NVIDIAは米国時間2005年12月13日,台湾のチップセットメーカーであるULi Electronics(以下ULi)を買収した。買収総額は5200万ドル。NVIDIAはニュースリリースの中で,ULiの持つ技術が,nForce MCPやGeForce,QuadroといったPC向け基幹製品に,大きな影響を与えるとの見通しを示している。
nForce4は豊富な機能でゲーマーを含むエンドユーザーの支持を集めているチップセットだ。しかし,サウスブリッジ(的な)機能一つ一つの安定性という面で,全幅の信頼を勝ち取れてきたとは,残念ながら言えなかったのも確か。今回の買収により,ULiの技術が,nForce4の信頼性向上に寄与するのであれば,それは素直に歓迎すべきだろう。
ちなみに,ULiはALi(旧Acer Laboratories)のチップセット部門が分社化して誕生した企業。最近ではRadeon Xpressチップセット向けのサウスブリッジなどでも知られる。それだけに,ATI Technologiesが持つチップセット事業に影響が出るかどうかも注目されるところだ。この意味で,今回の買収劇は,ゲーマーの製品選択にも関係してくる話といえそうである。(佐々山薫郁)
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