[GC 2005#28]ネオでプレイできる「The Matrix:Path to Neo」
前作「Enter The Matrix」は,発売からたったの1か月でPC版を含めた四つのプラットフォームでの販売総数が250万本を超えたとAtariは豪語していたものの,アクションのレスポンスからカメラワーク,フレームレートなどさまざまな面でゲーマーからの不満が多かったのも事実だ。 開発元のShiny Entertainmentはユニークなゲームを開発することで知られていたが,ライセンスゲームの弊害からか未完成のまま世に送り出されたことは否めない。 しかし,その続編である「The Matrix:Path to Neo」では,ついに主人公ネオでもプレイできるよう契約書の調整が行われ,すでに2年を費やしてじっくり開発が行われている。三部作のストーリーを通してネオが救世主となるまでを追っていくことで,プレイヤーも思う存分なりきりプレイが楽しめるようになった。 開発を手がけたShiny Entertainmentは古参のデベロッパだが,Path to Neoは名誉挽回の1作として期待されている。
三部作の集約であるだけに,そのコンテンツ量は膨大で,すべてで50レベル相当になる予定だ。今回Atariブースで展示されていたものは,先のE3 2005でプレイアブルだったものと同じ二つのマップで,トレーニング用のプログラムと推定される雪の降る日本庭園と,映画であまりにも有名なビルのロビーのシーン。ネオがトリニティと二人でモーフェウスを救出するときに,ロビーの奥にあるエレベータからガードマンが次々と襲いかかってくる名場面である。 筆者もこのマップでXbox版をテストプレイしてみたが,大理石の床に映る影の美しさに見とれるヒマもなく,激しい戦闘に巻き込まれた。柱が欠けて粉塵が立ち込めるので前方が見にくいが,おそらく実際のネオも同じような境遇だったのだろう。バレットタイムを利用して銃弾をかいくぐり,柱をカバーに敵に突進したり壁を伝って走ったりして敵を翻弄しながら攻撃を加えるのは爽快だ。 ただ心配なのは,戦闘途中で2度もフリーズしてしまったこと。現在もリリースは11月15日となっているが,正直,新しいマップでプレイできるようにするなどE3からの進展を見たかった。
プレイステーション2版でもノーマルマッピングなど高度な技術を駆使しているようで,エージェント・スミスが750体も増殖されるという場面も見てみたいところ。ウォシャウスキー兄弟は映画のエンディングに満足しなかったのか,このゲームの制作に際して,少し異なるストーリーへの書き換えを注文したとされる。それがどんな結末なのかは,公表される由もない。一度でもマトリックスファンを自認したことがあるなら,人から聞くなんて無粋なことはせずに,Path to Neoを遊ぶべきだろう。(奥谷海人)
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マトリックス:パス・オブ・ネオ 日本語版 |
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