ネクソンジャパン,「マビノギ」記者説明会を開催:大型アップデート「チャプター2」の概要が公開に
■日本での正式サービスから1周年を迎える「マビノギ」
記者発表会には,「マビノギ」の開発に関わるキーパーソン達も招かれていた。左から,ネクソンコリア devCATスタジオ ディレクターのイ・ヒヨン氏,同運営チームローカライズユニット長のメン・ジソン氏,同デザインパート長のキム・チュンヒョ氏,同プログラムパート 1ユニット長のハン・ジェホ氏
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ネクソンジャパンが日本展開を行うMMORPG「マビノギ」は,2006年4月をもって,日本での正式サービスから1周年を迎える。そのタイミングに合わせ,同社ではさまざまなイベント/キャンペーンを行うが,プレイヤーが何より注目しているのは,大型アップデート「チャプター2」についてだろう。 本日4月18日にネクソンジャパンが開催した記者説明会で,チャプター2に関する詳しい情報が公開されたので,まずは速報という形でお伝えする。なお,マビノギの開発に関わるキーパーソン達へのインタビューも別途行っており,そちらについても近日中に掲載予定である。楽しみにしていてほしい。
ネクソンジャパン本社で行われた記者発表会では,まずマビノギの開発背景や特徴,日本でのサービス展開について紹介された。作品についての解説はここでは割愛させてもらうが,日本でのサービス展開については,資料的な意味合いを込めて,以下にまとめておこう。
■「マビノギ」日本でのサービス展開について 2003年9月 東京ゲームショウで初出展 2005年3月 オープンβサービス開始 ※秋葉原を中心としたプロモ活動実施 2005年4月 正式サービス開始 2005年12月 基本プレイ料金無料化 2006年4月 大型アップデート「チャプター2」導入
■ユーザー構成 マビノギID登録者数 75万人 ユーザー構成比(男女比) 8:2 ※20代のユーザーが半数以上
■オンライン以外の展開 2006年1月 GOOD SMILE COMPANYより「ナオ」フィギュア販売 2006年年末 「サキュバス」フィギュア発売予定
マビノギID登録者数が75万人,ユーザー構成比が8:2という点については,額面どおりに受け取るべきデータではないかもしれないが,それにしても,なかなか興味深い数値である。基本プレイ料金無料化により,登録者数/アクティブユーザー数がかなり増えたと思われるし,女性プレイヤーが2割を占めるというのも,MMORPGというジャンルで考えれば,立派な実績といえるだろう。 また,2006年末に「サキュバス」フィギュアが発売予定となっており,ゲーム以外の展開も,今後さらに広がっていきそうだ。ちなみに「ナオ」フィギュアは,フィギュアファン達から高い評価を受けており,発売当時には即日完売となるショップも多かった。フィギュアが好きな人は,サキュバスフィギュアの完成度にも大いに期待していいだろう。
■「マビノギ」チャプター2,4月27日についに実装
日本では4月27日の導入が予定されている大型アップデート「チャプター2」のプレゼンテーションは,ネクソンコリア devCATスタジオ ディレクターのイ・ヒヨン氏が担当した。 氏によると,チャプター1の「メインストリームシナリオ」「ペースの速いアップデート」「無限ダンジョンシステム」という好評点を継承しつつ,「限られたワールド」「単一種族」という不足点を解消し,さらなる挑戦を試みたのが,チャプター2だという。そして,「広いワールド」「新しい種族」「探検中心のゲームプレイ」という三つの軸で構成されるチャプター2は,ストーリー/生活主導型のチャプター1に,「探検と発見」という新たな魅力をプラスしたアップデートであることを強調していた。 チャプター2の具体的なアップデート内容は,下記のようになっている。
■4月27日 チャプター2アップデート内容 ・新大陸「イリア大陸」の一部を実装 ・イリア行きの船の実装 ・新クエスト/探検年表の実装 ・ケルラベースキャンプの実装 ・移動手段の追加 ・遺跡ダンジョンの追加
プレイヤーならば,項目を眺めているだけでもワクワクしてくるアップデート内容といえよう。すでに,イリア大陸やクエスト関連の情報などは4Gamerでも紹介しているが,その詳細については,今回の記者説明会で始めて公開されたものもあった。それでは,イ・ヒヨン氏によって解説されたアップデート内容で,気になるところを順に見ていくことにしよう。
■ウルラの5倍以上の面積を誇る新大陸・イリア チャプター2のメインエリアとなるイリア大陸は,これまでゲームの主舞台だったウルラの5倍以上の面積があり,ウルラ/イリア間は船(一度に30人程度が乗船可能だという)に乗って行き来することになる。 またゲーム世界の拡張に伴い,ゲーム内の視野が飛躍的に拡大されることも明らかになった。視野が広がれば要求されるマシンスペックも高くなりそうだが,これに関してはオプション設定で(おそらく)対応可能だろう。
