[TGS2005#58]新しいタイプのゲームポータル? 「スタイリア」日本初公開
東京ゲームショウ2005のGravityブースでは,すべてのタイトルがプレイアブルな状態で出展されていた。 新感覚ゲームポータル「スタイリア」は,そんなGravityブースの中では地味といえる出展内容だったのだが,多くの人に試遊されていたのが印象的だった。日本での知名度はそれほど高いとはいえないが,隠れた注目作といえそうだ。 スタイリアに関しては,Gravityブースでのプレイアブル出展やプロモーションムービーの上映,ステージを利用してのゲーム大会などが行われた。また,Gravity主催で9月17日に開かれた記者懇談会でも,開発者自らが記者からの質問に答える形で,同作に関する情報を提供してくれた。本稿では,そういった情報をもとに,スタイリアというタイトルの概要について紹介していこう。
以前「こちら」でお伝えしたように,スタイリアは"オンラインゲーム機"というコンセプトを持つ,新たなオンラインゲームポータル。 一般的なゲームポータルでは,Webを起点としてさまざまなゲームがプレイできるものの,アカウント(やポータル内架空貨幣)程度しか,同一ポータル内のゲーム同士のつながりがなかった。最近ではアバターキャラクターを用意するポータルも多いが,そのアバターを活用して複雑なゲームをプレイすることは,まずできない。 一方スタイリアの場合は,オンラインゲームポータルとしての機能をクライアントが処理する。Webベースではなく,クライアントベースのゲームポータルというわけだ。 そしてスタイリアのアバターは,さまざまなアイテムを装備させて個性を演出するという従来どおりの楽しみ方ができるうえ,アバターが(コンシューマ機でいうところの)メモリーカードとしても機能する。複数のゲームの各種データを蓄積していくことで,アバターへの愛着もより一層深まりそうである。
ゲームポータルというからには,もちろんスタイリアから複数のゲームに移り,ゲームを楽しめる。Gravityブースでプレイアブル出展されていたゲームは,テニスゲームの「ラブフォーティ」,バスケットボールゲームの「フープス」,横スクロールタイプのアクションゲーム「TVヒーローズ」の3種類。 目の肥えたゲーマーから見れば,いずれも"ミニゲーム"的な作品に思えるかもしれないが,それぞれのデキは良く,みんなで気軽に,わいわいと遊ぶにはちょうどいいボリュームだ。なにより,趣味全開でコーディネートした"アバターそのもの"で各種ゲームに参加できる点が楽しい。 用意されていた試遊台はさほど多くなかったので,タイトルの性質上,スタイリアの魅力を完全に味わうことはできなかった。しかしこれがβテストになれば,ライトなオンラインゲーマーの溜まり場/遊び場として,非常にうまく機能するであろうことは,想像に難くない。人が集まれば集まるほど,スタイリアのコミュニティとしての魅力は増し,価値も高くなるわけだ。
記者歓談会では,「現在テニス,バスケ,アクションというゲームが用意されているが,スノーレーシング(雪上レース)もそろそろ実装段階になります。また,スタイリアにゲームを提供するサードパーティも徐々に増えてきているので,ゲームコンテンツもどんどん充実していくでしょう」と開発者が話していたので,ゲームポータルとしての多様性についても問題はなさそうである。 さて,スタイリアのサービス展開だが,韓国ではすでに2回のクローズドβテストが行われており,10月末にはオープンβテストを開始する予定だという。ビジネスモデルはアイテム課金制で,基本プレイは完全無料となるらしい。日本展開に関する詳細も,きっと近いうちに聞こえてくるだろう。(大路政志)
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