[TGS2005#42]突如登場,エキサイトのチーム戦FPS「Dispatch of Army」もひっそり展示
MMORPG「乱」で盛り上がっていたエキサイトブースだが,ブース反対側には新作「ローハン」がこっそりムービー展示されていたのは,先ほどの「こちら」のとおり。で,実はそれに並ぶように,もう一作ムービー展示がなされていたのだ。 余りにさりげなく,ユーザーはおろかメディアでさえもあまり気付かないだろうという置かれ方をしていたのは,エキサイトの新作FPS「Dispatch of Army」。チーム戦FPSだ。
チーム戦FPSといえば欧米デベロッパの専売特許みたいになっているが,本作は韓国のBoltSoft製。元々のタイトルは「派兵」と呼ばれているもので,アチラでは1年ほど前からサービスインされている。クライアントはフリーダウンロード方式で,FPSにも関わらずなんと「アイテム課金」という斬新な手法で運営中だ。 アイテム課金とはいっても,ゲームバランスを一転させるようなものは存在しない。照準の形が変わるなど(精度は同じらしい),そういった部分での差別化が図れるとのこと。言うならば,FPS版のアバター,といってもよいだろう。 対人戦のみをフィーチャーしてあって,Botなどは存在しない。つまり,常に相手はプレイヤーということだ。比較的Counter-Strikeのコンセプトに近いが,Botをゼロにする割り切りは珍しい。とはいえ確かに,本作のビジネスモデルを考えるに,CPU戦はまったく不要。手間がかかる割には効果が報われないのだから,ある種潔くて正しい割り切りだ。 最大8vs8の対戦で(16vs16までは可能らしいが),ロビー方式で動いているとのこと。韓国では当時チームで対戦できるFPSはほとんど存在しなかったので人気に火が付き,それはいまでも続いているようだ。ゲームエンジンはTouchdown Entertainmentの"LithTech Jupiter"で,素地もそれなりによい。
そんな本作を日本に持ってくるとのことだが,ふと気になったのがゲームの背景。オリジナル版は「NVA(ベトナム同盟定期軍) と駐ベトナム韓国軍間の戦闘」をフィーチャーしたもので,さすがにそれをそのまま持ってくるわけにもいかないだろう。そもそも,テーマに馴染みがなさすぎる。 そんな疑問をぶつけてみたところ,エキサイト曰く「日本でやるときは,渋谷とかの地形入れて市街戦とかにしようかな,なんて考えてます」とのこと。なるほど。ちょっと面白そうだけど,それって背景からキャラクターから武器から全部作り直しになりませんか? 「そうですね,そうなると思います。さすがにこれをこのまま日本でサービスインしようとは思っていませんし,実際マレーシアなんかでは,政府軍vs.革命軍というモチーフで作り直してサービスインしてるんですよ」 とのことで,すでにもう作り替えの実績(?)があるらしい。語弊を承知で言うならば,"LithTech Jupiterエンジンを使ったチーム戦FPS"というゲームエンジンだけを持ってきて,新たに作り直すという感じなのだろうか。 そんな状況もあって,サービス開始日はまったくの未定。2006年中にはオープンβまで持っていきたいとのことだ。LithTech Jupiterの制作過程は比較的手間がかからないと評判だし,もしかしたらもう少し早まったりもするかもしれないので,FPSファンなら記憶にとどめておこう。 ちなみに,「こちら」のサイトにムービーが各種あるので見ておくとよい。ミラー許可を取っていないのでリンクするだけにとどめておくが,どんなゲームなのかはよく分かる。グラフィックスレベルはさすがに一世代前の古さが否めないが,チーム戦FPSのクオリティを決めるのはグラフィックスではないことは,プレイヤー自身が一番よく分かっているはず。実際にプレイしてみないとそれ以降のことは分からないが,まずはエキサイトの"日本語化"に期待しておきたい。 どんなゲームかを探るなら上記URLからムービーをダウンロードするのが一番よいが(Topページ下のほうのムービーリンクから。直URLは「こちら」),エキサイトの宣伝バージョンのムービーも撮影したので置いておこう。興味がある人は「こちら」からどうぞ。(Kazuhisa)
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