入学説明会と称した「ヨーグルティング」プレスカンファレンス開催
本日(7月28日)からオープンβテストの先行登録キャンペーンが始まった(記事は「こちら」),ガンホー・オンライン・エンターテイメントのMMORPG「ヨーグルティング」(原題 Yogurting)。このキャンペーンと同時に,東京は西新宿の東放学園高等専修学校では,本作のプレスカンファレンスが開催されたので,その模様をお届けしよう。
会場となった東放学園高等専修学校は,タレントや声優,ミュージシャンなどを志す人のために作られた,専門技術/技能を学べる教育機関。今回のガンホーとのコラボレーション(?)は,「学園を舞台としたヨーグルティングのために,ぜひ!」という,本作の宣伝プロデューサーである古志野氏の強い要望で実現したらしい。もちろん会場として学校が借りられただけでなく,来場者の誘導や受け付けから司会までもが,すべての本校の生徒によって運営された(司会の女性は,アナウンス科に在籍しているという。良い声でした)。「TANTRA」のカンファレンスではアジアンレストランを貸し切っていた同社だが,なるほど雰囲気作りを重視するガンホーらしい施策である。
さて,今回のプレスカンファレンスでは,ヨーグルティングのゲームシステムや運営の説明と,先ほど「こちら」でお伝えしたクローズ/オープンそれぞれのβテストに関する説明が行われた。 本作そのものについては,これまでの記事でご存じの人も多いと思うが,ここで改めて,ストーリーやその特徴などを説明していこう。
【上段】左から,ガンホー森下氏,Neowiz社CEOナ・エリック氏,ガンホーヨーグルティング宣伝プロデューサー古志野氏 【中段左】制作プロデューサー鳥山氏 【下段】本作のグラフィックス。トゥーンレンダリングで描かれるのは見てのとおりだが,そのほか,キャラクターの輪郭線を消すなどのさまざまなオプションがある
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■「みんな,今日どうする?」がキャッチコピーの学園モノMMORPG
ヨーグルティングは,不思議な事件が続出する学園を舞台に,平和な日常を取り戻すために生徒(プレイヤー)達が協力して謎に立ち向かうというMMORPG。ストーリーを重視した作品となっており,学園で起こるさまざまな事件を"エピソード"という単位でショートストーリーにまとめ,それらが集積して,物語を形作るというスタイルとなっている。以下に,本作のストーリーを掲載しておこう。
#####以下,リリースより#####
【ストーリー】
どこかでバスに乗れば行くことができるような、ごくごく平凡な学園。 つまらない授業をうけて、宿題をして、鐘が鳴れば足取りも軽くなる日常。
そんな何の変哲もない学園に少しおかしいことがあるとすると… 図書館の中に女神様が住んでいるとか、学内の温室に巨大密林があるぐらいかな。
そんなことは気にもしなかった平和なある日、突如として、そして音もなく、 『無限放学現象』(Endless Vacation Phenomenon : 通称 EVP) が世界を襲いました。
休みでもないのに全ての学園の授業がなくなり、 大部分の先生たちが消えてしまったのです! この現象に生徒たちは驚いたけど、 残っている先生たちは何が起こったのかわからない状態だから… なんだかものすごく変な感じ。
『無限放学現象』について、消えた先生の代わりに 学園を支えている生徒会連合の調査でわかったことは…
各学園に植えられている『世界樹』が共鳴して 次元の捻れを生み出しているとか、 世界のあちこちに隠されている 『アンティーク』の力が影響しているとか、 学園に隠れている悪の勢力の陰謀とか、
わけのわからない情報ばかり…。
『無限放学現象』以降の学園周辺では奇妙な事件が起こり始め、 生徒会連合は指揮下の学園組織を動かし、 いっそう積極的に事態の解決に乗り出しました。
平和で退屈な学園生活を取り戻すため、 スリルとロマンがあふれるヨーグルティングの物語が始まるよ!
