ついに「ハンドリングXbox」の連載をスタートさせた,真の目的を果たすときが来た。この記事は,「Halo
2」Xbox版を発売と同時に取り扱うために立ち上げられた企画だったのである。「どれほど敵の大群を延々倒し続けるシーンが長くても,ハンドリングしてみせる」と豪語するGueedは,万感の思いを込めて今回の記事に挑む。
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今年(2004年)の11月はとっても忙しい。PCゲーム業界を見れば,あの「Half-Life 2」が出るだの出ないだの出ただのとまた騒いでいるし,コンシューマ業界でも「ドラゴンクエストVIII」が発売するとかで(予約済み)大賑わいだ。思春期真っ盛りの中学生なんかだと,貯金の使いどころにたいそう頭を悩ませていることだろう。この数千円でゲームソフトを買うか,それとも冬物のコートを買うか――。その後の人生を決定付ける,実に大きな問題だ。
そして,このグズグズ連載「ハンドリングXbox」。筆者も今月は苦悩している。問題は,"Xboxのキラータイトルは「DEAD
OR ALIVE Ultimate」か「Halo 2」か?"である。要するに"かすパンかあやパンかマスターチーフパンか?"という人生の縮図のような問いであり,ハンパな答えを出しては業界の笑いもの。と,編集部も真っ二つの様相を呈しているのだ。
こんなことではXbox連載も打ち切り,筆者も打ち首ということで,いつものように隣でもんどりうっている4Gamerのマスターチーフ,というより,ギャルゲー担当(候補)として周りから地盤を固められつつあるチュルキことGuevarista氏に,マスターチーフが使う最新型アーマーの防御機構についてうかがったところ,「今年の年末調整はでっちあげた」という暴露話が始まった。やばーいし,言い方がきもーい。ぼくだからいいけど,あんまり人に言わないほうがいいですよそれ。
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見ためはそんなに変わらないマスターチーフ。しかし彼の纏うMJOLNIR MARK VI戦闘服は,大きくパワーアップした。HPという概念がなくなり,スーツの耐久度のみが"ヘルス"の代わり。シールドの回復も速く,ゲーム全体がテンポアップした |
そんなこんなで,世界レベルで見るとXboxのキラータイトルといって,ほぼ差し支えないであろうシューティングアクション「Halo
2」が発売された。日本では2004年11月11日,欧米では2004年11月9日にサックリと発売された本作は,初日の売り上げがワールドワイドで1億ドルに達したそうな。ほんまかいな。エイリアンつながりでいうと,シャマラン監督の最高傑作と誉れ高い映画「サイン」の興行収入が2億3千万ドルぐらいだから,その健闘ぶりは相当なもんだ。今頃メル・ギブソンも,マータフ刑事と一緒にCoopに明け暮れていることだろう。
ちなみにこの話は担当編集からのまた聞きであり,彼は最近1億ドル1億ドルと,我がことのように自慢して回っている。うざい。耳障りなので「1億ドルってことは,年収が1千万円でも千年分。(アンタはきっとその半分ももらってないだろうから)二千年ぐらいあれば貯められるんじゃないっすか? 貯まったとして,何買うんですか?」と問い詰めたところ,「くるま……」とボソッとつぶやき,それっきりメッセンジャーがオフラインになったままだ。まったく困った人だ。
さてホントの話はこれぐらいにして,実をいうと筆者は本気でHalo 2を楽しみにしており,前作から今作へかけての進化がずっと気になっていた。
前作は前作で面白かった。ヴィヴィットなグラフィックスに心地良い武器の使用感,そしてすぐにバッテリが上がるフラッシュライト(イラ),チェックポイントの間隔の長い鬼仕様に(イライラ),最初は面白いけど永遠に続くかのように単調な戦闘――(イライライラ)。あれ?
