2004/07/17 18:41 |
韓国はソウルのCOEX Pacific Hallで開催中の,MMORPG「ラグナロクオンライン」の世界最強ギルドを決める大会「Ragnarok World Championship」(以下,RWC)で,日本代表ギルドの一つGuardian-Chevalierが準々決勝で敗退し,残る日本代表は[321Colors]のみとなってしまった。 Guardian-Chevalierが本日(7月17日)どのように戦ったのか,速報としてお伝えしよう。
■初戦は逆転で勝利!:対インドネシア代表"oNe batZ"戦
"逆転"という言葉から分かるように,押された場面もあった。相手は,同じく本日(7月17日)行われた第1戦でフィリピン代表のギルドRebirthを破った,インドネシア代表のoNe batZ。このギルドやインドネシアに関しては正直情報が少なく,Guardian-Chevalierにしてもノーマークの相手だったといえる。しかし,その実力は,日本代表を脅かすのに十分なものだった。
序盤攻めたのは,oNe batZだ。攻撃主体のチーム編成で,いきなりのウィザードによる集中攻撃を始めたのだ。この攻撃はかなり強烈で,同じく日本代表ギルドの[321Colors]のメンバー達も,「ヤバい!」「タコられてる!」と悲鳴に近い声をあげながらこの試合を見守っていた。 しかしGuardian-Chevalierは,どれだけ苦境に陥っても冷静だった。相手ギルドとは逆に守りの体勢で,ジワジワと足場を固めていく。それまで劣勢だった状況にヒヤヒヤしていた日本の応援団も,試合5分経過時には「ギリギリ」と評価を変え始める。 その2分後,つまり10分間の試合の残り3分を残す頃には,「楽勝」という評価に変わり,そのまま試合終了。終わってみれば,大勝利となった。
●試合直後のGuardian-Chevalierギルドマスターの談話 ひと言,「世界は凄かった」という感じです。ヒヤッとする場面が何度もある,かなり危ない戦いでした。勝因は,役割分担がうまくいったことでしょうか。相手ギルドの動きが見えていたので,おびき寄せて順番に倒していくことができました。 次の試合も,同じように落ち着いてがんばっていきます。
またこの試合の感想を,モニターの目の前で観戦していた[321Colors]のギルドマスターにも聞いてみた。「ギリギリすぎて,こっちがドキドキしました。しかしインドネシア代表は,想像以上にうまいですね。世界のレベルを感じました」。 なお本日は,この[321Colors]の試合はない。本日はAリーグ(トーナメント表の左半分)の試合だけが進められ,このリーグ代表が決定されたのだ。しかし残念ながら,このAリーグの代表は,Guardian-Chevalierではなかった。
一番右は,Guardian-Chevalierの試合を観戦する[321Colors]。この1試合めのときは,にぎやかに観戦していた
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■準々決勝では作戦の裏をかかれて敗退:対シンガポール・マレーシア代表"KAOS"戦
次の試合である準々決勝の相手は,1回戦でアメリカ代表のDenuo Convenaを破った,シンガポール・マレーシア代表KAOS。初戦を勝ったとはいえ,アメリカにしろシンガポールおよびマレーシアにしろ,正直ノーマークの地域。下馬評では,Guardian-Chevalier有利となっていた。
試合は,またしても,相手側からの激しい攻めで始まった。しかし今回は,この攻撃が致命的となる。相手が,Guardian-Chevalierの作戦の裏をかいてきたのだ。 先にGuardian-Chevalierの作戦について説明しておこう。それは端的にいうと,死にやすいウィザードを攻撃に回さないことだ。パラメータはVITに多めに振り,後方で相手を凍らせることに徹するという戦術である。 この対KAOS戦でも,Guardian-Chevalierはまずウィザードの守りを固めた。しかし相手はこの作戦を知ってか知らずか,ウィザードには目もくれず,アサシンを狙ってきたのだ! 結果,試合開始早々にナイトが倒れ,その直後にはアサシンも倒れた。その後Guardian-Chevalierも粘ったものの,序盤にキャラクター二人が死亡するというハンデは大きすぎ,結局自分達の戦いをさせてもらえないまま,10分の試合時間が過ぎた。同時に,Guardian-Chevalierの敗退が決まった。
この試合直後にGuardian-Chevalierの話を聞くのは,正直ためらいがあった。また彼らにも,近寄りがたい雰囲気があった。しかしそれでも,Guardian-Chevalierのギルドマスターは,メディアに向けて話し始めた。 「不用意に前に出すぎました」。この言葉が,敗因のすべてを物語っている。来年のRWCについて水を向けてみると,「まだ参加するかどうか決めてないので……」という返事。しかし一ファンとして期待していると伝えると,「分かりました」と答えてくれた。来年の彼らの活躍に期待したい。
観戦していた[321Colors]のメンバーは,その前の試合とは打って変わって,試合中ほとんど無言だった。試合が終わったあとも,しばらくは黙ったまま。しばらくしてからギルドマスターに話を聞いてみると,「予想外」とひと言。また別のメンバーからは,「相手のウィザードがうますぎた」という意見が出て,その後しばらく,[321Colors]メンバーによる試合分析が行われた。 ギルドマスターに,この試合を見たうえでの"世界のレベル"の印象を聞いてみたところ,「想像以上に高いですね。驚きました。……でも,僕達が優勝する確率は,今も100%です(笑)」。と,これまでにも繰り返してくれた言葉で締めくくった。 2004年のRWCに関しては,残る日本代表はこの[321Colors]のみとなってしまった。日本予選のときの6名というメンバーからは二人増え,総勢8名で参加しているとはいえ,まだ9名という規定の数字には一人足りない。この大きなハンデを背負った彼らが,言葉どおり"第1回RWC優勝"の栄誉を日本にもたらしてくれるのか? その結果は,明日7月18日の試合で決定する。
なおAリーグ代表は,台湾代表のThe Gates of Hellに決まった。そう,Guardian-Chevalierを破ったKAOSも,このギルドの前に敗北を喫したのだ。しかも準決勝は2試合先取したギルドが勝ちとなるのだが,このThe Gates of Hellは,2試合ともKAOSを圧倒し,制限時間を待たずに全滅させての勝利。いやはや,上には上がいるものである。[321Colors]と当たるであろう(!)決勝戦が,楽しみだ。(Iwahama)
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