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「信長の野望・革新」他大名と交渉し文化人を活用する外交の概要
2005/05/13 21:30
 各方面で期待の高まるシリーズ最新作「信長の野望・革新」。今週は外交のシステムについて情報をお届けしよう。戦国時代を含む中世全期間を通じて,広く行われた"人質"による契約保証や,"無縁"の人である僧侶を使った仲介的な外交交渉など,なかなかに興味深いルールになっている。
 本作で外交の対象になるのは,他大名/他勢力および,文化人(茶人・公家・僧侶・南蛮人)であるが,まずは他大名/他勢力との交渉から見ていこう。



■人質を取り交わし,技術移入も可能な対他大名外交

 システム全体についてはまだ明かされていないものの,本作における対他大名/他勢力外交の核となるのはもちろん同盟の締結だ。攻勢に出る方向/対象を限定して互いに背後を守り合う,肩を並べて強大な敵に対抗する,事実上の傘下に収める/収まるなど,現実に意味するところはさまざまだが,とにかく他大名/他勢力とよしみを通じ,協力して事に当たることが可能になる。
 そしてどうも,本作の同盟には期限が設定されており,攻守同盟,不戦同盟といった細かな分類はなされていない。同盟を実際にどう機能させるかはプレイヤーの手に大きくゆだねられているようだ。

 その同盟締結交渉に当たって,本作で興味深いのは相手が"人質"を求めてくることがある点だ。人質といっても,現代の強盗立てこもり事件などにおけるそれを想像してはいけない。自家の部将を差し出すことにはなるものの,その武将は一種の客分として他家で活躍することになるし,同盟の期限が来れば自動的に帰される。また,姫を差し出すこと,つまり「婚姻」を求められる場合もあるようだ。そしてもちろん,不幸にして同盟が決裂する,とくにこちらから破棄したりすれば,彼ら彼女らも無事には済まない。
 史実においても,大名の一族や重臣の子弟が差し出されることは多く,これらは純粋に誓約関係の担保として機能したわけだが,よく知られているように徳川家康は松平家から今川家に差し出された人質として今川家で成人し,今川義元配下の将として活躍した。今作ではそういった例が踏まえられているわけだ。

 同盟を結んだ相手には援軍を要請できるほか,自家で研究できない技術の供与を依頼することも可能だ。そして,そうした交渉にギブ&テイクで臨めるのも,本作の面白いところだろう。
 画面にあるように,相手が求める「旗指物」技術の見返りとして,金銭を要求することや人質の返還を要求すること,あるいは自家にない「三間槍」技術の反対供与を求めることも可能だ。さながらクロスライセンスである。



■文化人との交流で家宝や新技術を入手,外交も有利に

 さて,他大名/他勢力との外交関係のみならず,文化人達との交流も重要である。既報のように今作では町並行政システムにより,商人町を設ければ茶人が,門前町を設ければ僧侶が,公家町なら公家が,南蛮町なら南蛮人が訪れるようになる。これらの人々と交流を持つことには,固有のメリットがある。

 まず,茶人は「家宝」を売ってくれる。"信長の野望シリーズ"で定番のシステムとして,この家宝を「賞罰」コマンドで配下の武将に与えることにより,忠誠が期待できるのみならず,その武将の各種能力がアップする。家宝には10から1までの等級が定められており,その高さに応じて効果が増していく。
 僧侶には,停戦交渉や捕縛された武将の解放など,外交の仲介を頼める。彼らを特定の交渉に連れて行くことで,交渉のテーブルに着いてくれない相手でも応じてくれたりするが,逆に他家が出してきた僧侶に,してやられることもあるという。
 公家に頼めるのは(金銭と引き替えにした)官位の斡旋だ。大名自身が官位を得ることで能力が伸びるほか,大名がより上位の官位を手にすれば,それ以前に持っていた官位を配下の武将に授与できるため,配下の能力上昇と忠誠を期待できる。
 そして,南蛮人無償で技術を供与してくれたり,鉄砲を大量に提供してくれたりと,実にありがたい存在だ。「大筒」など強力な新兵器の技術が手に入ったりもするので,可能な限り親交を深めておきたい。

 民俗学を援用した"社会史"の研究成果,その文脈を取り入れることで,懐を広げていく"信長の野望シリーズ"の最新作。こうした新規要素がより深いゲーム性を添えてくれることに期待したい。(Guevarista)


信長の野望・革新
■開発元:コーエー
■発売元:コーエー
■発売日:2005/06/22
■価格:1万1340円(税込),プレミアムBOXは1万3440円(税込)
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050513213023detail.html