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[韓国ゲーム事情#334]「Granado Espada」懇親会:発表会編
2005/04/20 22:37
Kimの韓国最新PCゲーム事情#334

「Granado Espada」の記者懇親会で,20分以上のムービーが公開に(2005/4/20)

Text by Kim Dong Wook特派員

 "ラグナロクオンラインの父"ことキム・ハッキュ氏が手がけている,話題の新作MMORPG「Granado Espada」(邦題 グラナド・エスパダ。以下,GE)が,最新のムービーと共にお披露目された。

 4月19日,Hanbit Soft社がオフィスを構えるソウルの専門建設会館ビル2階で,GEの現在の開発状況の報告を兼ねた,記者懇親会が行われた。
 「韓国のゲーム関連メディアは全部来た」と言っても過言ではないくらいに多くの人が集まり(韓国でこれほどのメディアが集まったイベントは,ここ最近では皆無だ),さらには日本のメディアや,ハンビットユビキタスエンターテインメントの関係者も来韓して,参加していた。
 4Gamerとしては,これまでも本作についてどこよりも詳しい情報をお伝えしてきた責任があるので(?),今回のイベントも「発表会編」と「インタビュー編」に分け,詳しくお伝えしよう。まずは発表会編,つまりこの記事をご覧あれ。



キム・ハッキュ氏
 キム・ハッキュ氏は,この日の懇親会の目的について,「GEに対するゲーマー達の大きな関心に応えるため,そして変な噂(?)を払拭して,開発が順調に進んでいることを知らせるための,中間報告」と説明した。彼はまた,「以前の作品(ラグナロクオンライン)を開発するときは,あまり外部から関心を寄せられておらず,仕事に集中できた。しかしGEでは,非常に注目されていて,実のところかなり負担になっている」という本音も漏らしていた。

 "できる限りGEのさまざまな要素を見せるために"という理由(本当にこれだけが理由かどうかはさておき)で,実際のプレイではなく,ムービーでのお披露目となった。
 このムービーは,20分以上にもわたるボリューム満点の内容だったのだが,驚いたのは,それが,社内αテストでのプレイの模様を,ゲーム自体に標準で搭載されている"Replay機能"を利用して録画したものだったということ。Replay機能といえば,RTSやレースゲームではお馴染みの機能だが,MMORPGでは前代未聞。RTS風の戦闘システムをもつ本作で,今後プロリーグなどの展開も念頭に置いたうえでの,機能かもしれない。
 キム・ハッキュ氏は,このムービーを上映しながらGEについて詳しく説明してくれたのだが,4Gamerでは「こちら」の記事などで,すでにお伝えした内容がほとんどだった。
 とはいえチラホラと初公開の情報もあったので,いくつか重要な部分を抜粋して紹介しよう。

※掲載している画像は,上映されたムービーをデジタルカメラで撮影したものです


■MCCでは,RTSのような"感覚的なプレイ"が重要

 Replay機能が搭載されていることからも分かるように,同作のMCCシステム(複数のキャラクターを同時に操作するシステム)は,「StarCraft」や,あるいはRPGの「Dungeon Siege」のような,RTS的な操作方法となる。
 そのため重要なのが,RTSのように"感覚的に"プレイできるかどうか,だ。GEの場合,Ctrlキーを使ったショートカットやマウスのドラッグでキャラクターを選択できるなど,RTSで一般的な操作方法を踏襲している。また,マウスのみでの操作も可能だ。ダメージを受け,瀕死の状態のキャラクターを後方に下げる場合も,マウスで簡単に指示できる。

 もしプレイヤーが操っている"リーダー"キャラクターと,ほかの二人のキャラクターとが遠く離れてしまっても,AIによって,その二人はリーダーの近くへと戻ってくる。次のマップに移動するためには,3人のキャラクターが全員一緒にいなければならない。
 一般的なMMORPGに比べて,かなりズームアウトできるのも,RTS風ライクだといえる。そのほうが,多くのキャラクターが戦い合う戦闘の状況を把握しやすいからだ。


■インスタンスダンジョンと,クリーチャーの存在

 GEの世界は,大きく分けて"村" "フィールド",そして"ダンジョン"で構成されている。村では,NPCからクエストを受けたり,NPCを仲間にしたり,ほかのプレイヤーとキャラクターのトレードを行ったりできる。フィールドでは,比較的ライトな狩りが行え,本格的な冒険と戦闘は,ダンジョンで行うことになる。

 Kim. Hakkyu氏は,「より躍動感のある戦闘を実現するため,ダンジョンをインスタンス単位で構成した」と説明する。
 ダンジョン内では,さまざまな伝説と宝物がプレイヤーの期待に応えてくれるわけだが,GEの場合,そういったこと以外に,個性的なモンスター達と彼らの習性を見るのも楽しいらしい。実際に,この日のムービーに登場した巨大なモンスター"ガーゴイル"も,非常に個性的なビジュアルだった。

 GEの"モンスター"は,ほかのゲームと同様,実にどう猛な存在だが,"クリーチャー"はちょっと違う。彼らは臆病で穏やかな性質を持ち,プレイヤーキャラクターが攻撃しても反撃してこない。クリーチャーの武器は,ただ速い"逃げ足"のみ。
 このクリーチャー達の存在についてキム・ハッキュ氏は,「従来のMMORPGでは,最初の町の周辺には低レベルのモンスターがたくさんいた。しかし,それこそプレイを始めたばかりの人以外には,このモンスター達はまったく無意味な存在だった」と語る。つまり,このクリーチャー達には,キム・ハッキュ氏ならではの哲学が込められているといえそうだ。


■リアルなグラフィックスと,格闘ゲームのような戦闘シーン

 17〜18世紀のヨーロッパの街並み(時代考証もしっかり行われたそうだ)を思わせるマップ,美麗なフィールド,そして自然環境(木の葉,草など細部まで!)がリアルに再現されている。ムービーでは,村内の噴水広場,シナリオ上の重要な存在である"エスパダ"の銅像が立つ街の大門も見られた。また,フィールドに落ちている"アイテム"からは白い光の柱のエフェクトが出ており,すぐに認識できるようプレイヤーの便宜が図られていた。
 これらグラフィックスは,互換性を考慮して,ピクセルシェード機能を使わずに描いたものなので,古いビデオカードを搭載したPCでも,高いクオリティの映像を堪能できるようだ。
 ダンジョンで行われた戦闘では,15人のプレイヤーからなるMCCチームメンバー(つまり総勢45人のキャラクター)が,剣や魔法スキルを使って豪快な連続攻撃を繰り出していた。攻撃されたモンスターが後方へ飛んで倒れる姿は,まるで格闘ゲームのようだった。

※掲載している画像は,上映されたムービーをデジタルカメラで撮影したものです


 まだ開発中のαバージョンである本作は,システム的には不十分な部分もあるものの,MCCを含めた同作が目指すゲーム性と,過去にキム・ハッキュ氏が語った「従来のゲームとは違うということを,一目見ただけの人にも見せつけなければならない」という思いが,20分以上のムービーから伝わり,期待が高まってきた。

 さて,インタビュー編も近日中に掲載しよう。お楽しみに。

「グラナド・エスパダ」
 →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」

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【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.04/20050420223742detail.html