Windowsで「GPUBench」を動かそう(ビューア付き)
ビデオカードの性能を見積もるには,主にベンチマークテストが使われる。ゲーマーに重視されるのはゲームベンチだろう。最近はベンチのために作られた専用プログラムを動作させるのではなく,実際に対象のゲームを(ベンチマーク機能を持っていなくても)そのままにパフォーマンスの概要を調べる手法が出てきたので,ゲームベンチとしてのベンチマークテストは充実してきている。 しかし,「なんであっちのゲームではいい成績なのに,こっちのテストでは性能が出てないんだろう」といった疑問を感じたこともあるのではないだろうか。ビデオチップの特性によって得手不得手は存在する。じゃあ,それはどのような部分なのだろうか?
今回紹介するのは,GPUBenchというOpenGL系のベンチマークテストだ。DirectX系ではないので,ゲームでの性能の指標として使ったり,総合的なシェーダ性能を計るには微妙なのだが,GPU内部の演算機能を個別にテストするなど,各ビデオチップの特性を知るには適したベンチマークだといえるだろう。
このベンチがあまり大きく扱われているのを見たことがないのだが,その理由の一つに「Windowsでは動かしにくい」という点が挙げられるだろう。 「なんじゃそりゃ?」と思う人も多いかもしれないので軽く説明しておくと,(もちろんWindows版のバイナリファイルで配布されているのだが)基本的にUnix系の環境で動作させることを前提としているものなのだ。 そんなわけで,GPUBenchをWindowsで動作させる手順を以下に紹介したい。
############ 注意 ############### 初心者の人には少し難度の高いプロセスになるので,以下の文章の内容を確実に理解できない場合は着手しないでください。 ##############################
まず,Sourceforge.netの「こちら」からバイナリを入手する。とりあえずインストール(ファイルを展開するだけ)しよう。ドキュメントは付属しているものの,テストの実行方法などの当たり前の部分は省略されているので,ちょっと分かりにくいかもしれない。 展開されたファイルを見ると,binディレクトリにはそれぞれのテストプログラムがある。これは単体でも起動できなくはないが,テスト条件などの指定が面倒だ。scriptsにあるテストスクリプトはPerlで書かれていることが分かる。Windowsでは標準でPerlが動いたりはしないので,ActivePerlなどをダウンロード(「こちら」)して,インストールしておこう。これで下準備は完了。 次に,スクリプト自体を書き直す。Unix系のShellで動作させることを前提としているので,ファイルのパス区切りを「/」から「¥」に変更する必要がある。一括置換ツールを使っている人なら, $outputDir/ → $outputDir\\ bin/ →bin\\ に変更すればよい(¥はむろん半角文字)。一括置換ツールがない場合はメモ帳などでscripts内のファイル全部を書き換えればよい。
起動はGPUBench.plからだが,カレントディレクトリをインストールディレクトリにしておかないといけないので,インストールしたディレクトリ(binなどの見えるディレクトリ)にバッチファイルを作っておこう。バッチファイルは, perl scripts/GPUBench.pl test といった1行のものでいい。 これを起動するとテストが進行するはずだ。途中でエラーが出てくるが,それは無視で。
このテストの結果は,本来.jgrファイルというJavaのグラフライブラリ用のフォーマットで出力され,それをPDFにするという手順を踏んでいるのだが,Windowsの標準インストール環境ではそのような操作を行う指定されたコマンドは存在しないので,当然出力も出てこない。 そこで,jgrフォーマットをWindowsで表示するツールを作成した。 使用法はいたって簡単。起動して,.jgrファイルをウインドウに放り込むだけ。フルキー側の「1」と「2」キーでグラフのタイプを変更できる。「0」で凡例の表示ON/OFFだ。3D表示状態ではCtrlキーを併用することで,グラフをつかんで回転できる。 GPUBenchを使用する人は活用してほしい。 (aueki)
→JgrDrawToolのダウンロードは「こちら」(1.8MB) →GPUBenchの公式サイトは「こちら」
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