[GC 2005#16]ウサ耳に萌えそう!? ヤバすぎの「Nevsky Titbit」
かなりイカれたシューティングゲームとして,ごく一部のマニアの間ではウワサになっていた「Nevsky Titbit」が,GC会場でプレイアブルな状態で公開されていた。 開発するのはロシア古都サンクトペテルブルグに事務所を持つVZ Labsで,ディレクターのMikhail Popov(ミハイル・ポポフ)氏によると,現在は15人規模の体制で開発されているという。ビジネス関係者専用館にある小さなブースだったが,常に人で賑わうほどの盛況さだった。 ポポフ氏の説明では,ネブスキー・チトビットというタイトルは,そのまま主人公の名前だという。この主人公が凄まじく,ウォッカの飲みすぎで太った腹でTシャツがめくれ上がり,短パンにネズミのデザインが施されたスリッパという出で立ちの中年男性だ。そのうえ闘犬につけるような首輪をし,なぜかウサギのような耳が生えている。解説ではエイリアンの侵略によってサンクトペテルブルグが完全制圧されたというが,それと主人公の風貌がどのように関係あるのかは不明だ。
「サンクトペテルブルグの街を知ってます? Nevsky Titbitでは,そっくりそのまま街の風景を再現してあるんですよ」と,ポポフ氏が最初に見せたのは,都市中心部にあるという宮殿広場。筆者がサンクトペテルブルグを訪れたことはないが,東欧らしい広大な広場が描かれており,かなりの比重をアウトドアでプレイすることになるらしい。ただし,そこに人影はなく,ドラム缶など「爆発するので破壊してください」と言わんばかりに設置されたオブジェクトを縫うように,何匹ものモンスターが飛び出してきた。 敵となるのはエイリアンばかりでなく,バイオ工学で銃を腕に装着したような人間風の生物やアンドロイド,さらにはミュータント化した昆虫,ゾンビ,ドラゴンに至るまで,もう何でもござれの多様さだ。現時点では多くても10匹くらいの敵に囲まれるだけだったが,最終的にはオリジナルの「DOOM」や「Serious Sam」のようなゲームプレイを狙っているのだとポポフ氏は語る。銃を乱射すると肉片が散るが,画面からは消えて血痕だけが残るようになっていた。 プレイヤーが使用できる武器は,ショットガンやマシンガン,ロケットランチャーなどに加えて,モロトフカクテルやレンガなど"ロシアらしい"ものも混じっている。パンフレットにあったアート画では,実際にすべての武器をネブスキーが担いでいるのが面白い。
残念なのはシングルプレイヤー専用のFPSということだが,ポポフ氏はマルチプレイに関して「我々にそこまでの開発能力も予算もない。次の作品かな」と率直に語る。しかし,大きな屋外シーンに加えて,ボリューム感のある爆発効果など,それなりに技術力の高さも誇り,爽快感さえあれば十分にゲーマー受けするだろう。少なくとも,読者の皆さんにはすでに強力な印象を与えたはずだと確信する。(奥谷海人)
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