ゲームオン,大規模ギルド攻城戦「MU WORLD WAR」発表
ゲームオンは本日(6月28日),同社がサービス中のMMORPG「ミュー 〜奇蹟の大地〜」において,観客を含めて最大1600人が参加可能な大規模ギルド攻城戦「MU WORLD WAR」(ミュー・ワールドウォー)の第1回を,2005年8月7日に開催すると発表。秋葉原のインターネットゲームカフェ「Necca 秋葉原」にて,一般招待のプレイヤー30人を交えたプレスカンファレンスを開催した。
「MU WORLD WAR」(以下,ワールドウォー)は,プレイヤーが守備ギルド連合(1連合5ギルド),攻撃ギルド連合(3連合15ギルド)に分かれて"城主"をかけて戦うゲーム内イベント。準備期間,宣戦布告期間,ギルドの選定期間,発表期間,準備期間(その2)を経て,約2時間をかけて行われる大規模戦闘だ。 またこの戦闘には,対象となる連合に属していない一般キャラクターも,レベルに関係なく観客として参加できる。しかも,観客としてただ城の様子を見守るだけでなく,攻城戦に参加しているプレイヤーキャラクターに対して攻撃できるのも大きな特徴だ。
前述のとおりこの日は,公募によって招待された一般のミュープレイヤー30名もNeccaに来店し,本格実装前のワールドウォーを体験していた。ゲームオン側で用意したキャラクター,また戦闘時間は40分と非常に限定された仕様ではあるが,どのプレイヤーもこれまでにない規模の戦闘を楽しんでいたようだ。
【上段】左から,チーフプロデューサーの神津晃(こうづあきら)氏,日本語版「ミュー〜奇蹟の大地〜」プロデューサーの井上洋一郎(いのうえよういちろう)氏,マーケティンググループグループ長の朴光Y(パククワンヨ)氏
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さて,まずはザッと宣戦布告からワールドウォー開戦までの流れを掲載しておこう。
1.準備期間(始めの1週間) 守備側の城主が決定してから最初の1週間。次のワールドウォーに向けて,仲間集めなどを行う。 2.宣戦布告期間(月〜火曜日) レベル200以上,ギルドメンバーを20人以上従えるギルドマスターが,「近衛兵NPC」を通じて宣戦布告を行う。宣戦布告した連合が3個以上になると,「選定期間」が用意される。 3.選定期間(水〜金曜日) モンスターを倒して入手できる「城主のエムブレム」というアイテムを,宣戦布告を行った連合マスター,もしくはギルドマスターが「近衛兵NPC」に登録する。エムブレムの登録数が多かった上位3連合が,攻撃側としてワールドウォーに参加できる。ちなみに城主のエムブレムは,選定期間中以外でも,すべてのモンスターがドロップするほか,NPCやプレイヤーと売買したり,倉庫に保存したりもできる。 4.発表期間(金曜日) ワールドウォーに参加する連合が確定,発表される。 5.準備期間その2(土曜日) 参加の決定した連合のメンバーが,装備やアイテム,戦略などを準備する。 6.ワールドウォー開戦(日曜日)
このように,ワールドウォーは2週間おきと非常に頻繁に開催される予定である。「バトルサッカー」などとは異なり,ミューの基幹システムの一つとして恒常的に開催される定期イベントというのが,大きな特徴だ。
【開催スケジュール】 2005年7月14日(木) 初代城主決定イベント開催 2005年7月25日(月) 初代城主決定戦大勝ギルド決定 2005年7月27日(水) 初代城主決定戦「カオスアタック」開催 2005年7月28日(木) 「MU WOLRD WAR」システム実装 2005年8月1日(月) 攻撃ギルド連合宣戦布告開始 2005年8月6日(土) 攻撃ギルド連合決定 2005年8月7日(日) 第1回「MU WORLD WAR」開戦
「MU WORLD WAR」の様子。これはゲームオンからもらった画像だが,実際の対戦風景はさらに激しい攻撃エフェクトが飛び交う。それもゲームパフォーマンスが落ちないクライアントプログラムの"軽さ"が,本作のウリでもある
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■「MU WORLD WAR」(ミュー・ワールドウォー)詳細ルール
