松下電器産業とスクウェア・エニックスは,多種多様なデジタル家電でシームレスに利用できるコンテンツの開発環境と,その環境で開発したコンテンツを利用する環境の双方を,共同で構築していくことで合意したと発表した。両社は,これらの環境をセットメーカーやコンテンツプロバイダに共同で提案していく予定だ。
この合意により,スクウェア・エニックスは2007年3月までに同社が保有するソフトウェア技術をベースとしたミドルウェア「SEAD Engine」(Square Enix Application on Demand Engine)を開発。松下電器産業のデジタル家電統合プラットフォーム「UniPhier」(Universal Platform for High-quality Image-Enhancing Revolution)に共同で組み込んでいく。これにより,さまざまなデジタル家電上でコンテンツをシームレスに利用するための技術とノウハウを構築していくとのことだ。
なお,ここでいうデジタル家電は,テレビやDVDレコーダーといった家庭用AV機器から,ポータブルオーディオプレイヤー,携帯電話,カーナビといったモバイルAV機器までをも含むもの。 ホームネットワークなどで結びつけられた複数のデジタル家電の上で,デジタルコンテンツの利用や共有を促すというのが狙いのようだ。
プレスリリースには,「両社は、本共同構築を初めとする協力関係を通じて、双方が保有する独自の技術とノウハウを活用することで、デジタル家電上でのシームレスなコンテンツの利用を実現し、来るべきユビキタス・ネットワーク時代における新たなライフスタイルを提案していきます」とあるが,具体例などは示されていない。 だがどうやら,近年では毎年10%以上の成長を見せているというデジタルコンテンツ市場において,利用者の間で高まるコンテンツの利用と共有に対するニーズに応えるための施策であることがうかがえる。 今後,一つのコンテンツを,ホームネットワークを通じ,テレビやPC,携帯電話,カーナビなど,どの端末からも楽しめるという日が来るのかもしれない。(TeT)
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