[G★2005#051]複数の敵をなぎ倒す快感!? 武侠モチーフのMMORPG「龍天氣」
韓国の玩具メーカーSONOKONGのブースの一角にて展示されていた「龍天氣」は,SONOV社が開発を手がける武侠をテーマにしたMMORPG。世界設定の監修に武侠小説の大家である金庸氏が参加しているほか,同時に複数の敵を相手にして立ち回れるという,独特の戦闘システムを搭載しているのが特徴だ。プレイヤーは,拳法,剣術,あるいは内功といった各種スキルを鍛え上げながら,武林(武術界という意味)での功名を目指していくことになる。
基本的にはオーソドックスな3D MMORPGのスタイルを取る本作だが,複数同時に敵を攻撃してなぎ倒していくというのは前述した通り。プレイ風景を見る限りだと,ちょっとした三国無双ライクな戦闘描写になっており,群れて襲い掛かってくる敵を,武侠ファンにはお馴染みの(?)アクロバティックな,言い換えればワイヤーアクション風味なモーションで,バッタバッタとなぎ倒してくれる。そのためモンスター(人型が多いが)自体は,常にかなりの数でマップを徘徊する形になっており,ちょっと走ると5〜10人程度の敵がワラワラと襲いかかってくる。これはこれでなかなか楽しげな雰囲気だが,あまり敵が多くなると敵キャラクターの表示が重なって分りにくくなったり,いろいろと不備が見受けられたのも正直なところ。インタフェース周りについては,今少しのブラッシュアップが必要といった雰囲気であった。 ちなみに本作の特徴である“複数に同時に攻撃”ができるという部分についてだが,そのためのとくに特別な操作が必要というワケではなく,従来のMMORPGのように敵をクリックして攻撃を仕掛けたときに,その攻撃の当たり判定が周囲にも及ぶ……といった程度でしかない。そのため,最初こそ敵をなぎ倒す動作に目を奪われるものの,慣れてくると戦闘がただの単調なハンティング作業になってしまっている点も残念である。
また,レベル制ではなくスキル制のゲームシステムを採用している点も大きな特徴。基本的には武器をベースにスキルが割り振られており,その武器を使えば使うほど熟練度が上がっていって強くなるという形を取っているようだ。またスキル制ゆえに,いわゆる「敵と戦わなくても」強くなることが可能だという話。 例えば,内功を鍛えるのには敵と戦う必要はなく,日々の鍛錬(気を練る)を行うことで,上げていくことができるのだろう。実際,武侠ものの小説や映画(ドラマ)などでは,内功を鍛える基礎訓練を行う描写などがよくあり(太極拳のような動きで気を練っていく),本作でもそのようなアクションを行うことで,内功の力を高めていけるようだ。 ちなみに内功というのは,西洋ファンタジーの世界でいう魔力に当たるもので,内功を駆使するクラスがいわば「魔法使い」といった形。本作でも,内功の技術には大きく回復系と攻撃系の二系統があり,まさしく僧侶と魔法使いといった趣である。
世界観が武侠ということで,日本ではなかなか親しみを持たれにくい面もあるかもしれないが,最近は華流ブームという言葉もあり,徐々に金庸小説やそのドラマ版などが日本でも見られる環境が整いつつある。かく言う筆者も最近,ケーブルテレビなどで放映されていた「射G英雄伝」という金庸原作の大河ドラマに大ハマリ。もっと日本でも武侠というジャンルがメジャーになればいいのに,と思う今日この頃である。 さて,最後となるが龍天氣は,2005年12月にオープンβテストを開始予定。今後の世界展開などは未定とのことだが,まずは武侠に親しみのある,香港,台湾あたりを視野にサービスインさせていきたいという話。今後の発展に期待したいと思う。(TAITAI)
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