では早速,ワールドウォーのルールを紹介しよう。 ワールドウォーの戦闘は約2時間行われるわけだが,勝利条件は「2時間が経過した時点で城に"城主の刻印"を登禄している連合」となる。 具体的にいうと,守備側の城の最深部にある「ドラゴンタワー」には,守備側連合のリーダーが座る"台座"があり,攻撃側はその台座に辿り着いて,刻印登録に必要な二つのスイッチを押した状態で,30秒間の登録手続きを行わなければならない。刻印登録が終わった段階で守備側のキャラクターおよび,登録のできなかった攻撃側連合のキャラクターはすべて城の外に放り出され(リスポーン),攻守が入れ替わる。刻印登録が終わっても戦闘時間の2時間が経過していなければ,攻撃側となった元守備側も,再度落城と刻印登録を目指して,ドラゴンタワーの台座を目指せる仕組みだ。
すでにお気づきかと思うが,参加プレイヤー数は守備側が1連合(5ギルド),攻撃側が3連合(15ギルド)と,数字的には守備側が不利。しかし,これは攻撃側がドラゴンタワーに辿り着くまでに,数々の障害があることを意味している。攻撃側がドラゴンタワーに入るには,防御力と耐久力(HP)をもつ「城門」を最低で三つ,そして城内に四つ存在する「守護石像」を破壊する必要があるのだ。
城門と守護石像は,いずれも守備側が準備期間中に3段階のアップグレードができるほか,元々が強固な造りのため,攻撃側がダメージを与えるときに,武器を損傷してしまう可能性がある。どうやら門や石像を破壊する場合は,祝福のポーション(城門や石像に対してダメージ+20%・60秒間持続)や霊魂のポーション(AG回復+8・雷/アイス抵抗力+50%・攻撃スピード+20・30秒間持続)を飲んだ状態で戦うことになるらしい。
また数的に若干不利な守備側は,守護石像周辺のキャラクターを攻撃する「ガードタワー」や,100体まで雇える傭兵NPC「コマンドアーチャー」(遠距離攻撃系),「コマンドスピアー」(近接攻撃系)で攻撃側を妨害することもできる。先ほど「こちら」にUpしたムービーで,隊列を組んで一斉にヤリを突き出しているのは,ほかでもない,この傭兵NPCである。
このように多くの難関をクリアして,見事「城主ギルド」の権利を得ると,ワールド全体の税率の調整や,マップ「試練の地」の管理権限が与えられる。試練の地は,一般キャラクターの入場が制限できる,ある意味"勝利者のための"マップ。ここに棲息するモンスターしかドロップしないアイテムなど,さまざまな特典を含んでいる場所だ。
城に仕掛けられた各種ギミック,そして城主の台座に辿り着いてからの30秒間の登録時間など,ワールドウォーはかなり多くの戦略的要素をもつ。 例えば,攻撃側のギルドマスターのみが使えるアイテム「ライフストーン」を使えば,攻撃側のキャラクターのリスポーン位置を変更できる。通常,攻撃側はドラゴンタワーへ向けてなだれ込むように進軍するわけだが,その最中にキャラクターが死ぬと,タワーからかなり離れた城外でリスポーンするというキツイ仕様である。しかしライフストーンを使うことで,ドラゴンタワーの間近までリスポーン位置を近づけられるほか,キャラクターのHP,MPの回復なども行えてしまうのだ。 またそもそもワールドウォーの開戦後2時間は,一度壊れた城門や守護石像は復活しない。つまり時間が経つにつれて攻撃側がどんどん有利になっていく仕様となっており,想像するにワールドウォーは,2時間内に守備/攻撃側がコロコロと入れ替わるような展開になるのだろう。
ちなみに今回のアップデートに伴い,ワールドウォーを先行で体験できるイベント「MU WORLD WAR PREMIUM PREVIEW 02 WEST」が開催される予定。開催日は7月9日(13時より)で,場所は大阪の「茶茶漫舗 京橋本店」(会場は「こちら」※開催場所が「コミックカフェYou」から「茶茶漫舗」に変更されました【7月1日追記】)。参加応募は,ミュー公式サイトから行うことができる。このイベントではワールドウォーのテストはもちろん,参加プレイヤーへのプレゼントなども用意されているとのことなので,ぜひ来場して,試してみてほしい。
【上段】左から「ガードタワー」「守護石像」「台座」【下段】左から「投石器」「コマンドスピアー/コマンドアーチャー」「ドラゴンタワー入り口」
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■今後の「ミュー」について
ミュープロデューサーのキム・ウンヒョン(Kim Woon Hyung)氏
