[G★2005#043]ファッショナブルなスノボゲーム「SP JAM」開発者インタビュー
「SP JAM」開発ディレクター,Sung Choi氏(写真左)
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G★2005二日目の11月11日,「Play NC」のキーパーソン達に立て続けにインタビューを行ったが,最初に話を聞いたのが,「SP JAM」の開発ディレクターSung Choi氏だった。 スノーボードを題材としたゲームということで,ファッション性に関する方向性やe-Sports展開への動きなどについて,感心を持っているゲーマーも多いことだろう。インタビュー時間がかなり短めだったので,駆け足の内容になってしまったが,興味深い話が聞けたので,ぜひ一読してほしい。
4Gamer: はじめまして。本日はよろしくお願いします。
Sung Choi氏: こちらこそ,よろしくお願いします。
4Gamer: 早速ですが,「SP JAM」の開発コンセプトについて,教えてください。
Sung Choi氏: 第一に,レーシングゲームとして気持ちよく遊んでもらえる作品作りを心がけています。単純な操作で,重力感やスピード感を味わってもらうにはどうしたらいいか,日々研究を重ねています。 そして第二に,ファッション性の高さを前面に押し出す形での「見せ方」を意識しています。スノーボードは,ヒップホップやテクノといった音楽/ファッション文化と相性のいいスポーツですし,その点にはとくに力を入れていくつもりです。
4Gamer: 韓国でもスノーボードはポピュラーなスポーツなんですか?
Sung Choi氏: はい,ウィンタースポーツを楽しむ若者達の間では,非常に人気があります。若いウィンタースポーツファンの8割くらいはスノボを楽しんでいるのではないでしょうか。
4Gamer: なるほど,そういうことならば,日本のスノボファンとあまり変わりませんね。
Sung Choi氏: そうですね。ただ,関連商品の専門店がまだまだ少ないので,ファッション性に関しては,満足できるといえる環境ではないかもしれません。
4Gamer: そういった不満を持つスノボファンが,SP JAMに殺到するかもしれませんね。
Sung Choi氏: ええ,そういった流れは大いに期待しています。実在するブランドとタイアップし,ゲーム内にブランドショップを設置していく予定なので,ぜひ注目してほしいですね。 タイアップに関してはタイミング次第ですが,オープンβテストまでには,ヒップホップ,ロック,テクノといったテーマごとのウェアやボードを実装し,さまざまなファッションを楽しめるようにします。
4Gamer: 個性的なファッションが楽しめれば,それだけも楽しいですからね。 ファッションと同じく,ボーダーの個性に関わる要素だと思うのですが,トリック(技)に関してはどのような仕様になっていますか?
Sung Choi氏: もちろん,トリックも豊富に用意しています。トリックはその難度によって,レベル1からレベル3までのカテゴリーに分けられます。レベル1/レベル2のトリックは,現実世界でも見られる既存のものを設定しています。 そしてレベル3からはオリジナルトリックとなり,現実にはあり得ない技を用意しています。
4Gamer: 現実にはあり得ないトリックというと,なかなか想像が難しいですが,どんなものがありますか?
Sung Choi氏: 例えば,ジャンプ中逆さになって回転したり,ボードをブーメランのように投げたり……。
4Gamer: ボードを投げて,それが戻ってくるのはスゴイですね(笑)。
Sung Choi氏: あまりにも忠実に現実のスノーボードを再現してしまうと,ゲームとしての楽しさは減少しますからね。そのあたりのバランスは非常に難しいのですが,やはりゲームならば,まず楽しくなければダメだろうということで,思い切ってオリジナルトリックを盛り込みました。
4Gamer: 確かに,ゲームに関しては「リアルだから面白い」という原則は成立しにくいですからね。Play NCのカジュアルコンテンツとしては,決して間違ってはいない方向性だと思います。 ところで本作には,キャラクターが成長して能力がアップするような仕様は存在しますか?
Sung Choi氏: その点に関しても検討を重ねたのですが,キャラクターの成長要素はプレイヤースキルの上達を無効化するおそれがあるため,e-Sports的な展開をスムースに行うためにも,バッサリと削除しました。
4Gamer: では,キャラクターの能力やアクションは,みんな平等ということになるのでしょうか?
Sung Choi氏: そういうわけではありません。各種トリックは,アイテムとして購入し,修得する仕様になっているので,繰り出せるトリックは人それぞれ違ってきます。
4Gamer: なるほど,修得しているトリックによって,演技の組み立てが変化するわけですね。それならば,各プレイヤーの個性が発揮された競技が楽しめますね。 では最後に,日本のゲーマーに一言,メッセージをお願いします。
Sung Choi氏: SP JAMを開発するにあたり,日本のスノーボードゲームをたくさんプレイしました。そういった作品群と比較してみても,本作はかなり気軽に遊べるタイトルだと思います。カジュアルゲームのように気楽に,そしてe-Sportsのようにストイックにプレイできる,懐の深い作品に育てていくつもりなので,ぜひ期待していてください。
スノーボードというシンプルなスポーツを題材に,ファッション性や競技性,演出面での面白さなど,さまざまな要素が盛り込まれたSP JAM。韓国ではクローズドβテストの真っ最中だが,総合的な完成度については,まだ高いとはいえない段階だ(現状,トリックの演出やコースレイアウトといった要素が弱く,スノボゲームとしてはやや物足りなさを感じた)。 しかし,実装予定の「魅力」が一通り付与されれば,本作から得られる「楽しさ」は非常に高いレベルのものになるだろう。2006年には,Play NCを通じて日本でも遊べるようになるはずなので,今後のアップデート内容には大いに注目していきたいところだ。(大路政志)
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