ニュース
[韓国ゲーム事情#416]Webzen「SUN」公式発表,実はMOだった?
2005/09/27 16:29
Kimの韓国最新PCゲーム事情#416

Webzen「SUN」公式発表,実はMORPGだった?(2005/9/27)

Text by Kim Dong Wook特派員


 「Mu Online」(邦題 ミュー 〜奇蹟の大地〜)のデベロッパであるWebzenは9月26日,ソウルの大型映画施設であるMegaBoxで,自社の新作タイトル「SUN」(Soul of the Ultimate Nation)のプレス発表会を開催した。

 映画館での発表会はゲーム業界でも珍しいが,これには理由がある。今回初めて公開された同ゲームのメインオープニングムービーは,Full HD 5.1チャンネル DOLBY SURROUNDで制作されており,同ムービーのインパクトを感じとってもらうために,このような独特の会場で発表会を行ったのだという。



SUNのオープニングをプロデュースした倉沢幹隆氏
 同ムービーは,カプコンの鬼武者シリーズのCGムービー制作で名高い,日本の倉沢幹隆氏が制作指揮を担当したとのこと。また,西欧ファンタジーの世界観をうまく表現するために,フランスのCG専門スタジオMAC GUFF LIGNEが制作にあたり,東洋的なアクション感を表現するために,映画「あゝ! 一軒家プロレス」などでアクション監督を担当し,香港でも活躍中の谷垣健治氏が起用されていることが明らかにされた。
 倉沢氏は,現地で撮影したビデオ映像を通じて,「SUNのキャラクターを見て,とても面白い世界を感じたので,この仕事を引き受けることに決めました。ムービーでは,私が感じたSUNの世界を,映画的な壮大なスケールの映像で表現してみました」と語った。

 ムービーでは,反乱軍との戦闘のために出征する帝国軍の姿,バーサーカーとドラゴンナイトによる帝国軍との戦闘,カルバスとドラゴンナイトの対決などが,リアルかつ迫力満点に表現されており,この日参加した150人あまりのプレス関係者とアナリストの喝采を浴びていた。



SUNのプロデューサーHong, In Gyun氏
 映画館の大型スクリーンで,ゲームの特徴や今後の展開に関するプレゼンテーションを行ったのは,以前4Gamerのインタビューに答えてくれた(記事は「こちら」),同ゲームのプロデューサーHong, In Gyun氏だ。同氏はこのあと,ログインからルーム作成,戦闘参加まで一連のゲームプレイを自ら披露してくれた。

 ゲームプレイを見る限り,SUNはMMORPGというより,アクション性が強いMOゲーム,分かりやすくいえば「Guild Wars」に似ているようだ。
 ログイン後の「村」では,ほかの大勢のプレイヤーと一緒にいるものの,特定のNPCを通じてBattle Zoneに入ると,そこはMOタイプの戦場となっていた。プレイヤーはBattle Zoneに入るときに,「マップ生成システム」で,自分の目的,難度,一緒に入るプレイヤー数,モンスターの強さなどの調節を行って,これからプレイするゲーム空間を逐次作り出せるとのことだった。



エレメンタリスト
 Hong氏は本作のシナリオについて,「単純な戦闘の繰り返しでは退屈されてしまうので,両軍間での裏切り,陰謀など,ドラマチックな要素をふんだんに入れてあります。具体的には,新しい大陸を開拓していくという基本シナリオをベースに,発端→展開→危機→クライマックス→結末といった流れで,ゲームが進行していきます」と語った。
 また対人戦についても話が出て,「将来的には,攻城戦も用意する予定です。ただ,一般的なMMORPGの攻城戦のように,非常に大勢のプレイヤーが集まって戦うようなものにはしないつもりです。例えば,ギルド対ギルド,部隊対部隊といった,少規模ながらも戦略的な攻城戦を追求していきます」とのことだった。

 本作では,ミッションの達成や,純粋に戦闘を楽しみたいときは「ミッションマップ」を,純粋にレベルアップにはげみたいときは「ハンティングマップ」を選択できるようになっている。
 ミッションマップでは,プレイヤーはトラップ,オブジェクトなどを利用して,よりアクションRPGらしい戦闘を行えるとのこと。またハンティングマップでは,マップに参加可能な人数,レベル,クラスの制限,モンスタータイプなどをプレイヤーが設定できるとのことだ。

 SUNには,アイテム制作システムとして,「Rank Upシステム」が存在する。本作では,同一のアイテム2個を結合させると,1個の上位ランクアイテムを合成できる。またこのとき,追加オプションが生成されるのだ。例えば,Bランクの剣2個を結合させた場合,攻撃速度の向上オプションが追加されたAランクの剣が生成された,なんてことが起こるわけである。
 またRank Upを行うと,アイテムにソケットが生成される。このソケットに特定ソケットアイテムを装着すれば,さらに新しいオプションを付与することも可能だ。そのほか,アイテムの基本的な能力を上昇させる「Enchantシステム」も存在する。



ドラゴンナイト
 9月27日から10月3日まで最初のクローズドβテストが行われ,10月11日からは,1週間にわたる第2次のクローズドβテストが行われる。さらに11月中のオープンβテストを経て,2006年からの商用化を目標にしているとのことだ。
 同社の社長であるKim, Nam Joo氏は,本作のスケジュールに関して「以前にユーザー達と約束したスケジュールを守りたかったが,オンラインゲーム先進国の作品として恥じないクオリティに仕上げるため,全体的なスケジュールを延期することになった。また海外でのサービスも,2006年中に延期している。遅れた分,今後のオンラインゲームの新しいトレンドを作り上げるような作品するため,最善を尽くしたい」とコメントした。

 この日の発表によれば,第1次クローズドβテスターの募集枠999人に対し,約30.3万が応募があり,303対1という倍率を記録したという。韓国でも,オンラインゲームのクローズドβテストに30万人以上の参加希望者が殺到するというのは非常に珍しいことで,業界関係者達の間でも話題になっている。
 なお第一次クローズドβテストでは,ログイン後の村である「トリングゲル」と「野獣の森」「雪原」「火山」「地下水路」の5種類のマップ,バーサーカー(人間族),ドラゴンナイト(竜族),バルキリー(人間族),エレメンタリスト(魔法師)の4クラスのキャラクター,そして100種類以上のスキルを体験できるとのことだ。

 この日の発表会で公開された詳細を見る限り,SUNは"MMORPG"とは少し違った形態であるようだ。これまで「グラナド・エスパダ」「ZerA」「SUN」の3作が,2005年下半期のMMORPG期待作Big3と呼ばれていたが,今後は少し別の視点から,このゲームを見なければならないようである。


SUN(Soul of the Ultimate Nation)
■開発元:Webzen
■発売元:Webzen
■発売日:2006/12/19
■価格:基本料金無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.09/20050927162926detail.html