「スカッとゴルフ パンヤ」,”パンヤ甲子園”決勝戦レポート
2005年2月13日,基本料金が無料でプレイできるオンラインゴルフゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」(以下,パンヤ)のオフィシャルなゲーム大会「パンヤ甲子園」の決勝戦が,インターネットカフェ「Cafe J Net NEWNEW 渋谷店」で行われた。
パンヤは,シンプルな操作性とファンシーなキャラクターモデルが特徴の,コンシューマゲームライクな作品。一般的なゴルフゲームには,実在のコースやゴルファーのデータを基にした本格的なものが多いが,それに比べてこのパンヤは,見た目からしてとてもキャッチーで,手軽に遊び始められるため,このところ順調に登録者数を伸ばしているという。 ちなみにタイトルの「パンヤ」とは,鉄砲を撃つときなどの「パンッ!」という擬音を韓国風に表現したものだ。 このパンヤには,ほかのゲームにはないユニークなシステムとして,"学校"という仕組みが用意されている。これはゲーム内にプリセットされている(MMORPGでいう)ギルドのようなものだ。「東京大学」「茨城県立波崎柳川高校」「岡崎市立竜南中学校」といったように,実在・架空を含めた非常に多くの学校がゲーム内のチームとして初めから用意されており,プレイヤーは任意の学校に所属できる。現実生活での仲間意識をゲーム内に持ち込みやすいこの工夫は,非常に興味深い。今回行われた「パンヤ甲子園」は,このゲーム内チームである「学校」ごとの対抗戦となっていた。だからこその"甲子園"なのである。
決勝大会は,トーナメント形式で行われた。参加するのはこれまでオンラインで行われていた予選を勝ち抜いた8チーム。1チームは二人なので選手は計16人……となる予定だったのだが,当日1チームが参加できなくなったとのことで,急きょ運営スタッフのチームが参戦することになった。 この大会では優勝すると20万円分,準優勝でも10万円分もの旅行券がもらえるうえ,会場までの交通費が出る(上限2万円)ということで,選手の中にははるばる関西や北海道から足を運んだ人もいた。とはいえ,"あたりには勝負に臨む緊張感がみなぎっている!"という感じではなく,ギャラリーも選手もゲーム自体を楽しむことを目的としていたようで,会場にはリラックスしたムードが漂っていた。
トーナメント1回戦では,GMチーム(写真右)の試合の模様が,プロジェクターで映し出されていた(左)。ちなみにこのGMチーム,初戦で敗退したものの(わざと?)どちらもなかなかの腕前で,とくに写真左側の吉田氏は,実はちょっとした有名人である(当サイトスタッフにインタビューを受けたことがあるとかないとか……)。決勝戦終了後に吉田氏に解説をお願いしたら,「ドローになることが濃厚だったのに,最終ホールで両チームとも正々堂々と戦っていたのが印象的です。私なら,パンポイントを稼ぐプレイに徹しますね(笑)」と,いまだ現役で戦えるという自信(?)をうかがわせていた
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さて,試合の内容をお伝えしよう。あらためて説明するまでもないだろうが,さすがに予選を勝ち抜いてきた上級プレイヤー達が集まっているだけのことはあり,どの選手もとてもウマイ。イーグル(-2)やバーディ(-1)を危なげなく連発し,ときにはアルバトロス(-3)も飛び出すハイランクな戦いが繰り広げられた。とくに筆者が唸らされたのは,どの選手も自分が"パンヤショット"を打つことを前提としてプレイしていたことだ。 パンヤでは,クラブをボールにジャストミートさせると"パンヤショット"となり,通常よりもボールを遠くまで飛ばせる。もちろん,ジャストミートさせるのは簡単ではない。本作を始めたばかりの人にとっては"出ればラッキー"くらいのものだが,選手達は初めから"これが出るもの"として狙いを定め,実際にパンヤショットを連続成功させて,ボールをホールにぐいぐいと沈めていく。ときおり「ああっ,しまった!」と声があがるのは,これに失敗したときだ。 慣れないマシンでプレイしているせいか,それとも大会のプレッシャーによるものか,次第に連続してショットをミスするチームが現れ始めた。集中力がとぎれたほうが負けるというところは,まさにゴルフの試合である。準々決勝,準決勝と試合は進み,ついに決勝戦に出場する2チームが決定した。
決勝戦の舞台に選ばれたのは,「Wizwiz」というコース(しかも10ホールから!)。Wizwizは現実のゴルフコースにはあり得ないような絶壁や谷間,巨大なオブジェクトなどの障害物に囲まれており,非常に攻略の難しいコースとして知られている。"距離が足りなければボールは谷底に真っ逆さま"というシチュエーションが多いので,これまで以上に,確実にパンヤショットを出すことが重要になる。
決勝で戦ったのは,"チーム宇宙人"(札幌東高校)と,"刹那"(近畿大学)の2組。試合は,刹那がミスをして差が開くと,しばらくしてチーム宇宙人もミスをしてしまいドローに戻るということが繰り返される接戦となり,最終ホールの途中でも,どちらが勝つのかまったく分からないという状況に。 結局9ホール終わってもドローのままで,上手にプレイを進めることでスコアとは別にたまっていく"パンヤポイント"差で,チーム宇宙人が優勝をもぎ取った。