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ゲーム開始時にプレイヤーは,「エスティバー学園」か「宵月学園」から自分の所属したい学園を選ぶ。どちらの学園に所属するかで,制服はもちろんのこと,ストーリーの展開も変わってくる。この学園選択もそうだが,ゲームシステムのすべてが,"学園"らしいキーワードでまとめられているのも,本作の特徴だ。 例えばコスチュームなどは,剣道部,美術部,購買部(?)といったクラブ活動単位で分けられていて,剣道部なら防具なような,購買部ならウェイターのようなという具合に,自分の好みの衣服でキャラクターをカスタマイズすることができる。
画面をご覧のとおり本作は,トゥーンレンダリングによるグラフィックスを採用しており,全体的にやわらかく,同じくガンホーがサービス予定の「エミル・クロニクル・オンライン」のようなライトなビジュアルである。このトゥーンレンダリングで描かれる,日本人にとってキャッチーなグラフィックスとコスチューム変更による着せ替え要素は,本作の大きな魅力。アバターの要素を重視して開発された結果といえる。
【上段】左から3体がエスティバー学園,その後3体が宵月学園のNPC 【下段】コスチュームの一例
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■プライベートダンジョンと同義の,エピソード単位の冒険
さて,グラフィックスもさることながら,本作の最も大きな特徴は,"エピソード"単位での冒険だ。 本作の冒険の舞台は,大きく「学校フィールド」「エピソードフィールド」という二つのフィールドに分類されており,前者は多くのプレイヤーが集うフィールド,後者は,"プライベートダンジョン"や"インスタンスダンジョン"などと呼ばれる,プレイヤーが接続人数や難度を設定して生成できる冒険フィールドとなっている。
学校フィールドでは,プレイヤーは一般的なMMORPGと同様に,NPCとアイテムを売買したり,ほかのプレイヤーとチャットしたり,NPCから情報収集(クエストもここで発生する)したりする。そして学校フィールドに点在する"エピソードゲート"という場所から,参加人数などを設定してエピソードの"ゾーン"を生成する"エピソードロビー"という場所へ移動し,各種設定を行ったのち,冒険へと繰り出すことになる。
上記のように,冒険者は基本的に"エピソード"という任意生成ゾーンで冒険を行うため,プレイ自体は「ファンタシースターオンライン」のようなMOタイプとなる。エピソードには最大32人が参加可能で,戦闘やパズル(?)に挑戦する最も基本となる「一般エピソード」,ダンジョンのギミックを解くために複数人での協力プレイが必要となる「協力エピソード」,そしてほかのプレイヤーとの競争を目的としたPvP用の「競争エピソード」という3種類が用意されている。中には,"必修エピソード"という"進級用"のものもあり,ここで一定の成績を収めることで,学年を上げることもできるらしい。学年を上げればさらに多くのエピソードに挑戦できるようになるほか,ベース能力の高い装備品も利用可能になる。こうやって学年を上げていき,最終的には"エンディング"(のようなもの)があるというのも,本作の大きな特徴だ(その後,どうなるかについては教えてくれなかったが……)。
このエピソード単位の冒険に付随するシステムとして,エピソードクリア後のアイテム分配を制御する「リワードシステム」もちょっと面白い。 エピソード中,プレイヤーが倒した敵から得られるアイテムは,すぐにルートできたりアイテムインベントリに格納されたりせず,すべていったん"アイテムボックス"というエピソード内の冒険者共有のスペースに移動する。そしてエピソードをクリアした段階で,倒した敵の数などで算出される各プレイヤーのスコアによって,順位の高い人からアイテムボックスを選べるという仕組みだ。 アイテムボックスの段階では,基本的には"中身"が分からず,プレイヤーがどんなアイテムを手に入れられるのかは,なんと運次第。とはいえ,アイテムボックス内にあるアイテムの武器の種類や属性などは分かるようになっているので,やはり順位の高い人のほうが有利のようだ。
■一風変わった「ミューラ」が見どころ:武器とスキル
前述のとおり,本作はエピソード単位で冒険し,なかにはパズルやおつかいのようなものもあるが,RPGといえばやはり(?)戦闘。そうなると,武器や防具にいったいどういった種類があるのかが,気になってくる。
本作においてキャラクターの扱える武器は4系統。以下にそれぞれの特徴を記載しておこう。
【グローブ】 手にはめて装備する武器。4系統の武器の中で,単体攻撃力が最も高い 【ブレード】 いわゆる"剣"。攻撃力が比較的高く,なぎ払うことで範囲攻撃が行える場合もある 【ミューラ】 "ダンスで攻撃する"という本作特有の武器。"ヘッドフォン型"や"かつら型"のものがある。装備すると,キャラクターの静止モーションが変化するのが大きな特徴 【スピリット】 リュック型という,これまた一風変わった武器。リュックには"精霊"が込められており,魔法のような遠距離攻撃が可能となっている。後衛用の武器だろう
スキルはこれら武器にそれぞれ設定されており,武器を変更することでさまざまなプレイスタイルを楽しめる。キャラクター成長の詳細が明らかにされていないのでなんともいえないが,基本的には"スキルを取り(覚え?)直すために,キャラクターを作り直す必要はない"ように設計されているらしい。1体のキャラクターに愛着を持ってプレイしてほしい,というのが開発側のコンセプトとのことだ。
【上段】左から,グローブ,ブレード 【下段】左から,ミューラ,スピリット
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■日本オリジナルの要素をできるだけ抑える運営
この日,会場にはガンホーの森下氏,制作プロデューサーの鳥山主税氏,そして本作の開発元である韓国Neowiz社から来日した,ナ・エリック氏が来場。制作プロデューサーの鳥山氏によると,本作はNeowizと開発段階で協力体制を築き,最終的にグローバルな海外展開を見据えて開発を行っていくという。これは,日本オリジナルの要素をできるだけ"盛り込まない"という,カルチャライズの思想を廃した新しい協力関係となっており,今後韓国タイトルが日本に輸入される場合の新たなスタイルを感じさせる。これによって,アップデート作業の煩雑さや,特定バージョンのみに混入するバグなどの問題は軽減されそうだ。ちなみに,日本語版の開発は現在80%で,あとは残りのローカライズ部分と日本語入力時の問題を解消するという段階にあるらしい。
「オンラインゲームのボリュームゾーン(10代〜20代前半)をターゲットとする」という森下氏の言葉どおり,本作はそのグラフィックスや学園というキャッチーな設定を考えると,メディアミックス展開などは比較的容易なはず。同社には,この2005年夏以降「エミル・クロニクル・オンライン」という純国産の大作RPGが控えているし,RJC2005などで盛り上がる「ラグナロクオンライン」などもまだまだ現役。このラインナップのなかで,ヨーグルティングがどれぐらいプレイヤーを獲得するのか,またオフラインイベントなどでどういったコラボレーションが実現するのかなど,興味は尽きない。(Gueed / Photo by kiki)
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ヨーグルティング |
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