[GDC#13]Unreal Engine 3ライセンス作品「RoboHordes」
今年のエキスポは,NVIDIA社,ATI社,Intel社の各ブースでのゲームデモが少なく,ちょっぴり寂しい感じだ。しかし,目ぼしいタイトルがなかったわけでもない。その中で一番目立っていたのが,ロサンゼルスをベースにするNaked Sky Entertainment社の処女作「RoboHordes」。RoboHordesは,独立系の会社や学生によるゲームソフトを展示しているIGF(Independent Game Festival)にもエントリーしている作品である。 IGFには,資本金2500万円以下などの参加資格があるらしいが,Naked Sky Entertainment社はRoboHordesの制作でUnreal Engine 3を正式にライセンスしている。しかも,Intel社やNVIDIA社のスポンサードを獲得できており,IGF出品作品の中でも最もプロ化している開発チームの一つといえるだろう。 Intel社との提携でPentium Extreme Editionのデュアルコア・プロセッサにオプティマイズしており,その文句なしの技術力に,アマチュア臭さは微塵も感じられない。ほかにもGDC期間中にLuxology社の3Dモデリングツール「modo 102」を採用すると発表しており,非常に元気のいい若手チームであるのは間違いないだろう。 同社社長のティエン・ムー(Tien Mu)氏も,「実は,3人でチームをスタートさせて3年になるんだけど,ようやくここに来てうまく回り始めたことを誇りに思っているよ」と,筆者に対して前向きなコメントを聞かせてくれた。
このRoboHordesは,三人称視点カメラで青いロボットを操るアクションゲーム。"ホード"(群れ)というタイトルが示すように,今回のデモのために用意されたアリーナ型のマップでは,四方にある扉から一定時間ごとに数体の敵ロボットが飛び出してプレイヤーを攻撃してきたり,自爆ロボットが現れて体当たりしてきたりする。攻撃に手間取っていると,敵はワラワラと増えていくのだ。 小さなマップなのでUnreal Engine 3の性能がうまく発揮されていたとはいえないものの,ノーマルマッピングが施されて非常に緻密に見えるロボット達や,セルフシャドウ効果などから,このグラフィックエンジンの性能を垣間見られる。Unreal Engine 3はAgeia社の「NovodeX」という物理エンジンを採用しているが,RoboHordesではNaked Sky Entertainment社が独自にカスタマイズしているらしく,グラフィックスのフレームレートとは関係なく物理部分は常に200fpsのレートを保つのだという。このことで,「グラフィックス側で重くなるようなことはあっても,アクション自体はスムースに感じられる」(ムー氏)のだそうだ。
現在のところ,販売元を探し始めたばかりとのことで,発売のメドはたっていない。果たして,「初めて公開されたUnreal Engine 3作品」というキャッチーなコピーに負けないだけのゲームになるだろうか。(奥谷海人)
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