ニュース
Warner Bros.&SOE,アメコミをベースにしたゲームの開発を発表
2005/06/20 14:18
「The Matrix Online」
 「Star Wars Galaxies:An Empire Divided」(邦題 スター・ウォーズ ギャラクシーズ 完全日本語版)や「EverQuest II」(邦題 エバークエストII)などの人気MMORPGをサービス中のSony Online Entertainment(SOE)と,Warner Bros. Interactive Entertainmentは,アメリカンコミック出版大手のDC Comicsとの間で,同社のキャラクターを使用したゲームを開発する契約を締結したと発表した。

 この契約には,現在正式サービスが行われている「The Matrix Online」の獲得も含まれており,今後はSOE傘下のゲームの一つとしてサービスが提供されるようだ。SOEでは,この契約に基づきDCコミックスのキャラクターが登場するMMORPGを,2007年第4四半期に発売する予定となっている。

 DC Comicsといえば,スーパーマンやワンダーウーマン,そして先頃最新映画が封切りされたばかりの「バットマン」といった,世界的人気を誇るスーパーヒーローを擁している,アメコミ界の大御所。「スパイダーマン」や「ハルク」でお馴染みのMarvel Enterprisesと人気を二分しているのは,ご存知のとおりだろう。

 近年はElectronic Artsをはじめ,ActivisionやVivendi Universal Gamesといった北米のPCゲーム大手バブリッシャが次々と出版社との提携を発表するなど,版権キャラクターへの需要が高まっている。映画やコミックのキャラクターは,北米ではフットボールなどのスポーツゲームと同様に人気の高いジャンル。またNCsoftの「City of Heroes」などは,原作をもたずとも比較的キャッチーなヒーローキャラクターであればゲーマーに受け入れられるということを実証した。これまで(Star Wars Galaxiesはともかく),「EverQuest」シリーズや「Planet Side」といった架空のキャラクターと世界観のゲームで勝負してきたSOEも,少し遅めのこのトレンドに乗っかった形だ。
 一方日本でも,「Star Wars Galaxies」はエレクトロニック・アーツが,「EverQuest」(邦題 エバークエスト 日本語版)はガマニアデジタルエンターテインメントが,そして「EverQuest II」はスクウェア・エニックスがという具合に,SOEとの結びつきが強くなってきている。SOEで開発されるというDC Comicsキャラクターのゲームを,どのパブリッシャが獲得するかという部分も,非常に興味深いところである。

 さて,そんなSOEの開発する超人MMORPGとなると期待せずにはいられないが,スーパーマンにしろバットマンにしろ,その世界にはたった一人しかいないわけで,プレイヤーの誰もがスーパーマンになれるわけではないとなると,一体どんなMMOゲームとなるのだろうか。「City of Heroes」のようにプレイヤーすべてが自由にヒーローを作り出すという手もあるが,別のアプローチがあるかどうかも楽しみだ。
 なお「The Matrix Online」の開発を行ったMonolith Productionsは,今後は一般的なシングル/マルチプレイのゲームを開発していくことに集中し,MMOタイプのゲーム開発からは遠ざかるのではないかと噂されている。(朝倉哲也)

左から,「Star Wars Galaxies:An Empire Divided」「EverQuest」「EverQuest II」

The Matrix Online
■開発元:Monolith Prod
■発売元:Sony Online Entertainment
■発売日:2005/03/22
■価格:未定
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.06/20050620141802detail.html