NVIDIA,GeForce6向けPureVideoソリューション発表
PureVideoの発表を行ったNVIDIA マルチメディア担当ジェネラルマネージャ スコット・ヴォーリ氏
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かねてよりGeForce6シリーズに搭載されているとされながらも,実態の不明だったハードウェアビデオデコード/エンコード機能が,PureVideoという名前でついに発表された。正式発表は明日朝とのことだが,日本では事前に発表会が行われたので概要をお伝えしよう。 PureVideoでは,HDTVの画質までサポートし,ホームシアターの画質をPC上で実現することを目的としている。本来はビデオのエンコードにも対応しているはずなのだが,今回はデコード部分のみの形での発表となった。今後の開発でMPEG2エンコード部分なども追加されていく模様だ。
処理の中枢はGeForce6シリーズGPUに組み込まれたユニットで,プログラム可能な16ウェイのベクトルプロセッサと動き予測エンジン,高画質デジタルビデオデコーダの三つの部分で構成されている。NVIDIAによれば,業界唯一のプログラム可能なビデオ専用プロセッサだそうだ(過去にMpactプロセッサとかもあったのだが)。 ビデオプロセッサ部分はマイクロコード,GPU部分はShaderプログラム,さらにCPUプログラムの3種共同で行われるマイクロコード部分を書き換えることで,今後登場するCODECにも柔軟に対応できるなどの特徴がある。 ソフトウェア技術的には,マイクロソフトのVideo Mixing Renderingを業界で初めて採用しており,フレームバッファ上に直接ビデオレンダリングを行うため,従来のビデオオーバーレイベースのビデオアーキテクチャよりも柔軟な表示が可能になる。現状ではプレイヤーが対応していないようだが,複数のビデオストリームを同時に再生することも可能だ。
オーバーレイ方式とビデオミキシングレンダー方式の違い。同一のフレームバッファでの処理をGPUとビデオプロセッサで分担する。帯域幅的にも有利だという
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PureVideoでは,以下のような機能がハードウェアとソフトウェアにより実現されている。いずれもホームシアター並の高画質のビデオ再生を行うためには,欠くことのできない機能である。
●プログレッシブ変換 テレビ画像は1画面を奇数ラインで下まで描いて,偶数ラインを下から描いて1画面を構成している。それぞれ1/60秒単位で表示されているわけだが(インタレース表示),この画像をPCなどのノンインタレース表示のディスプレイで静止させると,当然ながら奇数ラインと偶数ラインで画像のブレが発生してしまう。これを処理するのがプログレッシブ変換だ。
左がプログレッシブ変換なし,右がPureVideoの処理例
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●3:2プルダウン補正 映画などのフィルム映像は秒間24コマのプログレッシブ映像として提供されている。前述の通り,ビデオ映像は秒間30コマ(60フィールド)のインタレース映像だ。変換時には,両者をうまく適合させることが必要になる。映画のコマを2フィールド,3フィールドと交互に割り当ててビデオ信号を作っていく。そのための処理が3:2プルダウン変換と呼ばれる。前述のように,2種類の映像がインタレースで混ざる瞬間があるため,うまく処理しないと”Bad Edit”なコマが出てきてしまう。これは最悪,プレイヤーにスキップされて画像が途切れることにもなりかねない。そこでPureVideoではBad Edit補正機能も搭載されている。
3:2プルダウン変換の例。いずれも右側がPureVideoの処理。下段はBadEdit発生時の処理となっている
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そのほか,拡大映像を滑らかに処理したり,色補正などの技術が盛り込まれている。基本となる色情報は内部10ビットのダイナミックレンジで管理されている。通常のビデオ処理だと輝度16以下は切り捨てられたり,輝度235以上もまとめられたりして情報量が低くなりがちだったのだが,広いダイナミックレンジによって,色再現も精度を上げている。
これらの機能を盛り込んだPureVideoテクノロジは,ForceWare67.03から使用できる。また,これらの処理を行うツールであるNVIDIA DVD Decoderは,NVIDIAのサイトから体験版をダウンロード可能だ。DVDデコーダの場合,いろいろ権利が絡んでいるので無料配布は難しいのだろう。現状のバージョンでは,19.95ドルとなっている。 これらはGeForce6シリーズを搭載したビデオカード全種類で使用可能だが,ビデオカードの性能により,若干機能に差が出る部分もある。 ビデオカードでこういった機能をサポートすべきなのかどうかは意見の分かれるところだろうが,ともあれPCではDVDなどが再生されていればそれでいいという感じで,画質面についてはあまり重視されていなかったのだが,最高画質のビデオ再生環境が手軽に扱えるようになればユーザーの意識も変わってくるだろう。もっとも,ビデオチップに標準装備の機能なら,デコーダソフトも標準装備にしてほしいものではあるが。 (aueki)
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