「リネージュII」発表会開催 クロニクル3は5月18日正午から!
エヌ・シー・ジャパンは本日(4月5日),同社が運営を行うMMORPG「リネージュII」のプレスカンファレンスを開催した。そこでは,同作の次期大規模アップデート"クロニクル3 Rise of Darkness"の内容と実施時期,マーケティングプランなどが発表された。 先ほど「こちら」のNewsでも情報公開されたが,クロニクル3の実装時期は2005年5月18日の正午が予定されている。本家韓国での実装から約2か月(韓国では3月に実装)という,今までよりも短いスパンでの実装となるようだ。
※既報の情報もあるので「こちら」でも確認してほしい
カンファレンスは,同社CEOのキム テク ホン氏の挨拶から始まった。 過去に開催された同様のカンファレンスでは,プレイヤー向けの言葉を交えて挨拶していた同氏だが,今回はプレス向けの言葉に終始していた。いつもとは明らかに違う調子に,我々メディア陣も少し面食らったが,これは,同作が好調な伸びを見せていることによる自信の現れかもしれない。同作の有料課金者数と最大同時接続者数は,それぞれ約9万5000人と約4万2200人というもの(共に2005年3月時点)。つまり,国内でのトップ5に入るほどの数字を示せたわけだ。
次に登壇したのは,同作のゲームデザインチーム長のパク ヒョン ギュ氏。同氏は今回のカンファレンス(日本でのクロニクル3発表)のために来日。カンファレンスではクロニクル3の特徴として,"セブンサイン"と,"すべてのプレイヤーが楽しめる要素"の二つを挙げていた。 セブンサインの詳細は後述するが,これまでのゲームシステムとはコンセプトから異なっているのが特徴的。いままでの攻城戦,PvPといったプレイヤー同士の直接的な競争ではなく,間接的な競争(スポーツ的という表現だった)となっているのだ。またパク氏は,セブンサインを本作の「世界観やストーリーを分かりやすく伝えるための手段」としても位置づけているとも語った。 韓国産MMORPGには,PvPや攻城戦をメインフィーチャーとしているものが多いが,これらは女性やライトゲーマー,ひいては日本人の国民性から考えると,少し受け入れにくい部分があることは否めない。ここにメスが入れられて,日本でも受け入れられやすい"形"で実装されたわけだが,これは以前にNC SoftのCEOであるKim Tack Jin氏(T.J. Kim氏)がインタビュー(記事は「こちら」)で公言していた「クロニクル3以降では,日本のプレイヤーの意見が取り入れられる」というのが,ある意味実現できた部分といえるだろう。
上段右は,エヌ・シー・ジャパンCEOキム テク ホン氏。下段右はゲームデザインチームのパク ヒョン ギュ氏
|
|
|
|
|
|
|
|
|
光(アナキム)と闇(リリス)の対比をコンセプトとしたメインヴィジュアル
|
さて,その後はエヌ・シー・ジャパンのビジネス2チーム長の越知氏が登壇し,クロニクル3の情報を詳細に紹介していった。要素が多岐にわたるので,項目別に紹介していこう。
■2勢力がぶつかり合うセブンサイン
セブンサインとは,プレイヤーが"黎明の君主たち"と"黄昏の革命軍"の二つの勢力に分かれて争うというシステム。"黎明の君主たち"勢力には,アデン大陸に六つ存在する城を所有する血盟(同盟も含む)に所属するプレイヤーが参加でき,"黄昏の革命軍"勢力には,それ以外のプレイヤーが参加できる。 同作で城を所有するためには,多数のプレイヤーが協力しなければならず,ゲーム内人口の割合からすると,一部の人(コアプレイヤーなど)しか楽しめなかった。ライトプレイヤーにとっては,多数のプレイヤーを集めることすら困難なので,"城を所有する"ことに興味が湧かない人も多かったのではないだろうか。しかしセブンサインでは,ライトプレイヤーも革命軍の一員として,立派に活躍できるのだ。 またセブンサインは,その名の示すとおり七つの封印が関わってくるのだが,クロニクル3開始時点では,そのうちの3種(貪欲の封印,啓示の封印,戦乱の封印)が実装される。この3種の封印をめぐって,2勢力がぶつかり合うことになる。
●セブンサインの二つの勢力と参加制限 ▲黎明の君主たち ・城所有血盟(城別に+300人) ・城所有同盟(城別に+300人) ・5万アデナを寄付したプレイヤー ▲黄昏の革命軍 ・非城所有血盟 ・血盟に所属してないプレイヤー ※1次転職〜レベル40未満のプレイヤーは両勢力に自由参加可能
