしまう。なんか非常に気まずい空気が漂ってきた。

 だが結論からいうと,DRIV3Rは「GTAのパクリ」ではない。というのも,本作やGTA3に見られる"自由度"と"乗り物"を主軸にしたゲームシステムを世に送り出したのは,このDriverシリーズのほうが先なのだ。GTAシリーズが今現在のスタイルとなったのは"3"からだし,日本では知名度の点においてGTAに水をあけられているものの,「やっぱDriverだよね」と通ぶったほうが世間的にはかっこいい。

ミッション間に挿入されるデモは,すべてプリレンダリングされたもの。今となっては美しくて当たり前(?)ともいえるが,個人的には,無理矢理リアルタイムで見せる必要はないんじゃないかと

ある程度AIM能力を問われる銃撃シーンも。実は通常のFPSタイトルとは異なりキャラクターの足の位置が掴みづらいので,一人称視点より三人称視点のほうがプレイしやすかった

 じゃあそろそろ,DRIV3Rならではのウリを見ていこう。その最大のものは,ズバリ"乗り物"へのスポットの当て方だといえる。
 DRIV3Rのモード構成は,ストーリーモードの「Undercover」とクイックドライブモードの「Take A Ride」「Driving Games」となっていて,前者ではアクション&カーチェイスで構成されるストーリー&ミッションを,後者では本作に登場する70種類以上の車種を用いた,ピュアなドライブゲームを楽しむことができる。
 "ピュアなドライブ"といっても,収録されているゲームは"銃撃しながら敵車を追いかけて破壊する"というストーリーモード同様の物騒なものから,道路に設置されたコーンをひたすら倒し続けるといった,ある意味スポーツライクなものまでさまざま。しかも乗り物はスポーツカー,セダン,トラック,バスといったクルマだけでなく,バイク(Driverじゃないけど),果ては船(Driverじゃないけど)までという徹底ぶり。レースゲーム同様,リプレイが保存できるのもマル。クルマのディテールはこれ以上ないくらい細かい。二度と同じ壊れ方は起こらないという,破壊時のダメージマップは必見だ。

 潜入操作にも関わらず,思った以上に組織の悪に手を染めていく主人公と,物語のキモとして登場する"美人・冷酷"という二大条件をクリアした組織の頭「Calita」とのやりとりなど,面白そうな気がしてならないストーリーを堪能するには結構な英語力を必要とする本作。まあ細かいストーリーを気にしないなら,ミッション内容の理解にはさほど苦労はしない。暴力に飢えたドライバー諸君は,ぜひマイアミで張り切ってもらいたい。


本作はドライブシーンだけでなく,通常のキャラクター移動部分や銃撃戦など,どんなミッションでも丸ごとセーブデータとして保存が可能。エディット機能を使えば,バレットタイムライクなスローモーションやブラー処理といった演出も,ムービーに組み込むことができる

DRIV3R (c) 2004 Atari, Inc. All rights reserved. Created and developed by REFLECTIONS Interactive Limited, an Atari Studio. All trademarks are the property of their respective owners. Manufactured and marketed by Atari, Inc., New York, NY.

■■Gueed(4Gamer編集部)■■
かつては編集部イチのワンパク青年であったが,そろそろ年も年だし,青年と呼ぶには抵抗が出てきた。思いつく限りの金融から融資してもらっているため,すぐ借金をネタにされる。最近は本連載のためにJCBのお金でXboxを購入。

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