[GC 2005#27]恐竜がユニットのRTS「ParaWorld」詳細が公開に
ドイツの中堅開発元で,"Annoシリーズ"(日本では"創世記シリーズ")が代表作のSunflowerの新作は,Deep Silverが販売を担当する,一風変わったリアルタイム戦略シミュレーション「ParaWorld」だ。
Paraworldのストーリーは,1800年代初頭にチャールズ・バーベッジという学者がパラレルワールドに関する仮説を立て,1846年の天文的異変でアクセスが可能となって実証されたという仮想の歴史をベースにしている。そこに,アメリカ,デンマーク,そしてハンガリーから3人の学者達が足を踏み入れると,お互いに対立しあう原住民達が,恐竜や太古のほ乳類などを扱って戦いを始めてしまうという設定だ。プレイヤーは,これらの原住民を統一し,予言どおりパラワールドでの救世主となることを目指す。
画面は,Sunflowerらしい淡い色使いと細かな描写が独特で,このゲームの魅力的な要素の一つになっている。リードデザイナーのThomas Langhaski(トマス・ランガスキ)氏の話によると,グラフィックスエンジンにリアルタイムシャドウの効果をインプリメント中ということだったが,現在の時点でも十分に美しい。 ブロントサウルスが足踏みすれば,周囲の樹木が一斉になぎ倒されてしまうといったように,視覚的なインパクトも十分だ。なにより,オークや戦車が出てこないRTSというだけでも新鮮である。
原住民の3勢力は,地域によって民族性が異なるものになっている。一つはバイキング系で,雪原で展開してマンモスやオオツノシカ,サーベルタイガーなどを操る。あとの二つはヨーロッパ系とアジア系に分かれるが,どちらも異なるユニットながら恐竜を中心としたユニットとなる。ヨーロッパ系は原住民も強力な騎士団を編成し,アジア系は地元の火山地帯の恩恵からか爆破能力に秀でているという違いがあるようだ。 恐竜ユニットには,人間ユニットを食い散らかす(!)ティラノサウルスやラプターはもちろん,突進型のトリケラトプスや毛サイ,弓兵を乗せたステゴサウルス,攻城兵器を背負ったものなどさまざま。恐竜だけで40種類におよぶ模様。アニメーションパターンが豊富でユニットの動きを見ているだけでも楽しいが,8人までをサポートするマルチプレイヤーモードでは,プレイヤーが独自のボディペイントや装飾を恐竜達に施せるような計画であるという。 これまでのSunslower作品と比べてアクション性の高いParaWorldではあるが,元々恐竜達は野生動物として基地の付近に点在しており,ここの人間ユニットが持つ相性によって捕獲し,飼いならす必要がある。中には,巣を守るティラノサウルスの母など攻撃的なものもあるので,思いどおりの部隊を作成するには時間ががかるのかもしれない。 また,ストーリーに登場する科学者という名目でヒーローユニットが登場し,ショットガンを使うなどの特殊能力を備えて,加担する原住民を率いる。ヒーローユニットは合計で7人となるらしく,それぞれに異なる能力を持つはずだとランガスキは言う。なおその7人の中には,例えば第二次世界大戦中にポリネシアで失踪した女性飛行士アメリア・イヤハートのような,不可抗力でパラワールドにやってきた人物も含まれるようだ。
ParaWorldは,Deep Silverイチ押しのゲームとしてブース内で大きく取り扱われていた。発売は2006年の第1四半期が予定されている。(奥谷海人)
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