[TGS2005#20]「ときめきONLINE」間もなくβ2募集開始
コナミブースのPCゲームタイトルは,MMOコミュニティゲーム「ときめきメモリアルONLINE」(以下,ときめきONLINE)のみ。"のみ"といっても,同作はコナミにとって初めてのMMOタイプのPCゲームであり,そしてあの"ときめきメモリアル"(以下,ときめき)シリーズの流れを受け継いだ作品である。その注目度は,あらためて説明するまでもなく,かなり高い。そのうえ今回は,実際にゲームに触れられる"体験入学会"が30分に1回(20人限定)行われるとあって,整理券を求める人は後を絶たなかった。
始業のチャイムと同時にスタートする体験入学会は,学園コントのごときステージ上の"先生"と"生徒"の指示に従いながら,キャラクターメイク,校庭での移動やチャット,教室での授業(クイズ)などを,一通り楽しめるというもの。
筆者が参加した回では,途中からステージ上に本作のプロデューサーを務めるメタルユーキ氏が登場。司会者と共にときめきONLINEの解説をしつつ,9月末に,β2テストの参加者募集告知が行われることを発表した。具体的な人数こそ明かされなかったが,どうやら大規模なクローズドβテストになるようだ。 また,今後の展望として「PCの中だけでなく,色々なメディア,ハコを使って,常に(現実世界でも)ときめきメモリアルONLINEの世界を楽しんでほしい」と語り,11月に原宿駅前 原宿ル・ポンテ3Fに"ときメモ・カフェ エコル"(公式サイトは「こちら」)がオープンすることや,12月31日に厚生年金会館大ホールで「ときめきメモリアルスーパーライブ<forever>Countdown2006〜Here Comes Tokimeki ONLINE! 〜」が開催されることなどの告知も,合わせて行った
■β2テストは10月末,正式サービスは年内にスタート?
さて会場では,メタルユーキ氏と直接話をすることができた。以下は,その模様だ。メタルユーキ氏は今回,体験入学をした人達から,大きな手応えを感じているようだった。
●初出展の手応えアリ
4Gamer: 今回,ときめきONLINEを初めてプレイアブル出展したわけですが,手応えはどうでしょう?
メタルユーキ氏: 今までのときめきシリーズと違うところを確かめたいという人はもちろん,今までやってきたオンラインゲームと何が違うのかを体験したいという人が,朝から体験入学会に参加してくれて常に満席状態なんだ。だから,手応えは十分感じているよ。
4Gamer: やはり,ときめきシリーズのファンが大勢詰めかけている……といった印象ですか?
メタルユーキ氏: ときめきを10年続けてこられたということは,ファンの人達に,このコンテンツを応援して育てていこう! という意識があったからなんだよね。そういう人達の中には当然,"次のときめきONLINEって,一体どういうものなのか"という強い興味を持ってくれている人も大勢いる。だから今回,体験入学会に参加している人の中には,ときめきシリーズファン達が,かなりのパーセンテージで混じっているんじゃないかな。
4Gamer: ええ,きっとそうですよね。ところで,ときめきシリーズのファンといえば,多くの人がβ1テスター募集に応募したと思うのですが,実際のところ反響はどうでしたか?
メタルユーキ氏: 以前ときめきONLINEの公式サイトでは,ゲームの紹介のみをやってきたんだけど,β1テスターの募集を行った途端,それまでの平均をはるかにしのぐ,本当にたくさんの人が応募のためにサイトへ来てくれたんだよね。今まで見えなかったパワーというか期待感というのを,感じることができたよ。 それから,自分達でこのゲームを盛り上げていこうという気迫が,ファンサイトや掲示板の書き込みにも溢れているから,その強い期待感にどうやって応えていこうか,みんなと一緒に,どうやってときめきONLINEを広げて大きくしていこうか……というのを考えているところなんだよ。
4Gamer: そんな熱い期待が寄せられているときめきONLINEのβ1テストが,間もなく始まりますね。テスターにはどんなところを見てもらいたいですか?