どちらも準決勝時の,いわゆる"決定的瞬間"。左は,最終的に優勝した"チーム宇宙人"のシバリ選手が,チップインを決めて右手でガッツポーズを作った瞬間。右は,その相手チーム"もっさん一号"の選手がミスをして,思わず手を上げた瞬間だ
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優勝した宇宙人チームの二人。向かって左がFreckle選手で,右がシバリ選手だ。ちなみにチーム名の由来を聞いたのだが,Freckle選手は「ぜひ記事に書いてください」と言うものの,シバリ選手は「いや,書かなくて結構です。いや本当」と言うので,読者の想像にお任せする。まぁ二人のセリフから,シバリ選手に何か関係があるというのは分かるだろうが……
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試合後に,優勝チームのお二人にインタビューを行うことができたので,その模様をお伝えしよう。
4Gamer:おめでとうございます。まずは今のお気持ちをお聞かせください。
シバリ選手:いやあ,まさかここ(優勝)まで来られるとは……。
Freckle選手:それ,本気で言っている?(笑) それなりに戦える自信はありましたよ。
4Gamer:お二人は,この決勝戦のために北海道から来たんですよね?
シバリ選手:はい。昨日のうちに飛行機で来ました。
4Gamer:であれば,一回戦で負けてはかなり悔しいですよね(笑)。自信があって当然ですよ。しかしこの大会は,交通費が出るので参戦しやすくていいですね。
シバリ選手:まぁ,上限の2万円を少しオーバーしましたが……優勝できて良かったです(笑)。
4Gamer:ところでお二人は札幌東高校のチームということですが,現在そこの生徒なんですか?
シバリ選手:いえ,元々そこの同級生で,今は別々の大学に通っています。
4Gamer:なるほど,卒業生なんですね。今回の出場に当たって特別な練習などはしましたか?
シバリ選手:ええ,出ると決まってからはほぼ毎日プレイしました。でも,そんなに長い時間プレイしているわけではないですよ。
4Gamer:平均プレイ時間ってどれくらいなんでしょう?
シバリ選手:1日に2時間くらいでしょうか。
Freckle選手:私もそれくらいです。ただ毎日ではなく,週に3,4日プレイしてる感じですね。
4Gamer:一般的なオンラインゲームのプレイ時間に慣れていると,結構短く感じますね(笑)。しかし,30分でも十分遊べるという本作の性質上,それくらいでも十分遊び込んでいるということでしょうか。ちなみに,ほかにプレイしているオンラインゲームとかはありますか?
Freckle選手:いや,とくにないです。
シバリ選手:私もパンヤだけですね。
4Gamer:なるほど。優勝者がいわゆる"ゲーマー"ではないというのは,普段あまりゲームを遊ばない人をも熱中させるパンヤらしい結果で,非常に興味深いですね。どうもありがとうございました。
決勝戦のあとは,表彰式のほか,Tシャツやマグカップなどのもらえるジャンケン大会が開催され,イベントは終了となった。 なおこのイベントの模様は,公式サイト内の「こちら」でも公開されている。
パンヤを運営するゲームポットの植田社長によれば,現在本作の登録アカウント数は50万以上,同時刻にゲームをプレイしているアカウントの数(同時接続者数)はピーク時で1万3000にのぼるという。クライアントソフトとプレイの基本料金が無料であることに後押しされているとはいえ,この数字は運営開始してから間もないタイトルとしては,優秀なものだ。しかも本作の場合は,1回のプレイ時間が長いMMORPGではなく,1プレイがせいぜい30分程度というゲームシステムなのだから,むしろ"凄い"数字だろう。 その人気を裏付けるかのように,2005年2月13日には本作の同人イベントも開催されている。知ってのとおり,こういった有志によるイベントは一定数以上の(しかもかなりパワフルな)プレイヤーコミュニティが存在しなければ実現しないものである。 ライトユーザー向けの韓国産タイトルにはこれまでMMORPGが多かったが,このパンヤのような"より短時間で,より気軽に"楽しめる作品が,今後新たな注目を集めることになるのかもしれない。(ライター:星原昭典)
「スカッとゴルフ パンヤ」 →公式サイトは「こちら」 →紹介ページは「こちら」
両端の写真でマイクを握っているのは,司会を務めたゲームポット オンラインゲーム事業部の竹井氏。関西出身者(三重県出身とのことで,1回戦での東大チームと近畿大チームの戦いでは,地元の近畿大をつい応援しちゃった模様)らしい絶妙のトークで会場を沸かしていた。写真中央は,自ら選手達に授賞していた,ゲームポット社長の植田氏
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