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この日,会場となったNeccaには,本作の開発元である韓国Webzenのミュープロデューサー,キム・ウンヒョン(Kim Woon Hyung)氏も来場。氏は,今後のミューのアップデート計画として,「MU WORLD WAR実装」「初心者中心のアップデート」「新ワールド追加」の三つを挙げていた。以下にその内容を記載しておこう。
【初心者中心のアップデート】 ・「Shadow phantom」の実装 ・アイテムのドロップ率を変更 ・スピード回復/自動回復アイテムを実装 ・村名の表示
【新ワールドの追加】 ・「Cry woolf要塞」「AIDAワールド」追加 ・「Hiddenカリルマ」追加 ・モンスター/レアアイテム追加
初心者向けアップデートにある「Shadow phantom」とは,低レベルキャラクター用に実装される新NPC。このNPCは,一時的にキャラクターの攻撃/防御力を上げてくれたり,属性を付与してくれたりするとのこと。 また新たに追加されるマップは,要塞や森を舞台にしたハイレベルプレイヤー向けマップ。とくに「Cry woolf要塞」は,プレイヤーキャラクターと同じように,近接/遠距離/魔法で攻撃してくる人型のモンスターも登場する独特の雰囲気をもつマップらしい。
今後は「あと七つ用意してある」という本作のアップデート内容を,「エピソード」という単位で実装していくとのこと。追加マップなどは,半年に1回のペースで行う予定とのことだ。
追加予定マップ「Cry woolf要塞」に登場するというモンスター。人型で,どことなく兵士の亡霊のような印象を受ける。遠距離/近接攻撃型,魔法攻撃型など,プレイヤーキャラクターに近いスキルが特徴的だ。ちなみにこの画像は,この発表会で世界初公開となったらしい
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■Webzen常務&ミュープロデューサーショートインタビュー
【上段】韓国Webzenの常務ソン・ギルソプ(Song Kilsup)氏。Webzen創始者の一人で,ミューの開発から運営,企画に携わってきた 【下段】ミュープロデューサーのキム・ウンヒョン(Kim Woon Hyung)氏
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さて最後に,この日来場していた韓国Webzenの常務ソン・ギルソプ(Song Kilsup)氏と,ミュープロデューサーのキム・ウンヒョン(Kim Woon Hyung)氏へのインタビューを掲載しておく。短い時間ではあるが,二人が日本のプレイヤーに対してどういった印象を持っているか,またミューの今後についてなどを聞いてみた。(Gueed)
4Gamer.net: はじめまして。お二人は日本には何度も来ているんですか?
ソン氏: 結構何回も来ていますよ。秋葉原は3回かな(笑)
4Gamer.net: お,やはりそうですか(笑)。 さて,今日は一般プレイヤーも交えての発表会だったわけですが,日本のプレイヤーの反応は,お二人から見てどのように映りましたか?
キム氏: ミューは,韓国ではすでに5年続いているタイトルなんですよね。なのでプレイヤーさんは"初心者用の新要素"というのにあまり興味がなく,新マップや新しいアイテムに注目する感じです。そういう意味では,日本のプレイヤーさんの反応も似たものがありますね。
4Gamer.net: 今回発表された「MU WORLD WAR」ですが,韓国ではどのように運営されているのですか? また韓国とそのほかの地域で実装バージョンの違いはどのように管理されているのですか?
キム氏: ワールドウォーは,世界共通で2週間に1回開催されます。ちなみに中国は土曜日,韓国は日曜日です。バージョンは,韓国とそれ以外の国といった形で分けています。まず韓国版に実装して,そのほかの国にはバグフィックスを終えた安定版を配布するという形ですね。
4Gamer.net: 海外展開タイトルのオーソドックスな手法ですね。 ちなみに個人的に,ワールドウォーの仕様で一番気になったのは"攻/守どちらの連合にも属さないプレイヤーも参加できる"という点です。なぜこのような仕様なのでしょうか?