このセブンサインは,2週間で1ターン(前半1週間が競争フェイズで,後半1週間は反映フェイズ),勝敗はポイント制で決定というルールで行われる。つまり,平日は短時間しかプレイできないという人や,普段は少数の仲間だけで遊んでいるという人でも,無理なく参加できるというわけだ。 このポイントは,新規追加ダンジョン(16種類あるとのこと)などでモンスターを倒すと出現する"封印石"の収集と,闇の祭典(ダークフェスティバル)でポイントを獲得することとで得られる。競争フェイズ終了時にポイントが多かった勢力が勝利となり,反映フェイズでいろいろな特典が得られることになる。 ちなみに,封印石はNPCに渡すことでポイントに変換されるので,しばらく保存しておき,タイミングを見計らって大量にポイント変換するということも可能かもしれない。 一方のダークフェスティバルは,専用のフィールドで,18分の間にどれだけモンスターを倒せるかというもの。レベル32未満,レベル43未満,レベル54未満,レベル65未満,無制限の5段階のランクが用意されるので,自分に合ったランクでポイントを稼げるのも面白いところだ。
セブンサインの特典は,大きく以下の5種に分けられる。セブンサインの結果によって攻城戦にも多大なる影響が生じてくるので,城を所有する血盟は多方面での戦略が必要となってくると思われる。
●セブンサイン勝利時の特典 1:ダンジョンの独占(凶星のカタコムや聖者のネクロポリスなど) 2:2人の特殊NPCに会うことができ,Aグレード二刀流製作や特殊能力付与,特殊アイテム購入などが行える 3:アナキムとリリスのボスモンスターに挑戦できる。討伐できればAグレード武器が得られたり,ソウルストーン11,12段階への成長が可能となったりする 4:城の防御力の増減など,攻城戦への影響 5:空が勝利勢力に応じたものに変化(黄昏勢力だと明るく,緑色の空に。黎明勢力だと青い月が出現し,空は紫色に染まる)
全体的にいえることは,ほぼすべてのプレイヤーが楽しめるようなルールとなっていることだ。いままであまり城に興味がなかったという人でも,セブンサインの実装で身近に感じられるようになるのではないだろうか。
クロニクル3の"目玉要素"となるセブンサイン。ほとんどのレベル帯のプレイヤーが参加できるのが嬉しい。上段左は,ビジネス2チームの越知氏
|
|
|
|
|
|
■新たな可能性の追求となるサブクラス
サブクラスシステムとは,レベル75に到達したキャラクターが,二つめのクラスを育てられるというもの。サブクラスは,クロニクル3で追加される新クエストをクリアすることで可能となり,決められた二次職(レベルは40)から一つを選択することになる。 ちなみに,サブクラス時はメインクラスのスキル,能力値などは反映されないので,それほど優位というわけではないことに注意。また,クロニクル4で実装予定のシステムでは,サブクラスもレベル75にすると"英雄"になれるとのこと。英雄の詳細は不明だが,単なる称号だけではないことに期待したい。
■攻城戦の戦術が変わるか!? CPシステム実装
CPとは,Combat will Point(闘志)のことで,PvPシステムに関係するシステムだ。いままでヒーラーなどの後衛職は,弓職の一撃で瀕死となってしまうことが多く,まともに対峙しての戦闘というのはマレだった。CPはこれを改善するべく採用されたもので,PvPにおける各職業のバランシングを目的としている。 具体的には,各職業にHPとは別にCPが用意され,プレイヤーの攻撃を受けるとまずそれが減少していくのだ。HPが少ない後衛職は多めのCPが付与される(例えばレベル75のシリエンエルダーは,1520ポイント)ので,これまでのような"あっという間に倒される"といったシーンは減るのではないだろうか(レベル差による補正はCPシステムでも緩和できなさそうだが)。
■新規プレイヤーの特典と遊びやすさの向上
クロニクル3では,新規プレイヤーへの特典やプレイアビリティの向上といった部分でも改良がなされている。 大きな改良点は,
・ステータスウィンドウが見やすくなる ・クエストウィンドウに表示される内容が詳細になる ・村の地図の追加 ・ショートカットバーの登録数が12に増加
など。普段よく使う機能を重点的に改良されているのが,嬉しいところだ。 新規プレイヤーの特典は,大きく分けて4種類。1次転職までが一つのハードルとなっていた本作で,序盤がプレイしやすくなったことは大いに評価できるだろう。
●新規プレイヤーの特典 ・ノングレードショットの提供(レベル25以上のキャラクターがいない場合,レベル6,レベル9〜12のときに受けられるクエストをクリアすると,ノングレードソウルショットなどがもらえる) ・村で,NPCが無償で補助魔法をかけてくれる(持続時間は60分) ・差額で装備品の交換が可能 ・初心者案内書の実装
■Aグレード装備追加と,究極の乗り物ワイバーン
