[韓国ゲーム事情#230]NEXON社の「Crazy Racing:Kart Rider」が韓国で人気爆発
2004/08/23 21:15
Kimの韓国最新PCゲーム事情#230

NEXON社の「Crazy Racing:Kart Rider」が韓国で人気爆発(2004/8/23)

Text by Kim, Dong Wook特派員


 NEXON社が開発/サービスしているオンラインレースゲーム「Crazy Racing:Kart Rider」は,最近韓国でもの凄い勢いでファンを増やしている。
 2004年6月中旬にオープンβテストが開始された本作は,それからわずか2か月間で,累積会員数は100万を,同時接続者数では4万人を超えているという。

 Kart Riderは,以前「こちら」「こちら」で紹介したように,「マリオカート」を彷彿とさせる可愛らしいグラフィックスが特徴的なオンラインレースゲーム。先日日本でもオープンβテストの開始がアナウンスされた「BnB」(関連記事は「こちら」)のキャラクター達が登場し,カートでのレースを行う。
 BnBと同様に,PCに慣れていない子供でも遊べるようにインタフェースはシンプルで,カーソルキーとCtrlキーだけで操作可能。また本作では,単に速度を競うだけの一般的なレースモードとは別に,BnBに登場する水風船を始め,誘導弾やバナナの皮など,競争相手を攻撃するアイテムが使用可能なアイテムレースモードもあり,ゲームは初めてという人も巻き込んで大ヒットになっている。
 韓国で同時接続者数35万人を数える大ヒットタイトルBnBのキャラクターと,漫画的な演出が相まって,子供から大人まで,幅広い層に受け入れられているようだ。

 また早くも,マーケティング的に成功を収めている。というのも本作は,PC BANG(ゲームに特化したインターネットカフェ)で本作をプレイした場合,個人の家からプレイした場合に比べていろいろと得するようになっているのだ。具体的には,レースで勝利したときに得られるゲームマネーが,PC BANGからだと2倍になるし,またPC BANGからしか選択できないキャラクターも存在するのである。
 そのためか,当サイトでも掲載しているゲームトリックスの最新の全体順位(当サイトに掲載しているのはRPGに限定した順位)では,「Pangya」(スカッとゴルフ パンヤ)や「Maple Story」(メイプルストーリー),「GetAmped」(ゲットアンプド)といったカジュアルゲームの強豪達を一気に抜かして6位にランクインするという快挙を成し遂げた。



 ただし本作が人気になれば人気になるほど,否定的な意見も多く聞かれるようになってきた。とくに多いのが,マリオカートとの類似性の指摘だ。攻撃アイテムである"バナナの皮"は,まったく同じものがマリオカートにも存在するなど,"類似"というより"酷似"といえる部分も少なくない。極論すれば「コピー」と言われても仕方のない作品だ。先ほど本稿でも「彷彿とさせる」と表現したが,一部のゲーマー達の中には,本作を"マリオカートの偽物"とする過激な意見も出ている。マリオカートに慣れ親しんだ古くからのゲーマー達は,「マリオカートとどこが違うのか分からない」とまで言っているのである。
 この件に関して韓国のオンラインゲームの専門家達には,以前NEXON社がハドソンの「ボンバーマン」を模倣してBnBを作成したらそのゲームが大ヒットして,結果的にハドソンと提携を結んだという経緯を踏まえ,「同じことを任天堂相手に行おうとしている,いわば高度な戦略ではないか」……という,少しうがった(?)意見もあるようだ。

 韓国のオンラインゲーム市場の競争がどんどん激しくなるにつれて,過去の日本産ゲームを模倣する事例がますます頻出してくるだろう。しかし,「これはオンラインゲームだから,模倣ではない」という言い訳は,もうこれ以上通用しない。
 新たなオンラインゲームのパラダイムを見いだすためには,日本の企画力と韓国のネットワーク技術が融合するべきかもしれない。そうすれば,世界的なオンラインゲームが誕生するのも,それほど難しいことではないだろうと,オンラインゲームの専門家達は指摘している。

「Crazy Racing:Kart Rider」の記事一覧は,「こちら」
「Crazy Racing:Kart Rider」のスクリーンショット集は,「こちら」



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