[韓国ゲーム事情#306]Webzenが問題作を含む新作タイトルを発表
Kimの韓国最新PCゲーム事情#306
WebzenがCIを一新し,新作6タイトルを公開(2005/2/17)
Text by Kim Dong Wook特派員
Kim Nam Joo氏(左)と,David Jones氏(右)。NC Softとリチャード・ギャリオット氏の関係を思い出す人も多そうだ
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「Mu Online」(邦題 ミュー 〜奇蹟の大地〜)の開発元であるWebzen社は,2005年2月15日にソウルのグランドインターコンチネンタルホテルで,業界関係者500人以上を招いてプロジェクトカンファレンスを開催した。ここでは自社の新しいCI(コーポレート・アイデンティティ)と,新作6タイトルを発表した。
同社は,米NASDAQに上場しているにも関わらず,これまでにMu Onlineの後継作の正式なアナウンスがなかったため,業界関係者にはゲームデベロッパとしての先行き不安感が漂っていた。しかし今回のカンファレンスで同社は,自社開発の新作MMORPG「SUN」(Soul of the Ultimate Nation:プロデューサーインタビュー記事は「こちら」)を含む新作タイトルを発表。また,"Grand Theft Autoシリーズ"の開発で世界的に知られるDavid Jones氏の新作MMO「All Points Bulletin」(APB)の海外パブリッシングの発表を行い,いままでの不安感を一気に払拭した。今後は,「八つの開発スタジオを持つデベロッパ」と,「海外市場へのパブリッシャ」の2面で同社のイメージを確立していくようだ。
Webzen社が開発している新作MMORPG「SUN」
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同社の海外パブリッシャとしての最初のステップは,APBにおけるワールドワイドの版権契約の締結となった。 APBは,英Real Time World社の共同設立者の一人であるDavid Jones氏が手がけるMMOG。同氏は世界的なヒット作となったGTAシリーズや,世界中で2000万本以上のセールスを記録した「Lemmings」(レミングス)の制作者として知られている。今回の契約のために訪韓した同氏は,「一人のゲーマーとしてマルチプレイゲームの独特の楽しさにはまり,オンラインゲーム開発を本格的に計画した。また,韓国はオンラインゲーム先進国として蓄積されたノウハウがあるので,今回Webzen社とパートナシップを締結するに至った」とコメントしている。 一方,Webzen社CEOのKim Nam Joo氏は,「APBは驚くほどの自由度がある作品で,Webzenのグローバル戦略に合致するタイトルとして,海外市場開拓の第一歩として十分に期待できる」とコメントした。
会場で公開された新作タイトルは,同社の次期主力MMORPG「SUN」のほか,Unreal 3エンジンを採用したMMOFPS「Huxley」,アクションRPGの「Parfait Station」,可愛いらしいキャラクターが特徴的な,コミュニティ重視のMMORPG「Wiki」,Jones氏の"Hybrid MMOG"「APB」,そして三国志の世界観を採用したアクションMMORPG「一騎当千」の計6タイトル。 とまぁラインナップは豊富に見えるが,来場者からは,失望の声も上がっていた。というのも,上記のうちのWikiが,キャラクターデザインや色調などで任天堂の「ゼルダの伝説−風のタクト」に非常に似ており,今後海外市場に進出していく同社にとって,いろいろな問題を巻き起こしそうであったからだ。韓国メディア関係者達も,Wikiは「BnB」や「Kart Rider」に続いて韓国ゲーム業界の企画力のなさを再度証明しそうなタイトルであり,"オンラインゲーム先進国"と言われているのが恥ずかしく感じるといったコメントを繰り返していた。
なお4Gamerでは,今回公開された同社の新作について,より詳細な情報を入手中だ。追って紹介できると思うので,お楽しみに。
左列:「ABP」。GTA Onlineとなるのだろうか? 中列:この日の裏の"主役",「Wiki」 右列:成長の概念が存在するオンラインFPS「Huxley」
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左列:日本,台湾市場向けに開発されている「Parfait Station」 右列:「一騎当千」こちらは中国,台湾市場をメインターゲットとしている
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