[韓国ゲーム事情#471]「SUN」のプレオープンβ開始,評判は?
Kimの韓国最新PCゲーム事情#471
「SUN」のプレオープンβ開始にテスターが殺到,さて評判は?(2006/1/26)
Text by Kim Dong Wook特派員
Webzenの新作「SUN(Soul of the Ultimate Nation)」(以下SUN)がプレオープンβテストをスタートさせた。期間は2006年1月24日から30日までの一週間で,毎日14時から24時まで。初日となる1月24日だけで,ダウンロード試行回数が70万を超えたという同タイトルには,実際,非常に多くのテスター達が殺到しているようだ。
今回のテストは,大規模な同時ログインによるサーバー負荷検証が主目的。キャラクターやスキル,アイテムなどといった全般的なゲームバランスも同時にテストされている。 ちなみに,2005年秋のクローズドβテストとの違いをまとめると,以下のような感じである。
1.ユーザーインタフェースの改善
「Quick Slot」と呼ばれる“行動ショートカット”が用意され,座ったり,売買を行ったり,アイテムを拾ったりといったアクションを,コンシューマゲーム的なワンボタン操作で行えるようになった。 また,キャラクターに多種多様なポーズを取らせる「エモーティコン」(emoticon,ここでは感情表現の意)も強化。さらにはオプション設定も追加され,キャラクターの名前やダメージ,スキルエフェクト,ヘルムの表示/非表示を切り替えられるようになったほか,キャラクターの自動移動機能の有効/無効も選択可能になっている。
2.「Battle Zone」や新規フィールドの追加 SUNの目玉でもあった,プレイヤーがPvP専用のゾーン「Battle Zone」を生成し,プレイヤー同士の個人戦やチーム戦を楽しめる機能がついに実装された。 また,「凍てついた宮殿」ゾーンにメインミッションとフィールド2&3が追加されたほか,「野獣たちの森」「エテレイン地下水路」ゾーンにはサブミッションがそれぞれ2個ずつ追加されている。また,「ベルトヘン」「エテレイン」の村も今回のプレオープンβにおける新規追加だ。 既存ミッションにおいて,達成時の報酬が高められ,同時に,各クラス間の協力や,パーティを組むことの必要性が高まった点にも注目しておきたい。ゾーン/フィールドごとに最大プレイヤー数が異なって設定されるようになり,マップの特性や広さを生かした人数で戦闘を楽しめるようにもなった点も,トピックといえる。
3.システム面の追加
プレイヤーキャラクターの顔やヘアスタイル,身長などを調節できるようになった。また,ギルド&友達リストの管理,1対1のチャット機能も強化された。 また,ユニークなのは,PC Bang活性化のため,PC Bangでプレイする場合に,経験値に10%のボーナスが与えられるようになっている点。また,韓国産ゲームでは初めて「疲労度システム」が投入されているのも非常に特徴的だ。1月28日以降の3日間では,1日のプレイ時間が6時間を超えると,経験値の獲得に制限がかかるようになる。正式サービス時には,1日あたり12時間を超える場合に,経験値の獲得制限がかかる予定だ。
4.シナリオ&ストーリー要素の強化 NPCとの対話を通じて,ゲームのストーリーを理解できるようになった。また,それぞれのNPCには,個性を演出するための簡単な音声データが追加されている。 ミッション遂行中に知っておくべき情報については,その説明も行われるようになった。
5.スキル追加&バランス調節 「バルキリー」の召喚スキル追加など,プレイヤーキャラクターのスキルが追加された。これまでと比べると30%増しとのことなので,結構な量だ。併せて,バランス調整が行われている。 アイテムの装備条件パラメータとして,力と敏捷性以外に,熟練度と知力が加わったのも特徴だ。これにより,キャラクターの育成方向を多様化する狙いである。
■プレオープンβで見えてきた問題点に テスター達から不満の声
さて,以上のように盛りだくさんでスタートしたプレオープンβ。だが,筆者はいきなり,SUNの核心部分である「ルーム」の作成でつまづいてしまった。SUNでは,まずルームを作成し,それからゲームをスタートさせるのだが,最悪の場合は,数十回トライして1回,程度の確率でしかルームを作成できないのだ。もちろん,サーバーの負荷テストであるわけだから,現時点でそういうトラブルが生じるのは当たり前といえば当たり前だが,サーバーのパフォーマンス面には,正直,若干の不安を感じた。
ゲームについて指摘するとすれば,テスター達が皆,口を揃えて「グラフィックスが非常に美しいのは確かだが,狩りとミッションプレイの繰り返しでゲーム展開の多様性に乏しく,飽きてしまう」と述べていた点が気になった。 マップが単調であることを指摘する声もあった。一定方向へひたすら移動してボス的なモンスターを倒し,クリアしたら,その“一本道”をまたひたすら戻らねばならない。一つのマップをクリアしたら,次のマップへ飛べる装置が必要で,SUNにはそれがないから退屈,というわけである。
今回のテストはプレオープンβで,オープンβテストですらない。この段階で何かを判断するのは明らかに早計といえよう。しかし,テスター達の期待に,現時点でSUNは応え切れていないのもまた確かなようだ。
2006年中に正式サービスが始まる予定のゲームの中で,SUNは非常に高い注目を集めている。正式サービス開始までに,あとどれだけの時間が残されているのかは分からないが,ただ美しいグラフィックスを見せるのではなく,SUNならではの独創性で,プレイヤー達を引きつけられるゲームに仕上がってくれることを期待したい。
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