メタルユーキ氏: そうだね,まずは操作感や世界観というところで,ときめきONLINEというものの雰囲気を感じてもらいたいと思っているよ。 そのうえで,学園の中で自分達が何をしたいのか,何を目的にプレイしていきたいのか,そういう部分を一緒に考えてほしい。そうしてもらえると,より良いオンラインゲームを楽しめると思うんだよね。
●9月末,β2テスター募集告知開始
4Gamer: とにかく,"みんなで一緒に作り上げていこう!"ということなんですね。では,β1テスト後の予定は,もう決まっていますか?
メタルユーキ氏: まずは今月(2005年9月)末から,コンシューマゲームメディア,PCゲームメディアなんかで,β2の募集告知を行っていくよ。β1のときよりも,さらに大規模な募集になるんだ。 β2テストは,システムだけじゃなく,GMを含めた人的なテストを行いつつ,より多くの人達にこの世界を体感してもらおうと思っている。そうやっていろんな意見を受けて改善を施したうえで,正式サービスを迎えたいと思っているんだよ。
4Gamer: 募集告知が9月末からということは,実際のテスト開始はいつ頃になるんでしょう?
メタルユーキ氏: そうだね,応募期間と選別期間,それからクライアントの発送期間などがあるので,(募集告知の)1か月ぐらい後かな?
4Gamer: それが終わったら,いよいよ正式サービスに?
メタルユーキ氏: そうだね。みんなの意見をいろいろ聞いたり,不具合が出た場合はきっちり修正したうえで,本番に臨みたいなと思っているよ。
4Gamer: β2が10月末にスタートするのならば……,正式サービスは,2005年内ということでしょうか?
メタルユーキ氏: 一応,"今冬"って言っているんだけど,少しでも早い時期に,楽しいこのゲームをお届けしたいな,という気持ちはあるね。
4Gamer: 正式サービスのしょっぱなに,クリスマス関連のイベントなんかがあると,盛り上がりそうですしね。
メタルユーキ氏: そうだね。そうできるといいよね。
●正式サービス開始以降の秘策
4Gamer: 正式サービスがスタートした後,機能の追加や,ドラマイベントの追加,キャラクターの追加などが継続的に行われていくのではないかと踏んでいるんですが,それ以外に何か仕掛けは考えていますか?
メタルユーキ氏: "みんなでこの学校を育てていきましょう"というコンセプトなので,基本的な学校の雰囲気が味わえる機能は,最初から盛り込んであるんだよ。でも,文化祭とか体育祭みたいな大きな学校行事や,季節ごとのイベントなど,みんなでお祭り騒ぎができる仕組みは,これからどんどんどんどん追加していこうと考えているよ。 あと,さっきステージでも話したけど,まずはゲームの中で楽しんでもらって,同時にカフェとかライブとか,そういうリアルなイベントを連動して行うことで,PCの中だけでなく,リアルの体験の中でもときめきONLINEを楽しんでもらえるように,というマルチな展開に持っていこうと思っている。
4Gamer: 大晦日に厚生年金会館で行われる「ときめきメモリアルスーパーライブ<forever>Countdown2006〜Here Comes Tokimeki ONLINE! 〜」は,そういった趣旨のイベントになるんですか?
メタルユーキ氏: そうだね。今までのときめきファンの人達も,これから一緒にときめきONLINEを応援していこうよ,と。ときめきONLINEのテーマソングを歌っている声優さん(中尾良平さんと牧島有希さん)にオープニングテーマソング「こころのとびら」を歌ってもらうだろうし,ときめきシリーズに出演していた声優さんは,ときめきONLINE体験談を話してくれるだろうし。 こういう具合に,ONLINEに絡めたコーナーを設ける予定なので,期待していてほしいね。
4Gamer: 現実世界で大晦日に大きなイベントがあるってことは,ゲームの世界では年越しイベント的なものはないんですか?
