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いよいよ明日よりオープンβテスト開始! ガンホー,MMORPG「TANTRA」のプレスカンファレンスを開催
2004/12/09 19:13
 本日(12月9日)ガンホー・オンライン・エンターテイメントは,明日よりオープンβテストを開始予定の東洋風ファンタジーMMORPG「TANTRA」のプレスカンファレンスを開催。同社の最高執行責任者の森下氏を始め,同作の韓国サービス元であるハンビットソフトの最高技術責任者チョ ヨンジュ氏といったプレゼンテーターを招き,TANTRAのゲーム/サービス概要を説明した。

 この日会場に選ばれたのは,JR渋谷駅近くに位置するアジアンエスニックレストラン「Elephant Cafe 渋谷」。店内中央に,黄金(色)で作られた巨大なエレファントブッダが鎮座まします,アジアンテイスト溢れるややアンダーグラウンドな雰囲気の場所だ。「ラグナロクオンライン」(以下,RO)といい「A3」といい,こういった仕掛けにはこだわりを見せるガンホーならではの趣向を凝らした会となった。

 今回,会場にこういった場所が選択されたのも,本カンファレンスの対象作品となるTANTRAのゲームコンセプトを反映してのことだ。2003年7月の発表を皮切りに,この1年余り少しずつ情報が出されていたTANTRAだが,本作がヒンドゥー神話を題材にしたオリエンタルファンタジーを世界観としていることは,当サイトの読者ならご存知のことだろう(まだ知らないという人は,当サイト内の紹介ページ「こちら」から)。プレイヤーを含む世界の住人が,ヒンドゥー教の神である"創造の神ブラフマー" "維持の神ヴィシュヌ" "破壊の神シヴァ"という三主神を信仰しているというのが,本作の世界観。過去から現在にかけて,長きに渡って主流の地位に君臨する西洋ファンタジー作品に対抗する形で登場したタイトルでもある。

やや暗めの写真で申し訳ないが,店内は,ご覧のように中央にある黄金の像をぐるりと囲むように設計されている


■ガンホーのマルチタイトル戦略の一角となる「TANTRA」
 カンファレンスは,ガンホーCOOの森下氏,ハンビットソフトのチョ氏,そして同作の制作ディレクター田口氏,宣伝プロデューサーの神埼氏をプレゼンターとして開会した。
 冒頭で森下氏は,本作はガンホーの基幹戦略であるマルチタイトル戦略の一環であることを説明した。言葉の通り,同社はこれまでROでの大成功を足がかりに,R-18指定作品として話題となった本格MMORPG「A3」,また「ゲットアンプド」や「ポトリス」といったライトゲーマー向けのタイトルをサービスしてきた。
 今回発表した本作においてガンホー側は,上記の作品とは一線を画した「すべての年齢層がターゲット」というコンセプトを明確に打ち出している。ハンビットソフトのチョ氏は,2003年7月の契約後に日本人ゲーマーの分析(順序が逆では? とも思うが),ローカライズの方法などを吟味し,韓国と同じ東洋の文化圏である日本での本作の成功を確信したという。「実際に,こういうお店は人気があるじゃありませんか」と店内を見回した宣伝プロデューサー神崎氏の言葉にも説得力がある。
 また最近の裏トピックとして,「こちら」でお伝えした韓国ハンビットソフトと日立製作所のジョイントベンチャー,ハンビットユビキタスエンターテイメントの設立を手始めに,本格的にハンビットソフトのタイトルが日本国内で運営されるということを意識しておきたい。「Granado Espada」そして「TANTRA」と同様に,第3,4世代の韓国産タイトルがこれまで以上に日本に輸入されそうな勢いだ。大手パブリッシャの連携により,欧米タイトルの間接輸入なども期待しつつ,動向を追っておきたい。

【上段左】チョ ヨンジュ氏,【上段右】ガンホーCOO森下氏,【下段左】製作ディレクター田口氏,【下段右】宣伝プロデューサー神崎氏


■「TANTRA」のセールスポイントと,今後のスケジュール
 さて本作は,ガンホー曰く"ネオ・オリエンタル"という世界観をもつ作品。そして田口氏と神埼氏が口を酸っぱくして言っていたのは,"王道のゲームシステム"という言葉だ。
 カンファレンスで説明に使われた右の資料のように,本作はROがカバーする,カジュアル&低年齢なプレイヤー層(この範囲を示す円は,年々広げているとか),またA3のカバーするハードコア&高年齢の層のどちらとも異なっている。少し高年齢層&ハードコアゲーマー向けに寄ってはいるが,三つの神を信仰する者同士で戦う主神戦,また武器の精錬や個人商店システムといったMMORPGの定石を踏んだ"本格"システムと,"猫耳"なども登場するというキッチュなグラフィックスで,すべてのプレイヤーにアピールしていくようだ。
 ただこの立ち位置は,国内で言うと「リネージュII」などと同様の路線ともいえ,外から見るとリネージュが少し迷走している感のある"ターゲット層の不明確さ"という点が,多少TANTRAにオーバーラップする部分もある。「ヒンドゥー」「サンスクリット」「オリエンタル」などといった同作らしいキーワードにプレイヤーがどう反応するかで,成功の可否が決まってきそうだ。

 その一環として(?)の意味も含め,同作のイメージソングには,「ゴダイゴ」の名曲「ガンダーラ」が採用された。筆者ぐらいの年齢の人なら,マチャアキ(堺正章)や岸部四郎の顔が次々と浮かんでくるような,ある意味古典的な楽曲だが,TANTRAの世界観に沿っており,なおかつ"誰でも反応できる"という特性から,決まったらしい。本作のシナリオで,"聖地ガンダーラを目指す"という要素があるというのも関係しているとのことだ。

 ご存知の通り,本作はクローズドβテストは行わず,オープンβテストからプレイアブルの公開が始まる。さらに公開は明日(12月10日)と迫っており,現在すでに,ガンホーID/アトラクションIDの登録および,クライアントのダウンロードが公式サイトで行える。
 これまで東京ゲームショウや東京カード&オンラインゲームカーニバルなどでプレイアブル展示されているため,すでに本作に触れた人も多いとは思うが,やっとガッツリと本作に取り組めるチャンス。今すぐ登録&クライアントダウンロードをして,明日15時(予定)のサービス開始に備えよう。(Gueed)

「TANTRA」
 →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」

(c)2004 HanbitSoft, Inc. All Rights Reserved.
(c)2004 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.


この日説明に使われた資料を撮影。気になるのは,【上段右】のモンスター(TANTRAでは"マーラ"と呼ぶ)と,【下段中央】に記載のある"踊る"システムの部分だ。マーラには,既存のMMORPGにも登場するような巨大なものから,逆に背丈がプレイヤーの膝にも満たない極小サイズのものまでいるらしい。また踊るシステムなどは,ガンホーらしく,積極的にプレイヤーイベントに絡めていくに違いない


【スクリーンショット】

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http://www.4gamer.net/news/history/2004.12/20041209191330detail.html