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[韓国ゲーム事情#286]「クリスマスに朗報! MU World Tournamentで日本代表が準優勝」
2004/12/27 23:02
Kimの韓国最新PCゲーム事情#286

「クリスマスに朗報! MU World Tournamentで日本代表が準優勝」(2004/12/27)

Text by Kim Dong Wook特派員

 2004年12月25日,「MU Online」(邦題 ミュー〜奇蹟の大地〜)の開発元であるWEBZEN社は,ソウルで一番大きい屋内テーマパークであるLotte Worldのアイスリンクの特設会場で,MU World Tournamentを開催した。
 この大会は韓国,中国,台湾,日本,タイ,フィリピンの6地域が参加し,バトルサッカーで世界一を競うというもの。予選はA,Bブロックに分けてリーグ戦,決勝はトーナメント戦で行われた。日本からは,X-KTY(ナイト,ギルドマスター)/m-Yukiko(エルフ)/a-Kanchu(ウィザード)/s-Fukuchan(魔剣士)の4名で編成された代表チームが出場した。

■大会前日■
 大会前日(24日)は,全チームは市内観光をした後にレセプションに参加してチーム分け(抽選)を行った。日本代表チームは,事前情報から「中国,タイには要注意」とコメントしていたが,抽選の結果,皮肉なことにAブロックは日本,中国,タイとなり,Bブロックはフィリピン,台湾,韓国との結果になってしまった
 レセプション終了後は,全チームは会場近くのネットカフェでキャラクターの作成と作戦会議を行ったが,思いがけない組み合わせに事態を重く見た日本チームは,ほかのチームがホテルに帰ってもネットカフェに残ったまま打ち合わせ。結局深夜0時30分まで入念なシミュレーションを行い,さらにホテルに戻ってからも,遅くまでミーティングをしていたようだ。

■予選リーグ■
 予選ではマシントラブルなどのハプニングもあったものの,日本チームは中国とタイを抑えて,見事Aブロックを1位で通過。ちなみにAブロック2位は中国,Bブロックの1位と2位は韓国とフィリピンとなった。
 なお決勝戦はAブロックの1位とBブロックの2位,Bブロックの1位とAブロックの2位が戦うトーナメント方式。そのため日本の対戦相手はフィリピンという好カード。この時点で日本は決勝戦への進出が濃厚と目されることになった。

■決勝トーナメント■
 決勝トーナメントで日本(A組1位)対フィリピン(B組2位),韓国(B組1位)対中国(A組2位)の競技が始まると,「観客の間に決勝戦は日韓戦が見たい!」という雰囲気が広がり始め,中継席もこの雰囲気を察したらしく,日韓戦の可能性を強調したトークで盛り上げていた。
 試合結果は,日本対フィリピンは前半戦が100対21で日本が勝利,後半戦も100対12と圧倒的な強さで日本は決勝戦へコマを進めた。一方,韓国対中国は前半戦は100対9と韓国が圧勝したが,後半戦は中国が防衛ラインの見直しを図ったため,韓国は苦しむことに……。とはいえ,さすがMU Onlineのお膝元である韓国は,苦戦しながらも100対84で勝利をものにし,決勝戦へと進出した。



■決勝戦■
 決勝戦は3試合行い,2本先取したチームが優勝というルールで行われた。第一ラウンドは,日本がアウェイの雰囲気をものともせず先取得点をあげる活躍を見せ,中盤までは実力伯仲の熱い戦いが演じられることになった。たが時間の経過とともに,日本は本作では一日の長がある韓国チームに少しずつ得点をとられてしまい,第一試合は前半が(77対100),後半が(22-113)で韓国が勝利。第二試合の前半は(51対117),後半は(55対100)といった調子で韓国チームが連取に成功。結局,優勝は韓国,準優勝は日本となった。
 試合後,優勝した韓国チームは「中国と日本は強いチームだと思って熱心に練習をした。対戦をしてみたらやはり手応え十分で,日本チームは優勝してもおかしくない実力を持っていると思う」と高く評価。一方日本チームは,「試合の前から韓国と中国チームは対戦相手のキャラクターを攻撃して倒す戦術を使うのが分かっていた。でも,私たちは現実のサッカーと同様に純粋な試合を行った」とスポーツマンシップにのっとったコメントをした。

 日本チームの競技を観戦したオンラインゲーム専門家のKim, Hak Joe氏は「日本のゲーマーたちは,マナーを守ってプレイすることに慣れている。とくに攻撃と守備を切り換えるときの組織力は凄かったし,キーパーのエルフのキャラクターのディフェンスは非常に印象的だった。プレイ時間でいえば韓国プレイヤーと数年間の差があるにも関わらず,本大会でここまで健闘したことを考えると,日本プレイヤーはオンラインゲームにかなり才能があるようだ」とコメントした。

 こうして第1回のMu World Tournamentは終了し,韓国チームは優勝賞金として2万ドル,準優勝した日本チームには1万ドル, 3位の中国チームには4000ドルの賞金が贈られた。同社のKim, Nam Joo社長は「今後,もっと多くの国でMu Onlineをサービスインし,2005年の第2回大会にはもっと多くの国が参加するように努力する」と明らかにした。
 X-KTY氏,m-Yukiko氏,a-Kanchu氏,s-Fukuchan氏の4名の活躍によって日本は見事準優勝に輝いた。本家韓国と拮抗した戦いができたことはすばらしいことだと思うし,来年度の大会でも日本勢が活躍することに期待したい。

 これは余談だが,日本チームの頭文字を続けて読むと……なかなかにオシャレである。



■そのほか■
 Mu World Tournamentは,WEBZEN社が韓国内のプレイヤーへのサービスと,まだプレイしたことがない人への広報を目的にしたイベントである。すでに韓国,中国,台湾,日本,タイ,フィリピンの6地域の代表が火花を散らした試合の様子はお伝えしたので,ここではそれ以外の内容についてお伝えしていこう。
 World Tournamentの後には,あらかじめ選出された38のギルドが対戦を行い,迫力のバトルを演出していた。飛び交う魔法などを中心に,派手なエフェクトが画面中に広がり,通りがかった人も思わず足を止めて見ていた様子。最終的に生き残った19のギルドは,20051月に本サーバーに導入される攻城戦のシステムと同時に各サーバーの城主ギルドとして登録されることになる。また攻城戦のムービーなども会場に流されていて,こちらもギルド同士の戦いと同様に迫力満点のものとなっていた。
 基本的に戦闘要素を中心としたパブリシティが多かったが,毎年参加者たちに高い人気を誇る,宝石のラッシュイベントや,Miss Mu選抜大会なども開催された。とくに後者のMiss Mu選抜大会は,ちょっとした人気を集めており,オンライン予選を勝ち抜いた14人の美女たちの自己アピールや,Mu Onlineのテストを行った結果,高校1年生であるKang, Min Juさんが優勝となった。

 本イベントには1億円以上もの資金が使われたが,最近「RF Online」や「World Of Warcraft」の影響でMMORPG業界の競争は激化しており,そうした状況で「Mu Online」の地位を示すには十分な成果を残したと思われる。人の出入りの多い場所で開催されたため,本イベントに参加した正確な人数を計測するのは難しいが,おそらく最低でも6万人以上の人々が観覧したと関係者は予測している。その数字が確かならば,パブリシティとしては大成功だったといえるだろう。

「ミュー〜奇蹟の大地〜」
 →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」
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