クロニクル3で,ついにハッチリンがワイバーンまで成長可能となる。ワイバーンは以前から,城主のみが所有できるものと発表されていたが,その緩和は行われず,やはり城主のみの乗り物となっている。ワイバーンはストライダーに騎乗した状態で,各城にいるNPCに話しかけると変化する。移動に非常に便利なので,一つの目標としてがんばってみるのもいいかもしれない。 またAグレード装備には,10種以上の武器と4種の防具(大枠でカウント)が追加される。防具は,1種につき重装備,軽装備,ローブが用意されるので,トータルでは12種になる。本家韓国では,Aグレード武器はソウルショットの価格によって人気はイマイチといったところらしいが,防具はすべて新グラフィックスとなっているので,人気が高いようだ。
越知氏によるクロニクル3紹介の後は,マーケティングプランが発表された。現在では一般的となってきた"推奨PC"は,リネージュIIモデルだけで1万5000台(2004年)の売り上げを突破しているとのこと。また,Yahoo! BBとのコラボキャンペーン,ネットカフェでの「ビューティアップキャンペーン」などを展開していくようだ。 このような流れで,カンファレンスは終了。途中でクロニクル3のムービー(日本語音声解説と字幕付き)が流されたが,重厚なBGMと人気声優の榊原良子さんの組み合わせが実に見事で,圧倒された。このムービーは公式サイトで公開されている(「こちら」)が,掲載許可が下り次第,4GamerにもUpする予定だ。お楽しみに(内容は「こちら」にUpした本家版と同じ)。
セブンサイン以外にも,インタフェース改良など遊びやすさの向上を追求している。下段中央は新武器のダークリージャン,同様に下段右はソウルボウ
|
|
|
|
|
|
このプレスカンファレンスの後には,"ファンサイトカンファレンス"が行われた。こちらは,同作のファンサイトを運営しているプレイヤー50人が集まって開催されたが,クロニクル3についての内容はプレスカンファレンスとほぼ同様のものだったので割愛しよう。 面白かったのは質問コーナーで,出席者が事前に送った質問に順次答えていくという形式だったが,パク氏がクロニクル4で実装予定のものまで発言していたのだ。ここはQ&A形式で掲載しよう。
Q1: ペットのテイムシステムは実装予定ですか?
A1: テイムシステムは実装予定には入っていません。現在でもペットシステムのバランス調整を行っているところなので,それが終了してから考慮します。
Q2: いくつかのファンサイトが集まって,プレイヤーの生の声が反映された攻略本を出したいのですが。
A2: 実際にプレイヤーが作っていく攻略本は,理想形の一つと考えています。企画書があればどしどし送ってください。
Q3: 料金の値下げはありますか?
A3: 現在は考えていません。今後の可能性としては,長くプレイしてもらうためにも時間チケットなどを導入するかもしれません。
Q4: テンプルナイトに三つめのキュービックは実装されないのでしょうか。
A4: クロニクル3では入りませんが,クロニクル4で実装する予定です。
Q5: クロニクル3で新しい補助魔法(Buff)が追加されましたが,20個の上限を引き上げることは考えていますか?
A5: 現状では考えていません。モンスターや狩場によってどの補助魔法をかけていくかを変えていくようなバランシングをしていますし,モンスターにも特色がでるようにしています。
Q6: いままでに面白いユーザーイベントはありましたか?
A6: クリスマスを一人で過ごす人イベントや,ギラン城の村での踊りイベント,種族戦イベントは面白そうでした。韓国ではファッションショーなどが行われていますね。
ファンサイトカンファレンスでは,約2か月の遅延でクロニクル3が実装されることに驚いていた人が多いのが印象的だった。実際,T.J. Kim氏の過去の発言には,各地域のローカライズ遅延をなるべく短くしていきたいというものもあり,それが少しずつでも実現の方向へ向かっているようだ。 クロニクル3では,日本プレイヤー向けの仕様ともいえる機能が導入されているし,同作の動向にはしばらく目が離せなそうだ。(Seal)
プレスカンファレンスの後に行われた,ファンサイトカンファレンスの模様(上段)。また出席者には,ヒューマンファイターのフィギュアがプレゼントされた。下段は,左からダーククリスタルアーマー,タラムチューニック,マジェスティックプレートアーマーの新防具
|
|
|
|
|
|
「リネージュII The Chaotic Chronicle」 →公式サイトは「こちら」 →紹介ページは「こちら」
Lineage (R) II and Lineage (R) II the Chaotic Chronicle are registered trademarks of NCsoft Corporation. 2002-2005 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Chronicle in Japan. All Rights Reserved.
|
|
|
|
|