メタルユーキ氏: ゲームの中でももちろん,年越しイベントは開催する予定だよ。
4Gamer: ああ,それは良かった。遠方に住んでいるなどの理由で,参加できない人もいるでしょうしね。それを聞いてほっとしました。
メタルユーキ氏: やっぱそういう行事イベントは外せないもんね。
●とにかく,一人でも多くの人に触れてほしい
4Gamer: ですよねぇ。ええと,少し話を戻しますね。正式サービスがこの冬……ということは,それに合わせてプロモーション的な仕掛けも何かあるのではないかと思っているんですね。というのも現状はまだ,β1にしろβ2にしろ,本当にときめきシリーズや,オンラインゲームが好きな人にさえ情報が行き渡れば十分だと思うんですよ。テストですから。でも正式サービスで,学校に人が大勢集まって,わいわい楽しい空間になるためには,もっと多くの人にも遊んでもらわないといけないですよね。
メタルユーキ氏: ときめきONLINEって,今までのときめきシリーズからは,かなり革命的な変化,まさにレボリューションだと思うんだよね。だから,ときめきシリーズのことを,自分の趣味とはちょっと違うところにあるゲームだと現時点で思っている人にも,ときめきONLINEに興味を持ってもらえるような方法を考えているところなんだ。 まぁ具体的には,色々な場所での体験会や,メディアを使った露出になるだろうね。オンラインゲームって,発売してそれで終わりというものじゃないから,これは正式サービス前にも,正式サービス後にも,やっていくよ。 例えば友達に誘われて,どうしようかなーと思ったときに,無料で体験できるサービスがあるとか,インターネットカフェでちょっと遊べるとか,そんな感じで。ときめきONLINEに触れてもらえる機会をどんどん増やしていきたいんだ。
4Gamer: つまり,触ってもらえれば,絶対に楽しんでもらえるという自信があるんですね。
メタルユーキ氏: もちろん,そうだね。それにね,学校の中に友達がたくさんいればいるほど,楽しいコンテンツになるという仕組みのゲームなので,少しでも多くの人に参加してもらいたいと思っているんだ。これまでのときめきシリーズに興味がなかった人も,ゲーム自体にあまり興味がない人もね。 このゲームの方向性って,人間の本能に触れる部分があると思っているから,きっと馴染んで楽しんでもらえるんじゃないかな。
●販売方法や課金モデルは……?
4Gamer: ではそのあたりの展開には,期待していますね。ところで,販売方法や課金モデルは決まりましたか?
メタルユーキ氏: CD-ROMなどを用いた配布はもちろん行うだろうけど,最近は高速回線の利用者も結構いるので,ダウンロード配布も考えているよ。それぞれ,自分の環境にあった方法でクライアントを入手して,ときめきONLINEの世界につながってほしいからね。 課金の方法は,月々のみんなのお小遣いや遊興費の負担にならない程度で,最終調整中……といった感じ。
4Gamer: なんとダウンロード配布も! それは気になる情報ですね。クライアントの容量はどれくらいなんでしょう。
メタルユーキ氏: 1GBを超えるぐらいの容量かな。だからダウンロード配布だけということは,しないつもり。通信環境があまりよくないという人は,DVD-ROMなりで入手してほしいな。
4Gamer: DVD-ROMを配布するとしたら,どういった方法になるんでしょう。
メタルユーキ氏: クライアントは,コナミスタイルで販売する"特別版"と,プログラムファイルだけのシンプルなものを販売する予定になっている。 それと,9月17日から公式ファンブック「TM-ON vol.0 ときめきメモリアルONLINE 入学案内」(税込み950円)の販売を開始するんだけど,これの次の号にクライアントをつける予定だよ。
4Gamer: なるほど。じゃあきっと,通常版にせよ特別版にせよ,パッケージ版には何らかの特典が付きそうですね。楽しみです。 それでは最後に,4Gamer読者に向けたメッセージをお願いします。
メタルユーキ氏: 東京ゲームショウ2005で,会場に来てくれた人の熱い思いを体感することができました。この熱い思いに応えるためにも,皆さんに安心/安全で,居心地のいい空間を提供できるよう,今後も努力して,サービスインに向けてがんばります。ぜひ期待して待っていてください。
