[台北ゲームショウ#11]奇跡の生還から始まる冒険。Chinese GamerのMMORPG「飄流幻境ONLINE」
Chinese Gamer社Marketing Managerの陳誌敏(Eric Chen)氏
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新規タイトルお披露目の場であると同時に,お祭り的な意味合いも強いゲームショウでは,基本的に来場者の年齢層は10代後半〜20代が中心と若い。しかしその“若い”を通り越して“幼い”ユーザーが熱心にプレイしていたのが,Chinese GamerのMMORPG「飄流幻境ONLINE」(Wonderland Online)だ。同タイトルは,このゲームショウ期間中にオフラインPvPイベントを開催しており,メーカーブースとは別に15台ほどの試遊台スペースを設置。イベント時間以外は誰でも自由に触れられるのだが,どう見ても小学校低学年ほどの子供たちが,特に同伴の保護者もいないまま夢中でプレイし続けていた。
メインストーリーは,船が難破し,奇跡的に島にたどり着いて生き延びたプレイヤーキャラクター達(=漂流者)が,いつの日か壊れた船を直して家に帰るために,お互い協力し合って島の中を冒険していく,というもの。モンスターとの戦闘やNPCからのミッション遂行など,典型的なライト系MMOスタイルだ。エンカウント方式の戦闘システムや,2Dグラフィックスを見る限りでは,1昔前のタイトルといった印象は拭えない。 しかし中身は結構凝っていて,豊富な合成,生産システムも用意されている。薬,装備品,道具類といった一般的なアイテムに加えて,移動手段である乗り物の燃料なども,プレイヤーによる資源発掘が必要なようだ。この乗り物も下は燃料が一切いらない木の筏から,上は飛行船や魔法の絨毯まで14種類もある。これらは単なる生産・合成システムとも意味合いが少し異なり,元の世界に戻れるその日まで島で生き残るための,サバイバル能力として設定されているのがユニークだ。 また,少ない資源をめぐってのPvP機能も搭載。最大8対8で,マップの支配権と,そこから採掘できる資源を巡る戦いも可能で,意外にハードな面も持ち合わせているタイトルなのである。
公式サイトを見ると,おそらくNPC紹介と思われるキャラクター解説ページがあるのだが,いかにも中国風の名前から欧米風の「マリア」,間違いなく日本名であろう「紺野鶴子」まで,人種はさまざま。このあたりは,ほかのアジア諸国でのサービス展開を考えての布石かもしれない。ただ,キャラクタープロフィールに「中国の上流家庭で育ったお嬢様だが少しドジっ子」と書かれていたりするのは,日本の漫画やアニメーションからの影響が伺える。
Marketing Managerの陳 誌敏(Eric Chen)氏によれば,飄流幻境ONLINEは,2005年12月にオープンβサービスを開始し,2月に正式サービスを迎えたばかりだとのこと。対象ユーザー層は13歳〜18歳ぐらいとやはり低めで,課金スタイルは月額課金で400NTドル(日本円で約1460円)。日本市場への進出についても聞いてみたが,今は台湾での成功に集中している時期。それ以外のマーケットについてはまだ何も考えられないとのことであった。公式サイトの絵柄を見ても,日本でも十分に通用しそうな気配はする(お子様向けになるかどうかは別問題だが)。ぜひ一度チェックしてみてほしい。(ライター:麻生ちはや)
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