キム氏: そうですね。我々は,このワールドウォーが,「バトルサッカー」のようなミニゲームやイベント性のあるものとして認識していません。 ミューのワールドを現実世界にたとえるなら,ワールドウォーに参加している人は兵士,それ以外の人はみな世界の住民となります。仮に彼らが住民だとしたら,近くで起こっている戦争を見られないというのは変ですよね。なのでギルドとは関係なく,観客として参加できるようになっています。
4Gamer.net: しかも今回は観客としてだけではなく,守備側/攻撃側問わずに攻撃も行えるらしいですね。
キム氏: ええ,たとえそのキャラクターがギルドに属していなくても,ある意味参加することができます。
4Gamer.net: そうなると,守備側/攻撃側共に,"住民の取り合い"みたいなことが発生しませんか? より多くの仲間を得たいと考えるはずですし。
キム氏: まさにそのとおりで,それがワールドウォーを恒常的に,定期的に開催する狙いでもあります。実際に1サーバー当たり1600ものキャラクターが戦争に参加できますし,観客も攻城戦の勝敗に大きな影響を与えるでしょう。"どちらがリアルか"という観点でいうと,今の形がベストなのではないでしょうか。
4Gamer.net: つまり周りをどう仲間に引き込むかを含めて,戦争であるわけですね。 さて,ソンさんに聞きたいのですが,正直,ミューはかなり"古い"部類に入るタイトルですよね。後継と言われるMMORPG「SUN(Soul of the Ultimate Nation)」も発表されていることですし,そろそろ新規プレイヤーを取り込むのは難しくなってきたんじゃないですか?
ソン氏: 確かにその傾向はありますが,逆に現時点で,ミューにように軽い動作とゲームのクオリティを両立させているタイトルは少ないと自負しています。長期間の運営によるプログラムの安定度なども,新規プレイヤーにとっては魅力だと思いますし。 またこれはマーケティング手法なのですが,現在もWebzenは,誰でも無料でアクセスできるミューのグローバルサーバーを用意して,各国のプレイヤーがどれぐらいミューに注目しているかを量っています。現在は登録会員数が30万人ぐらいでしょうか。そしてミューへの注目度の高い国へピンポイントにプロモーションを行い,ミューをサービスする。今後も,この手法で新規プレイヤーを取り込んでいけると確信しています。
4Gamer.net: Webzenほど大きくなると,やはり合理的なシステムですね。 そういえば先日,Webzenの今後のラインナップが公開されていましたが(記事は「こちら」),この中で日本でサービスを行う可能性のあるタイトルを教えていただけませんか?
ソン氏: さぁそれはどうでしょう(笑)。「Parfait Station」もライトなゲーム性がウケそうだし,やはりビジュアルで惹きのある「SUN」などもいいですね。
4Gamer.net: しかしSUNなどがサービスされてしまうと,ミューはその陰に隠れてしまいそうという懸念もあります。
ソン氏: この2タイトルはそもそものゲーム性やコンセプトが異なりますし,うまく住み分けられると考えています。ミューはここまで流行した対人戦の魅力もありますし,なによりすでに成長したコミュニティがあるのが大きなポイントです。今後もどんどんアップデートしていきますよ。
4Gamer.net: 分かりました。確かにミューは,今からでも始めようと思う気にさせられるタイトルだと,私も思います。 最後に,日本のミュープレイヤーに向けて一言いただけますか?
キム氏: ミューは長寿のタイトルなので,それだけノウハウが蓄積され,動作も安定しています。今後もファンのフィードバックを積極的に反映して発展させていく予定なので,ワールドウォーなどを経験しつつ,ぜひ楽しんでプレイしてみてください。
4Gamer.net: あ,最後と言っておいてアレですが,今後ミューのアップデートでグラフィックスの改変が行われるなんてことはありませんか? 「エバークエスト」のDirectX 9対応みたいに。
ソン氏: それ,実は,2005年中にもと考えているんですよ。どのような形になるかは未定ですが,ミューのウリである動作の軽快さは損ないたくないので,PCスペックの低い人は現状のグラフィックスで,PCスペックに余裕のある人は高画質で,といった形になると思います。
4Gamer.net: おお,それはかなり楽しみですね。その改変によって,さらに新規プレイヤーが増加することを期待しています。本日はどうもありがとうございました。
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ミュー 奇蹟の大地 |
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