■探検/発見が楽しめる新たなクエスト群 今回発表されたクエストの種類としては,「遺跡発見」「スケッチクエスト」「採集クエスト」「Lロッドを用いたクエスト」などがある。 スケッチクエストは,不思議な植物や古代遺跡を発見し,それをスケッチ(写生)するという内容。未開の新大陸イリアでは,いたるところで発見が楽しめるようなので,本作を永くプレイしている人にとっても,新鮮なクエストになりそうだ。 Lロッドを用いたクエストでは,L字型のロッド(いわゆるダウジングロッド)を使って,隠された財宝や遺跡などを発掘するクエストが楽しめる。Lロッドを装備していると,「怪しい場所」に近づいたときに独特の音が鳴るので,その音を頼りに隠された「何か」を探すのだ。Lロッドの反応の詳細(対象の種類や価値によって音に変化があるのか。対象までの距離や方向は分かるのか)は不明だが,実に興味深いクエストである。 なお,新たな遺跡を発見した場合,その遺跡にプレイヤーの名が冠せられるという。またイリアでの行動の記録は,「探検年表」という自分だけの年表に記録可能となっており,発見の記録やランキングを競い合うという要素も盛り込まれるようだ(探検経験値,探検レベルという新パラメータが育てば,より大きな探検にチャレンジできるという話もあった)。
■冒険の拠点・ケルラベースキャンプ イリアでの冒険は,ケルラベースキャンプを拠点に進めることになる。ベースキャンプはウルラからの移住者が作った集落で,冒険に役立つNPCが生活している。クエストボードという掲示板を通じて探検クエストが受けられるので,チャプター2実装初日から,大いに賑わいそうである。
■新たな移動手段が追加に 広大なイリア大陸をスムースに冒険できるようにと,新たな移動手段も多く導入される。 まず,イリアに棲息している野生の動物を,乗り物として利用できるようだ。これについては,先日日本でもペットという形で馬が実装されているが,発表会では「ダチョウ」や「ユニコーン」に乗って移動しているシーンも公開されていた。有料アイテムとしての馬と,騎乗可能な野生動物の差は明らかにされていないが,動物好きには嬉しい新要素となりそうだ。 また,イリア大陸の各地には「マナトンネル」という遺跡が設置されており,プレイヤーはこれを利用することで,移動時間を短縮できるらしい。とはいえ,マナトンネルは昼にしか利用できない(夜はマナを吸収しているらしい)ので,ほかの移動手段とうまく使い分けたいところ。 ほかにも,ミニマップ上をクリックすることで,移動経路を設定できる「ウェイポイント」システムも実装される。その実用性については実際に利用してから判断したいが,単純作業としての移動からは解放されるかもしれない。ちょっと離席しなければならないときなどには,かなり重宝するだろう。
■チャプター2実装以降のアップデート計画について
中央の人物が,ネクソンジャパン運用部 運用1チーム長の神田淳氏。時折ユーモアを交えつつ,チャプター2の新要素について語ってくれた
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以上は,基本的に4月27日の時点で実装されるアップデート内容だが,発表会では,ネクソンジャパン 運用部 運用1チームのチーム長・神田淳氏により,「その後」のアップデート計画も発表されている。 その中でもとくに注目したいのが,新種族「ジャイアント」と「エルフ」である。この両種族は,基本的に人間には好意的だが,両種族間では争いが絶えない関係だという。そして,ゲーム中にいずれかの種族と同盟を結べば,その種族のキャラクターが作成できるようになるという。 ただしその場合,同盟を組まなかったほうの種族からは敵対視されることになり,フィールドで遭遇した場合には,襲われることになり,その種族の街にも入れなくなる。非常に悩ましい仕様だが,単に新種族を追加するだけでなく,それを世界観やシステムに深く絡めているあたり,devCATの「やる気」がうかがえるというものだ。
そのほかには,魚釣りに使える「漁船」,釣った魚類を材料とする新装備/生産(魚ローブやフィッシュボーンソードなどが作れるらしい),サンドウォームやドラゴンといった巨大なボスモンスター,そしてナオの新コスチュームや日本刀なども,すでに企画/開発中だという。それらについてのさらなる情報公開は,しばらく先の話になりそうだが,マビノギらしい「ペースの速いアップデート」に,今後とも期待していきたい。(大路政志)
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