[G★2005#081]アイデア作品が出展されていたゲームアカデミーブース
ゲームアカデミーブースでは,卒業制作として作られたゲームが6タイトル展示されていた。G★ 2005の最終日にブースを訪れた我々は,意外にも面白いそれらのタイトルを,時間を忘れてプレイしてしまった。ある意味,大手デベロッパのタイトルとは別の楽しさを内包する彼らの作品は,これからの韓国ゲーム市場を担う原動力となっていくのではないだろうか。
出展作品は,プラットフォームにPCを選び,オンラインでのマルチプレイに対応したものがほとんどだったが,数人のチームにより3か月ほどの期間で制作されたものだという。完成度という部分では,多額の資金を投入し,長期間で開発を行うデベロッパの作品には及ばないものの,面白いアイデアや学生ならではの意気込みが,十分に感じられる作品となっていたのが印象的だった。 その中でも,とくに目を引いた2タイトルを紹介していこう。(Seal)
■バスを振り回してゴールを目指す「AYA!」
「AYA!」は各ステージを,バスを武器にモンスターを倒しながらゴールを目指すアクションゲーム(オンラインは非対応)だ。ゲームのコンセプトは,コミック的な軽いノリのテイスト(笑いの演出)とアクションゲームを融合させるというもので,いかにも気軽に楽しめそうなグラフィックスが特徴となっている。
バスには,HPとFuelが用意されており,モンスターからの攻撃を受けるとHPが減少し,なくなるとバスは破壊されてしまう。一方のFuelはバスに乗ったときに減少するもの。バスに乗ったときは,垂直な柱や壁さえ上って行け,上空からの落下攻撃が可能となる。ちなみに,現在バスは1種類しか用意されていないが,今後追加していく予定があるとのことだ。 また,バスにモンスターを乗り込ませることもでき,乗り込んだモンスターによってレアアイテムの出現率が増加するなどの変化もあるらしい。
制作で難しかった部分は,アクションゲームならではともいえる衝突処理(当たり判定)と,バスに乗り込んだモンスターの演出の2点だという。 プレイヤーキャラクターの成長や,攻撃のコンボなど,アクションゲームとして基本的な要素もしっかり押さえられている。すでに数社からサービスのオファーが来ているとのことだが,まだまだ作り込みを行なっていくとのことだ。
■ボーリングを題材としたカジュアルゲーム「King Pin」
「King Pin」は,ボーリングというほとんどの人が知っているであろうスポーツを,"誰でも簡単に楽しめる"をコンセプトに制作されたオンラインカジュアルゲームだ。出展されていたバージョンは,未完成な部分が多かったのが残念だが,随所で面白くなりそうな雰囲気が感じられたので紹介しよう。
操作は簡単で,キャラクターの位置とボールの回転を決めたら,ゴルフゲームのようなインタフェースで強さとタイミングを入力するというもの。魔法球シュートやハリケーンシュートなどの大技も用意されているので,ゲームは現実とは異なる派手な展開となる。 キャラクターアクションもかなり大げさでブースでは楽しくプレイできたが,キャラクターが現在2種類しか用意されていない(服装はそれぞれ数種類あったが)こと,倒れたピンの挙動がシンプルだったことが残念な部分。またオンライン機能もこれから(来月かららしい)実装予定とのことなので,完成度を上げてこれらのマイナス要素を払拭できれば,面白い作品に仕上がるのではないだろうか。
制作中に難しかったところは,ボールとピンの動きの物理計算と,実際プロジェクトとして完成までこぎ着けるかという2点だったという。本作のサービスもすでに2社からオファー(そのうちの1社は日本企業のようだ)が来ているとのことなので,無事完成して世に出ることを期待したいところだ。
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