[GDC#01]Microsoft,開発ツール「XNA Studio」を発表
Microsoftは,次世代XboxやPCにおけるゲーム開発を効率化するための開発ツールキット,「XNA Studio」を発表した。開発チームのマネージメントを支援するこのツールは,XNAプラットフォームでのゲーム開発に,大きな影響を及ぼすことになりそうだ。
高解像度のグラフィックスや密度の高いコンテンツが求められるにつれ,ゲーム開発の作業ばかりでなくプロセスそのものが複雑になってしまうのは,昨今の開発者の悩みとするところだ。MicrosoftのXNAは,DirectX,HLSL(High Level Shader Language。Programmable Shaderを使ったプログラムをC言語ライクに組める,Microsoftの高級言語セット),XACT,PIX,Xaudio APIなどを統合したDirectX(とXbox)用プラットフォームとして知られるが,これに新しく「XNA Studio」と呼ばれるソフトウェアが追加されることになった。
XNA Studioは,コンテンツクリエイターやプログラマばかりでなく,マネージメントや品質管理のスタッフまでが共通のフレームワークを利用することで,ゲーム開発のワークフローを単純化し,「開発期間」の実時間をより開発そのものに注ぎ込めるように考案されたものである。 XNA Studioのベースとなるのは,Microsoftの「Visual Studio 2005 Team System」と同じシステムであり,アセット管理,プロジェクト・オートメーション,バグ/欠陥追跡,作業リストなどのツールが加えられている。 MicrosoftのXNA担当マネージャー,クリス・サッチェル(Chris Satchell)氏はプレスリリースの中で,「消費者の(ゲームに対する)期待はますます高まっており,ゲーム開発チームにとっては多大なプレッシャーになっている」と語る。従来のように素材が追加されるたびにプログラマが調整をするといった作業でなく,一つのフレームワーク内で円滑なコミュニケーションのもとに開発が行われることになり,より簡潔で効率的な開発プロセスが実現するわけだ。
XNA Studioは,「ゲーム開発のためのVisual Studio」と表現して間違いない。「開発ソフトが次世代ゲーム機の鍵を握る」と公言するMicrosoftだけに,開発チームの大小を問わず,XNA Studioで開発現場の効率化が図られるだろう。(奥谷海人)
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