[韓国ゲーム事情#374]「GE」,140人の”プロテスター”を選抜
Kimの韓国最新PCゲーム事情#374
「グラナド・エスパダ」,難関をくぐり抜けた140人のPROTESTERを選抜(2005/7/4)
Text by Kim Dong Wook特派員
「グラナド・エスパダ」(以下,GE)の一回目のクローズドβテスト"IMPRESSION TEST"に参加するテスターを対象にした事前説明会が,7月2日の午後4時から7時まで,Hanbit Softが入居するビルの大会議場で行われた。
"プロテスター"の募集が行われた6月24日から27日の期間で集まった応募者は,なんと6万人以上。しかし,激しいことで有名な韓国の大学受験を彷彿とさせるこの難関をくぐり抜けたのは,わずか150人。そしてこの日の説明会の参加者は140人(つまり不参加者はたったの10人)と,高い出席率になった。 中には数時間を費やして会場に足を運んだ人もおり,往復交通費がHanbit Softから支給されたとはいえ,韓国最南端の済州島から飛行機に乗って来た人もいるほどで,会場は熱気と期待感にあふれていた。
済州島から参加した大学生のKim,Seung Namさんは「『ラグナロクオンライン』で私が所属しているギルドのメンバー全員の100人あまりが応募したのだが,選抜されたのは私一人だけだった。GEへの興味も大きいが,それ以上にKim,Hakkyuプロデューサーの作品に対する信頼感から,今回のプロテスター募集に応募した」と語った。
なお,プロテスターとは,
・Professional+Tester:ゲームを評価できるだけの広範な知識を持っている人 ・Producer+Tester:ゲーム企画やゲームデザインに参加する意志がある人 ・Proactive+Tester:ゲームに強い情熱を持っている人
という意味の造語。 つまり,GEのプロテスターはただのβテスターではなく,テストを通じて感じた意見などを開発陣に積極的かつ効果的に提供できる能力を持った人という位置づけのようだ。
説明会の冒頭に登壇したKim,Hakkyuプロデューサーは,「テストに参加したことだけで満足されるような,無意味なテストを行うつもりはない」と明言するとともに,「本当にGEに愛情を持っている人だけを選抜して,デベロッパーとテスターで一緒にGEを作り上げていきたい」とコメント。会場内からは熱狂的な拍手が送られた。 続いて同氏は,「GEのプロテスターになるための約束を交わそう」と言い,以下の5か条を参加者と一緒に読みながら,説明をしていった。
(1)デベロッパーとプロテスターは,GEを完成させるための重要なパートナーという関係にります。たとえテスト中のGEが完璧ではなくても,私達を信頼してください。 (2)未完成のGEを見て,安直に判断を下すようなことのない,広い視野を持ってください。 (3)常に鋭い視点と中立的な立場を持って,GEを見守ってください。 (4)テスト中にプロテスターにだけ公開された情報についての秘密は,必ず守ってください。 (5)プロテスターとしてのマナーを,常に守ってください。
このように同氏は,プロテスターがGEの"開発パートナー"であることを強調した。 また同時に,最近一部でクローズドβアカウントが転売されている事実を指摘し,「愛情を持っていない作品のベータテストへの参加は,開発側にも参加者にもメリットはない」と断言。プロテスターとして選抜されたことに誇りを持つことを促すとともに,「未完成のゲームを見て,すべてを知ったかのような誤解を持つ人よりも,どのようにすれば今後さらに発展できるかという方向性を提示できる人こそが,私達が求めるプロテスターだ」と語った。
続いて登壇したHanbit SoftのGEプロダクトマネージャー,Shin,Yong Soo氏は,プロテスターの選抜過程および経過を報告しながら,「ほかのゲームメーカー関係者の応募も実に多く,それを排除するのも非常に大変だった」と,業界内からのGEへの関心の強さと,けん制の多さを明らかにした。
140人のプロテスターは,7月5,6,7日の三日間,毎日午後4時から10時までテストを行うことになる。このGEで最初のβテストには,"IMPRESSION TEST"というタイトルが付けられていることから,ゲームを始めてのファーストインプレッションを中心とした報告が求められているようだ。 今回,開発陣にとって有用なフィードバックをしたプロテスターには,次回テストのプロテスター選抜時の優先度が上がるとのことで,どうやら今後も複数回のテストが計画されているようだ(なお,テストへの取り組みが真面目だったテスターが,GEのデベロッパーであるIMC Gamesへの入社を希望した場合,応募の段階で何かしらの優遇措置が用意されているという)。
この日,説明会の直前に控え室でHakkyu氏に会い,コメントを求めたところ,「あまり注目されていなかったラグナロクオンラインのときと比較して,すべての部分において慎重にならないといけないから,かなり緊張している。そういう意味で,今回のプロテスター募集に関しても周到な準備をしてきたので,期待してください」と語っていた。 韓国のみならず日本でもすでに話題になっているGEだが,今回のプロテスター募集からして,ほかのゲームとは何かが違うという印象を受けた。メディアからの注目を集めるためだけの大規模なテスター募集とは一線を画し,ゲーム開発に実際に役立つβテストの実施方法を模索している姿勢を見ていると,GEに対する期待がさらにふくらんでくる。
##### この日,プロテスターに配布されたレジュメには,GEの操作キーが記載されていた。今後変更される可能性もあるが,日本でGEを心待ちにしている人達のために,紹介しておこう。
F1:キャラクター1を選択 F2:キャラクター2を選択 F3:キャラクター3を選択 F5:スキル1を使用 F6:スキル2を使用 F7:スキル3を使用 F8:スキル4を使用 F9:スキル5を使用
Alt+E:キャラクター基本情報ウィンドウとインベントリを開閉 Alt+M:ミニマップを開閉 Alt+Q:終了メニューウィンドウを開閉 Alt+D:基本情報ウィンドウを開閉 Alt+R:ごみ箱ウィンドウを開閉
Alt+1:デフォルトスタンス1を選択 Alt+2:デフォルトスタンス2を選択 Alt+3:デフォルトスタンス3を選択 Alt+4:デフォルトスタンス4を選択
Alt+F1:キャラクター1のステータスウィンドウをオープン Alt+F2:キャラクター2のステータスウィンドウをオープン Alt+F3:キャラクター3のステータスウィンドウをオープン
Enterキー:以前のチームを使ったスタートのショートカットキー(バラックモード) Alt+Q+Enterキー:プログラム終了 Print Screen:画面キャプチャー
Ctrl+H:ホールド(立ち止まった状態で周辺の敵を攻撃) Ctrl+S:ストップ(静止した状態で命令待ち) Ctrl+G:アグレッシブモード(基本モードに戻る)
Ctrl+マウス左クリック:指定された場所まで移動しながら,途中のモンスターを攻撃する(アサルトモード) Shift+Ctrl+マウス左クリック:指定された場所までアイテムを拾いながら移動する
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