4Gamer: ステージ出演などでお忙しいところ,ありがとうございました。
■ときめきONLINEで,"あの日に帰ろう"
ここからは,体験入学の感想を思いつくままに書いていこうと思う。実をいうと筆者は以前,取材時に開発途中のバージョンを触ったことがある。当時は単純な移動をはじめ,全般的な挙動,レスポンスがもっさりした印象で,少し不安を覚えていた。しかし今回の体験入学会で,そんな不安は見事に消え去った。 筆者が見なかった数か月の間に,ときめきONLINEは着実にブラッシュアップされており,変なストレスを感じることなく遊べるようになっていたのだ。
従来のときめきシリーズのものとは異なりながらも,どことなく伝統を感じさせるキャラクターグラフィックスを,自分の好みに合わせて作成できるのは,やはり楽しい。 自分自身の理想像を投影することができるし,自分の好みの異性を作り上げることだってできる。"うさ耳"や"鬼ツノ",さらには"アフロヘアー"などでネタに走っている人を見ても,そこにはイヤミな感じがない。 そうやって作成したキャラクターを使い,ほかのプレイヤー達と雑談していると,ただ背景が高校をモチーフとしたグラフィックスであるというだけなのに,なんとなく遠いあの日のことを思い出す。そしてついつい,いつも以上にくだらない会話で盛り上がってしまえる。 筆者が参加した回では,ほかの参加者にPCのオンラインゲームにそこそこ慣れた人が多かったようで,先生に教えられることなく,表情アイコンを多用した,和やかで賑やかな会話していた。
さて実際のプレイだが,(所属するクラスの)教室にいると,一定時間おきにクイズ形式の授業がスタートした。比較的簡単な問題が多かったが,突如どういうわけだか,「バスケットボールを考案したのは誰か?」といった具合に,妙に専門的な,難しい問題が出ることもあった(ちなみに答えはジェームズ・ネイスミス)。だが,そんなときにほかのプレイヤー……いや,クラスメイト達と,「むずかしー」「分からなーい」などと言い合えるのは,懐かしく,楽しいものだ。 体験入学会で,"ゲームという枠を飛び越えた,コミュニティコンテンツ"と紹介されていたのは,こういった側面を指してのものだろうか。
ただやはり,チャットソフトにクイズゲームがくっついているだけでは? なんて意地悪な見方をする人もいるはず。 そんな人に筆者は,こう言いたい。ときめきONLINEは,高校生活を追体験できるRPGなのだ,と。冒険するだけがRPGではない。Roll(役)をPlaying(演じる)するGameというのが,RPGという言葉そのままの意味だ。大人になってしまったプレイヤーが,高校生の頃の自分の役を演じ,もう一度高校生活を楽しめるゲーム。 高校生活とは,ちょっと胸ときめく出来事があったり,クラスメイトとひそひそ話をしているうちに終わってしまう授業があったり,部活に没頭していたらクラスメイトとの仲に亀裂が入ったり,同性の友人に次々と恋人ができていき,気づくといつも一人で帰宅していたり……と,平和といえば平和な,また,ある程度閉じられた世界。何から何までウマが合うヤツも,理由はないのに仲良くなれそうにないヤツも,きっと身近にいる。だけどきっと,そんな環境で人は,己を磨き,肉体と共に精神を成長させるものなのだろう。 当時はそれはそれで必死で生きていたとしても,ある程度大人になって思い返すと,悩んでいたことの大半が些細なことだったりで……。そんな過去の自分を愛せる人ならきっと,ときめきONLINEの高校生活を楽しめるはずだ。(TeT)
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ときめきメモリアルONLINE |
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■価格:パッケージ版:1980円(税込)〜,プレイ料金:税込み1200円/30日〜 |
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(C)2005 Konami Digital Entertainment Co., Ltd. |
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