EA,「コマンド・アンド・コンカー3」を2007年リリースと発表
リアルタイムストラテジー(RTS)といえば,エイジ オブ エンパイアシリーズから始めた,という人も多いだろう。だが,実はその前に「コマンド・アンド・コンカー」(Command&Conquer,以下C&C)というゲームがあり,それをもってRTSの嚆矢とされている。1995年の作品だから,Windows 95以前,MS-DOSの頃の話である。DOSってなんだか知ってますか,皆さん?
イタリア,ティベル川のほとりで発見された謎の植物は,その根っこから土中の希少物質や貴金属を吸い上げる奇妙な性質を持った便利なやつで,ティベリウムと名付けられる(この植物の起源はどうやら宇宙らしい)。ティベリウムはやがて金や宝石に変わって世界経済の中心になっていくが,これを独占しようとするのが,カリスマ指導者ケインに率いられた悪の秘密結社NODであり,彼らの野望を阻止しようと国連が組織したのがGDI軍だった。かくして,全地球を舞台に彼らの激しい戦いが始まったのだ……,というような話を何も見ないでスラスラ書けるほど筆者はゲームをやりこんだのね。 私事で恐縮だが,あの頃は日夜C&Cのネット対戦に明け暮れたものである。もちろん,現在のWindowsほど利口なOSじゃないMS-DOSでのこと。ネットワークにつなぐだけでも,あちらの設定をいじり,こちらのIRQを変更し,と大仕事だったが,その苦労を補って余りあるほど面白かった。シングルプレイでは,ミッションの合間に実写によるムービーシーンが流れるのだが,デベロッパであるWestwood Studioには俳優を雇うだけの予算がなく,出演しているのはすべて同社の社員,などというトリビアもちゃんと押さえているのである。 C&Cは,日本ではさほどでもなかったが,欧米では大ヒットし,続編がいくつも作られた。だがこの業界,元祖であることにいつまでも安んじていられるほど甘くはない。RTSというジャンルが一般化し,ほかのデベロッパもさまざまなタイトルを出してくるにつれ,C&Cは過去の存在になっていったのだ。2002年にはジャンルをFPSにバッサリ切り替えた「C&C: Renegade」をリリースしたが,結果はあまり芳しいものではなかったようだ。
……えーと,例によって必要以上に前置きが長くなってしまったようだ。ここから本題。米国時間の4月20日(日本時間では4月21日早朝),エレクトロニック・アーツはC&Cシリーズの最新作である「コマンド・アンド・コンカー3 ティベリウム・ウオーズ」の制作を正式に発表した。発売予定は2007年。価格未定。 言うまでもなく,ゲームの背景となっているのは“元祖”C&Cの世界。NOD軍とGDI軍の戦いであるのも同じなら,NODの指導者が誇大妄想のケインであるところも同じ。異なるのは,ティベリウムがどうやら植物ではなくなんらかの物質で,地球を侵食するところか。ティベリウム封じ込めを目的とするGDIに対し,ティベリウムを使って人類を支配しようと企てているのがNOD,となるらしい。まあ,そういえば,元祖C&Cでも,最初は便利だと思われたティベリウムの正体は……,おっとっと,言わぬが華。 なんせ,来年の話なので今のところ大したことは公にされていないが,新世代のコマンド・アンド・コンカーがどのような姿を見せるのか個人的にも楽しみだ。5月のE3ではもうちょっと情報が得られることを期待したい。続報をお楽しみに。(松本隆一)
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