NVIDIA,TurboCacheテクノロジの詳細情報
TurboCacheの詳細について語るアジアパシフィックテクニカルマーケティングマネージャ オング・ツェ・リン氏
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PureVideoの発表会と合わせて,先日お伝えしたTurboCacheテクノロジの説明会も行われたので,より詳細な情報をお届けしよう。
すでにお伝えしたとおり,GeForce 6200の廉価版として,GeForce 6200TCがまもなく市場に出回る。これは高速なPCI Expressを利用して,ビデオカード上のローカルメモリではなく,システムのメインメモリ上で描画処理を行って低コスト化を計ろうという技術だ。
具体的な製品としては,VRAM16MB版/32MB版/64MB版の3種類が投入される。16MB/32MB版は実効VRAM128MBとして,64MB版は256MB版のビデオカードとして動作する。足りない部分は,必要に応じてシステムメモリが割り当てられることになる。パフォーマンスは,従来のGeForce6200(TurboCacheなし)と64MB版のGeForce 6200TCがほぼ同程度(やや従来版が上らしいがドライバのチューンナップは随時進行中),あとは実VRAM容量順で性能は低下していく。画像出力など,どうしても高速処理が必要になる部分もあるので,最低限のVRAMは必要になるようだ。 VRAMが少なくて済む分,価格はかなり引き下げられ, 64MB 129ドル 32MB 99ドル 16MB 79ドル と,まさにローエンドクラスのビデオカードとなっている。発表会場ではハーフライフ2のデモが行われたが,XGA解像度,反射エフェクト全オンの状態で水面のあるステージをスムーズにプレイ可能であった。デモ機はCPUにPentium4/2.8GHz,メモリ1GB(DDR1)といった構成だ。ローエンド機とはいえないかもしれないが,さほどハイスペックなわけでもない。1万円程度のビデオカードであれだけ動けば十分と思わせるくらいのパフォーマンスだった。
今後,PCI Expressの帯域を多量に必要とするアプリが出てきたらどうなるのかと聞いてみたところ,むしろそういったアプリのほうがTurboCacheには向いているという。データをいちいちGPUに送らずに,システムメモリ内の転送だけで処理できるので,帯域的には有利になるのだそうだ。この辺りはnForceやXboxなどで共有メモリを扱ってきた経験が生かされているのであろう。 メインメモリを使用する関係で,マザーボードのチップセットの性能が問われることにもなってきそうだ。たとえば,Intel 915では,下り3GBsec,上り1GB/secしかPCI Expressの帯域幅がないので,できればnForce4などの高性能チップセットを使用することが望ましい。さらに低性能なチップセットではパフォーマンスにも影響が出るかもしれない。NVIDIAでは,PCI Express製品での動作テストはしているので動作には問題はないが,パフォーマンスは未テストだとしている。ローエンドのシステムでは多少注意が必要になるだろう。
市場には,従来のGeForce 6200と新しいGeForce 6200TCのビデオカードが出回るわけだが,6200TCというチップ名が使われることはほとんどなく,新しいものにはパッケージに「with TurboCache Technology」のロゴマークが付けられることになる。さらに紛らわしいのが,16MB版と32MB版だ。どちらも「Supporting 128MB」という表記がされているのだが,見た目では実搭載VRAM容量がわからなくなっている。64MB搭載版については「Supporting 256MB」表記なので安心だ。ゲーマーにはとりあえず,性能的にも64MB版をお勧めしておこう。なんとなく,初代GeForce2 MXの再来といった感じのハイコストパフォーマンス製品で,とりあえず困ったら6200TCを入れとけという感じになるのだろうか。 (aueki)
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