いや,でも確かにストレスは多かったけど,コンシューマタイトルらしい爽快感と重厚なストーリー,演出,マスターチーフのテカり具合,美人AIホログラム"コルタナ"の美人具合などを前面に押し出した作品で,筆者的には非常に好感触だった。発売直後は仕事の都合でプレイできず,二日後に家に帰ったら,当時の彼女がもうクリアしていたという複雑な記憶もあるが,それでも好感触だったのだ。
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ぜひぜひじっくりと見てもらいたいムービーシーン。マスターチーフ周りの出来事より,むしろコヴナント側の人間模様(?)が見どころだ。画面上段右は,主人公のサポートAI,コルタナちゃん |
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このパーティクルの賑やかさに惹かれる人も多いはずだ。今回からは両手に武器が装備できるため,パッドの両トリガを同時に引くこともある。バイブレータをONにしていたら,手がしびれた |
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今作では,Xキー長押しで,敵の駆るビーグルを乗っ取ることができる。自機が破損したら乗っ取り,を繰り返せば,常に新車(?)で行動できるぞ |
で,今回もコルタナのAI具合にフラフラしつつ,マスターチーフの顔隠し具合にやきもきしながらプレイしてみたが,ほほう,Halo2はなんとも"コヴナント具合"がスゴイ。
そのコヴナント具合を語るには,筆者の昏倒度は度外視しても,やはり「スタートレック」が打って付けだ。
世界屈指のSF作品スタートレックの主人公は,ザックリいっちゃうと基本的には地球人である。そして人類の(かつての)敵勢力として,異星の蛮族であるクリンゴン人というコゲ茶色の怖い人が描かれていた。獰猛/粗野/異形という蛮族のポイントを押さえたキャラクターで,主人公のカーク船長指揮する宇宙船エンタープライズをたびたび脅かすのがその主な役割であった。
そんなスタートレックの世界観が一気に広がりを見せたのは,論理のカケラもなさそうなクリンゴンでさえ,母星で複雑な政治情勢を抱え,お家騒動が後を絶たないという事情が明らかになり始めてからだと筆者は思っている。
そして今回,Halo 2で描かれるコヴナントに,一昔前のスタートレックにおけるクリンゴン人がズバズバとオーバーラップするのだ。どう考えてもLとRを言い分けられなそうな口をもつコヴナント達が,意志を持ってガンガンしゃべりまくり,政治的な思惑を持つもの,また前作Haloで主人公を取り逃がした罪を問われ裁判にかけられるものなど,個人がレギュラーキャラクターとして,主人公と同じく物語の渦に巻き込まれていく様子が描かれている。アクションシーンはもちろん,イベントシーンはFPSにあるまじき(?)没入感なのである。本当だ。別にスタートレックの話がしたくて書いたわけではない。
「前作の問題点などを,ほんとよく研究してるな〜」というのが,本作をプレイしての印象。前述したストレス部分の回避,序盤からビーグルに乗れるといった,戦闘シーンを単調にしないためのアクセントなど,プレイの上位互換を保ったまま,よくここまで練り上げたものだと感嘆するばかりだ。
ちなみに筆者的には,今回から登場する一撃必殺の超強力ブレード"エナジーソード"が最もお気に入り。ライトセーバー,アルテマウェポンに続き,有事のときに手元に置きたい武器ナンバー3に食い込んできた。Halo2を買った人達は,友達に購入を勧めるときや接待プレイのときなどには,食いつきの良さそうなスナイパーライフルかエナジーソードを使わせてあげると良さそうだ。
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極々序盤で乗れるコヴナントの戦闘/輸送機"ゴースト"。左トリガを引いてる間の加速が,とっても気持ちいい。スピードは遅いが小回りの効く"バンシー"も健在。ちょっと操作しやすくなった |
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上段の3点が,筆者がとっても気に入った"エナジーソード"。少し離れた場所で攻撃トリガを引くと,瞬時に間合いを詰めて敵を突き上げる(音がまた良い)。マルチプレイでも威力はメチャ高い |
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■■Gueed(4Gamer編集部)■■
今回の記事執筆にあたりGueedが最も悩んだのは,"初日の売り上げ1億ドル"の引き合いに出す映画を,何にしようかという点。悩みに悩んだ挙句,なぜ2002年公開のパッとしない映画「サイン」が出てきたのかは彼にしか分からない。そんな映画好きの彼が最近観た映画は,トム・クルーズ主演の「コラテラル」。翌日,ちょっと怒っていた。
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