[GC 2005#52]冷戦時代のソ連に潜入するアクション「Cold War」
すでに一般公募によるβテストが始まるなど,9月末のリリースに向けて慌しくなってきた「Cold War」は,「Tom Clancy's Splinter Cell」風のスニーク系アクションゲームだ。北米やヨーロッパでの版権を,アドベンチャーゲームを数多く手掛けてきたDreamcatcher Interactive社が取得しており,同社のブースではほとんど完成間近のゲームが展示されていた。 Cold Warの舞台は,まだソビエト連邦と呼ばれていた冷戦期のロシアである。ロシアに取材に入ったアメリカ人ジャーナリスト,マット・カーターが主人公で,ホテル滞在中にKGB(旧ソビエトの情報局。アメリカのCIAに相当)に連行され,事情も分からないまま刑務所に入れられてしまうのが導入部で,ここから彼が大きな陰謀に巻き込まれていくというストーリーだ。 筆者は1年ぶり(GC 2004の記事は「こちら」)にCold Warに触れてみたが,今回プレイしたのは迷路のように幾つものドアと細い通路が繋がっている地下施設のような場所。武器がほとんど揃っていなかったところから,おそらくは冒頭の,刑務所から脱出しているところではないかと思われる。
画面を見てまず気付いたのは,主人公マット・カーターのアートが変更されていたこと。以前は駆け出しの若造というような風体だったが,今回は「Half-Life 2」のゴードンにも似たメガネをかけ,髪も短くカットされている。ソビエトに招待されるほど年季の入ったジャーナリストということで,デザインが変更されたのだろうか。 ゲーム自体は予想どおりのSplinter Cell風だったが,ジャーナリストにはサム・フィッシャーほどの体力はないと見え,少なくともこの時点ではサバイバルのノウハウにも長けておらず,戦闘には向いてないようだ。また,この地下施設はどの部屋も同じような配置で違いが分からず,暗がりもないので,抜け出すのに大変な試行錯誤を要した。ヨーロッパ産のゲームにはよくあることだが,マップやミッションでの飽きさせない程度でのスムースな"誘導"に欠けていたり,アクションがシビアすぎるほどに調節されていたりするのではと感じた。
Cold Warでユニークなのは,銃弾に毒を混ぜたり,エタノールとガス缶で爆破装置を作り上げたりなど,さまざまなアイテムを掛け合わせるクラフティングの要素がある点だ。体力のないジャーナリストなりに頭を使わねばならないゲームのようで,このあたりはSplinter Cellにはない面白さが感じられた。 最初に述べたように,Cold Warは2005年9月末のリリースが予定されており,開発はチェコのMindware社が担当。シングルプレイ専用で,日本でのリリースは未定だ。(奥谷海人)
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Cold War |
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